- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
野ばらさん、最強ですね
2004/07/23 04:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やしまのゆり - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかくおもしろい。桃子の語り口が絶妙だ。いまどきの高校生(ちょっと田舎より)の生態をよく把握して描かれている。一見、冷めたようでいながら、その実、心を許せる人間を探しているロリータちゃん。イチゴは決して相容れることがないようなヤンキーちゃんなのだけど、お互い、シンプルと対極のカスタムぶりに共通するものがあることに桃子は気づく。久しぶりにげらげら笑かせてもらった。でも最後はほろりとさせる温かい物語。
乙女の気持ち。
2022/07/10 16:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
尼崎から茨城の下妻に越してきたロリータファッションを愛する桃子。ひょんなことからレディースに属する白百合イチゴと出会う。価値観もお洒落のセンスも、オツムのデキも違う二人のデコボコな日常。
笑って、ホロッとさせて、どちらも女の子にあるよねって思わせる。
おもしろかった
2016/03/08 17:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
価値観の違うロリータとヤンキーの2人に友情が芽生えるお話です。
趣味や性格の違いがすごい対照的な2人だけれど、お似合いです。
面白く読めました。
心あらば、この乙女らの雄々しさに泣け!
2005/01/22 09:33
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にんぎょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を見て、読んでみようと思った。そして、今まで嶽本野ばらを読んでいなくて、損をしていたと思った。
おかしい。下妻という田舎で思いっきり浮きまくりのロリータやってる桃子の一人語りの、世の中に背中向けちゃった部分と、実にシビアに現実を見る部分のよじれたギャグのおかしさは最高。レトロで良い子のヤンキーをやっているイチゴのアッパラパーな突き抜け感も笑える。
思いっきり笑えるが、泣けた。
桃子はテキヤ、バッタ屋の父と、不倫で家出の母を持つ堂々たる欠損家庭の娘であり、現実認識の鋭さは人並み以上。余計な甘えを持たない、人に期待しない彼女はどうしたって孤独。イチゴはクラス中から馬鹿にされ、自己嫌悪の孤独の中にいた。
しかし彼女たちは、卑屈に集団に擦り寄ることで孤独から逃れようとはせず、また世の中に対してすねることもせず、自分たちの美学を貫いて敢えて孤独に生きることを選ぶ。その美学がロココの世界であり、イチゴの「主義」なのである。それは傍から見て、いかにスットンキョウであろうと、眉をひそめられようと、自分をごまかすことなく、苦しさと闘う乙女なのだ。
見た目は違えど、二人はお互いを知る者なのだ。そして馴れ合いからは生まれない孤独を知る者同士の友情は、ここにこそ育むことができるのだ!
ちょっと痛いけど眩しい青春
2004/07/08 13:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:らせん - この投稿者のレビュー一覧を見る
四方八方田んぼだらけの茨城県下妻。そんな田舎で浮きまくりのバリバリロリータ少女・桃子は、大好きなお洋服欲しさに始めた個人販売で、これまた時代遅れなバリバリヤンキー少女・イチコと出会う。見た目も趣味も全く違うこの二人。わかり合えるはずはないのに、やがて不思議な友情が芽生えて…。
“乙女のカリスマ”嶽本野ばらさんの『下妻物語』が、2004年5月の映画化を機に文庫本として登場しました。全編桃子の視点で書かれたモノローグで、ロココを貫くロリータ少女の根底から、生まれは尼崎の関西テイストがほの見える語り口はとても面白いっ! ド田舎ヤンキー少女のイチゴ(本名イチゴだとヤンキーらしくないのでイチコと名乗ってる)も、往年の大映ドラマを彷彿とさせるキャラ(頭は弱いが心根純情)が実に良い!
誰しも生き方にはその人独自のスタイルがあって、スタイルとは人生哲学のようなもので、哲学がない生き方もまたひとつのスタイルで、大多数と違うスタイルをしてるからといって、人を色眼鏡で見るのは自分のスタイルを棚上げにした不遜な行為なのだという、ごくごく当たり前なことが、痛快で笑えるストーリーの中に巧みにさりげなく書かれた本です。
でも実際人は人を、自分と相違点が多いだけで区別し差別し誤解するものだから、ふたりの少女が己のスタイルを貫くことは、本当はすごくしんどいことなのが、大人の私にはよくわかります。それだけにふたりのCoolいやあえて言えば男前な生き方に惜しみない称賛を送りたいものです。ここに描かれているのは、ちょっと痛いけど眩しい青春です。
勝負に勝ったときのイチゴの捨て台詞「畜生! 覚えてろ!!」は、この本を読んで笑ってしまった私が、作者の野ばらさんに贈りたい言葉だわ。
切なく、繊細で孤高と抱き合わせのような乙女の生き方を書いた他の作品も好きですが、随所にギャグを散りばめたこの物語はとても楽しく読めました。深キョン主演の映画も評判が良いそうです。そちらも合わせて見たくなってきました。