外科医療では手術の技術が大きく影響するという特異性を迫力ある筆致で描いた力作。
2021/12/20 08:08
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
外科医療では手術の技術が大きく影響するという特異性を迫力ある筆致で描いた力作。特に広範囲に増殖したガンや、高度な技術を要する肝臓移植などの描写は現役の医師でなければ描けない迫力。しかし、本書の魅力はそれに留まらず、大学を頂点とする権威主義にすがる人間のあさましさ、そうした権威主義から派生する医療の歪んだ諸問題にも広く切り込んでる点である。例えば、術技の上手下手が大きく影響する外科の専門認定制度に術技審査が無いことに対する批判など私にも成程と思える。更なる魅力は、恋愛感情に代表される人間感情の描写であり、外科医療の具体的描写を除外しても恋愛人情小説として成り立つほどの面白さである。本シリーズは当麻医師が台湾へ去ったことで終焉するが、台湾での活躍?を描く『孤高のメス 神の手にはあらず 全4巻』も楽しみ。
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医者が書いた小説。
全6巻と長い小説だが、一気に読んだ。
医者が書いているだけあって、かなりリアルで、おもしろかった。
ただ、主人公は非常にマジメで、裏がなさすぎて、感情移入しにくい。
そのあたりも含め、山崎豊子の「白い巨塔」とも似ている。
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目の前に肝移植でしか救い得ない患者がいたので、ためらわず肝移植に踏み切った。もちろん、あくまでドナーとレシペント双方の同意の下であった。。。であるのに、不正医療として告発されてしまう。マスコミとか、学会で事前に何の連絡も無かったことが原因で。事前に連絡すれば、反対されるのは自明であったのに。
密室裡にやってしまうのは確かにフェアではなかったんだろうけれど、だからといって、当節の実施可能な施設を限定(認定)してしまうのはいかがなものかと。それよりも医学界は外科医の能力そのものをしっかりと認定する努力をすべきだというのが、著者の訴えたかったことのようです。
ただ、最後の結末は、前巻あたりからある程度予想できていたものですが、日本人として少々残念な決断でした。
(2007/7/21)
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あぁ、これってあの漫画だったんだ。と今更ながら知りました。
ちょっと最後は、物足りない感が残ったものの、最後まで飽きずに読破できました。
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天才外科医当麻鉄彦が、外国での研鑚をつみ帰国し、田舎の総合病院で執刀する中、いろんな軋轢等になやみつつ新医療に取り組む。大学病院の実川と生体肝移植を試みる。実川への風当たりが強くなる中、まだ日本では法令化されてない脳死の肝移植を当麻は成功させ一躍脚光を浴びるが、昔からの肝移植学会とかの偉い面々からは四面楚歌となる。そんなおり母親の知人から台湾の病院に是非にと請われる。第六巻
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ラスト。最後はこうせざるを得なかった、というか、他の選択はあるまいなあ。台湾医師が出てきた段階で読めていた。それだけ当麻先生が、今の日本の医療界で現実離れした存在であるということだろう。フィクションなのだし熱くなることはないと思いつつも、ちょっとした反感を感じてしまうのは仕方ない(笑)ユメマボロシの理想論を振りかざす、聖職者のような理想的な非人間的な医者に、だんだんとなって行ってしまったなあ(笑)
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不慮の事故により、台湾からの応援も頼めなくなってしまった脳死肝移植はどうなることかと心配されたが、見事当麻は成功をおさめる。しかしながら、そんな当麻を待ち受けていたのは賞賛ではなく、バッシングの嵐であった。
いよいよ最終巻。これを読んでいると、医療の制度にはなんてつまらないしがらみが多いのだろうと思ってしまう。とりわけ、大学病院には。どういう方法が一番患者のためになるかということよりも、どこに顔をたてるかや、どうすれば今後の自分の出世に役立つかということばかりを考える医者のなんと多いことか。医師を志した時に誰でも持っていたであろうはずの心を、忘れている人間がここまで多いものなのか。結局当麻も、様々な抑制によって日本にいる意味を見失ってしまい、台湾に渡る結末になっていることからも、実際医療の現場で働く作者が同様の疑問を抱いていることが伺える。
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ついにラスト・・・
医学界というか伝統というか規則というか・・・
それは破るためにある!
と誰かが言ったということがあるのかもしれません。
ただ、それをはじめにやると必ずといっていいほど、バッシングがあります。
今は当然といってもいいほどプロ野球の世界ではメジャーリーグへと行きますが、この流れのきっかけを作ってくれた、野茂選手はそうそうたるものでした。
そんな人がいなければ、作れないいい流れってものはあります。
その勇気と行動力。
僕にもあるでしょうか
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とうとう終わってしまった~っと思ったら、まだ続編があるようです♪
明日は本屋へGo!!
おっとその前に、「告白」by湊かなえ を読み始めます♪
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無事に手術を成功させたものの、内外からの激しいバッシングにさらされる当麻。
旧弊なシステムにがんじがらめの日本の医療、人の成功を喜べない陰湿な風土……。天才外科医の孤独感が否応なく伝わってくる。タイムリーにも新たな臓器移植法案が施行されたこともあり、けっして他人事ではない脳死について深く考えさせられた。
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1~6巻までホントに一気読み。
だからラストはもうちょっとふくらませてほしかったなぁ。
たった一人じゃ日本の医療界は動かせないだろうけど、もっと仲間が増えてみんな海外へ出て日本の医療が危機って言うくらいまで書いてくれたらすっきりするだろうなぁ。
実際日本は保守的すぎると思う。
慎重になるなのは結構だけど、それ以外に方法はなく患者も納得しての治療ならばそこまでバッシングしなくても良いんじゃないかと思うけどな。
白い巨塔を読んだときも思ったけどこんな医者ばかりと、そこまで高望みはしないからせめてもう少し心のある医者が増えてくれたらなぁと思う。
医療界で働く私でさえ頼るのは医者なのだから一般の方は医者しかすがる人はいないもんね。
当麻の過去の恋愛は今の当麻を作るために必要だったと思うけどそのほかの恋愛話や他の人の恋愛の話はあまりいらなかった気もする・・
いくらなんでももてすぎでしょ(笑)
なんにせよ、最後にすっきりする終わり方で良かった!
映画はどこまで忠実に再現してるのかな
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きちんと6巻終わったというより
まだ 次!
あと 4巻も・・・。
と言う気分に 納得いかずです。
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それなりに面白く読み易く、1日1〜2冊ペースで一気に読んだ。ただ、淡々と話が進み一貫性はなく、終わり方も意外性もなく物足りなさを感じた。続編に続くのかな?
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せっかく大手術を成功させたのに、いろんな力関係の中で迫害的な扱いを受けた当麻先生。結局一番可愛そうなのは当麻先生。
それでも、医師として新たな転地での期待に燃える当麻先生は、心から尊敬できる人物。是非、続編も読んでみたい。
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日本の医療制度は、まだまだダメだ…。当麻医師がハッピーエンドに終わったのがせめてもの救い。
作品の紹介
前人未到の脳死肝移植を成功させた当麻は、達成感に身を震わせた。しかしそれは激しいバッシングの始まりでもあった。院内の医師からの抗議、県警からの査問、肝移植研究会の除名勧告など予想外の出来事が起きる。理解者だった島田院長も、近江大が医師派遣停止の通達をするや支え切れなくなる。孤立を深めた当麻は、ついにある決断を下す―。