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嵐
2021/08/18 05:30
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投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
不思議な話です。
作者さんの話の痛いか痛くないかの分類でいくと
まあ痛くないよりの話ではないかと
(この分類自分でどうかと思いますが・・・)
暴力団の組長の息子に生まれながら組との関わりを隠して生きる孝義
(しかも「王子」とあだ名されている)
その孝義の護衛におしかけてくる元刑事のヤクザの宮城
帯にすでに狂犬とありますとおり、宮城は狂犬です。
最初から坊ちゃんに対する態度でない
強引で、傲岸不遜な態度で、
「俺のものだ」とすら言い放つ。
根拠も理由もわからない言葉や態度で
気弱で自分の殻に穏やかに存在している孝義の殻を
押し破ってきます。
この宮城は孝義に対して「説明」なしにぐいぐいきます。
(もう少し孝義を思いやって、説明しろよって思う)
とにかく執着と独占欲と守護欲でぐいぐいと。
まさに狂犬なんですけど、孝義一筋というところはぶれない。
(巻末のSSの「リベラチオーネ」読むとまさにストーカーですが
孝義に与えられたものあるいは求めていたものが良く分かります
まさに天啓を受けたのでしょうね)
とはいえ、孝義にとってはちょっと気の毒な存在ではありますけどね。
ぐいぐいこられて押し切られた感は拭えないけど。
でも最後に宮城に「疲れた」と言わしめたので、
孝義に分があるのかなぁって思ったり。
(思わず「それ言っちゃだめだろう」って私は思ったのですけどね)
まあ、孝義の存在自体が宮城の生きている意味なので
孝義に分があることは間違いなさそうですけどね。
孝義にとってまずは肉体から、
そして心みたいな展開なのですが
宮城にとっては天啓を受け、人生を変え(刑事からヤクザへ)
ずっと追っかけてきた大好きまものを手に入れるという展開
この齟齬がちょっと読者の心を軋ませる感じはします。
まあ、最後は「待て」ができる犬になっているので
良しと見るべきかとなんとなく納得したのですけどね。
と、今回の孝義が色々痛い目にあった原因は
矢部先輩のせいではないでしょうか
ちょっと孝義が憧れていた矢部先輩の行動が
宮城を暴走させたり、孝義が敵の手におちたりとさせたので・・・
故意ではないのですけどね。
(まあ、それでも最後に孝義の良い先輩でいてくれたことは
救いではありました)
それが、「愛」なのか「共依存」なのかわからないですけど
天啓を受けた狂犬宮城が「愛」を手にいれるという話でした。
そして孝義は見えないものから解放されている。
余談ですが、
ジョルジョーネの「La Tempesta」は静謐の中に不穏を感じる絵です。
ダヴィンチの「岩窟の聖母」は本編で語られているようなイメージは
あまりないのですが・・・
絵は個々人の感性が非常にあるので仕方ないので、
そうかーみたいな感じで思ってはいます。
☆3.5
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