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文章を読んで、わかる。とは一体何だろうか。
多くの人は、文章を読んで本当に理解しているのだろうか?実際に本書を読み進めながら文章理解と誤解について研究する。
わかる、わかったつもり、について説明する。
わかる、とは文章を読む上で働くスキーマと、文章間でどれだけ関連例があるかによって理解度が大きく変わる。
文脈がわかり、スキーマを発動し、そこから意味を引き出す。文脈が異なり、引き出した意味も異なっていた場合、それぞれの意味に関連性ができればその文章は文脈として理解しやすいものになる。
わかったつもりとは、文章の構成に惑わされて、正しい読みができない現象である。
文章にある「結果から」「最初から」「いろいろ」という接続詞によってそこからのみ文脈を判断するスキーマを働かせてしまうことで、文章理解に問題が生じる。
この、わかると、わかったつもりが理解できることで、「読み」を進める上でどういったときにわかったつもりになりやすいか、それを防げるか、読み手の想像・仮定が必要ということがわかる。
ちょっといまいち。
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文章が正しく読めないのは、「わかったつもり」になっているからである。
人が文章を読むとき、ある文脈(スキーマ)を頭において文字を追う。たとえば、今書かれているこの文章を本のレビューである、と解釈するみたいに。
しかし、その前提である文脈が変われば、書いてある内容もおのずと自然に変わってくる。たとえば、根暗会社員の読書感想文か、と解釈するみたいに。
つまり一つの文章を一つの見方しかできていない「わかったつもり」の状態を突き抜け、より深く読み込むためには、文脈をいろんな方向から探っていくことが大切なのである。文章に書いてあることから想像したり、また、客観的な事実と照らし合わせたりしながら。
こうした考え方でいくと、国語の入試問題でよくある「次の中から適切なものを選べ」という設問の見方も変わってくる。そこに書かれている答えが唯一絶対の正解なのではなく、ある一つの解釈に過ぎないのだ。そしてその解釈が自分の解釈と違っていて、「正解は〜」と言われたときに感じた違和感は、単純に設問を「そのように読むことが可能か、否か」というように置き換えることによって全てスッキリするハズだ。
文章に限ったことではなく、ぼくたちは日常色んなものを「わかったつもり」になっている。しかし、自分の中の世界から、世界の中の自分という認識でものごとを考える時期にさしかかった現在25歳である自分の身としては、「世界」というテクストを解釈する上で、なにか非常に大切な心構えをこの本から学ぶことができたような気がした。
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【著者はこんな人】
宮城教育大学教授
専門研究領域
教育心理学 学習・学習指導
【だいたいこんな本】
文章をよりよく読むためにはどうすればよいのか
「わかったつもり」とはどういうことなのか
例題をあげながら
「わかったつもり」の原因や解決法を述べた本
【読んでみて、こう感じました】
結局、どうしたら
わかったつもりを解決できるのかわかりませんでしたw
わかったつもりがゼロになるように読もうとすると
膨大な時間が要ると思います
自分がいかに理解せずに文字を眺めているかは
痛感したのですが
うーーんスッキリせず
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文章を読んで、分からない部分が無いのが「わかった」、分からない部分が見つからないのが「分かったつもり」
分かったつもりになる原因とその解決策を教えている。
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くどいところも鬱陶しいところも少し首をかしげるところも無いわけではないですが・・・
とりあえず、社会人(特に「そんなこと言ってない」といわれた経験のある人)はまず読め。
話はそれからだ。
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「勉強」ということの意味を
身にしみるほどに考えさせられる一冊。
レビュアー自身も偉そうに語れるほど
「勉強」をしているわけではないが、
社会システムの様々なひずみが
社会の構成者の「不勉強」に由来している可能性を
痛烈に示唆しており、衝撃的だった。
とりわけ、「勉強」について
一番まじめに考えるべき教育関係者もまた、
往々にして「不勉強」であるという。
この指摘は、
教育学部で勉強してきた身として悲しくなる。
確かに、教育について物申す人々には
「勉強」を悪しき行為と決め付け、
「勉強」とは独立した
「学び」という概念を提起する教育者も
少なからず存在している。
著者の指摘と照らし合わせるなら、
彼らの発言は
「勉強」への現実逃避ではないかと思えてくる。
「勉強」の意味を社会と関わらせて
考えたい人にオススメの一冊だが、
一番読むべきは
「勉強なんか社会で役に立たない」
と心の底から信じ込んでいる人では?と
個人的には感じた。
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ぶんn章を深く読むことの重要さについて様々な例文を使って説明してある。現代文の苦手な身にとっては少し難しい印象を受けたが、書いてあることがありきたりではないので楽しく読めた。普段の読みがいかに浅いかを思い知らされるとともに考えることについても訴えかけている一冊。あとで読み返すと違う味が出てきそうな内容。
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タイトルに惹かれた作品。
中身を読んでつくづく、自分がどれだけ「わかったつもり」になって問題をおざなりにしてきたか。
考えにつまった時は、もう一度読み直してみたい。
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読解力がつかない原因を「わかったつもり」という理解の方法に求めた書。
具体例も読みやすく、身をもって「わかったつもり」が何かがわかります。
なかでも、「いろいろある、というわかったつもり」の説が面白かったです。
いろいろあるのだな、と認識した時点で人はそれ以上の追及をやめてしまう、という話。
大変身につまされました。
多様な考え・物事を受容する立場をとったせいで、理解が中途半端になっていることがよくあります。反省。
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本書では、文章を読んで「わかったつもり」になっている状態について考察し、その状態の弊害、その状態から抜け出す方法などについて説明している。
「読む」という行為の障害は「わからない」ことだと一般的には考えられている。「わからない」から「わかる」に達する過程では、そのとおりだ。
しかし、「わかる」から「よりわかる」に至る過程における、「読む」という行為の主たる障害は、「わかったつもり」であり、それは、「わかったつもり」が、そこから先の探索活動を妨害するからである、と著者は言う。
そして、読者に様々なケースを提供し、
・「わかったつもり」でも、その先には「よりわかる」状態があること。
・「わかったつもり」は、部分の読みが不十分だったり、間違ったりしているので、間違った「わかったつもり」が成立していることがあること。
を体験させてくれる。
200ページ程度の本だが、そのうち150ページくらいを、「わかったつもり」状態を解明し、読者に納得してもらうための説明に割かれている。
それは丁寧に、段階を追って説明がなされているのだ。
私は、仕事上、特にお客様とお話しするときに、「更にわかる」ことを追求してきた。
(※ 本書は「読む」ことについてのお話ですが、「お話を聞く」にも通じるところがあるように思う。)
大枠を忘れないようにしながらも、部分に注意を払う。そして、お話の中で矛盾や違和感を感じたら、そのポイントについて、つっこんでお話を聞く。
それは、矛盾を指摘するためではなく、そのポイントは、お話しながら矛盾が生じる程度に複雑で、誤解のある場合が多い箇所だから。
後輩にも、そのような聞き方を薦めるが、なかなかその重要性を理解してもらえない。「なぜそこまで細かい「部分」を知る必要があるのか」と。
この本を読んでもらえれば、「わかったつもり」の問題点、部分を知ることの利点を理解してもらえそう、と思った。暗黙知の形式知化だ。
社内の推薦図書にしようかな・・・
また、色々な「わかったつもり」の類型が紹介されているが、私が「これは自分も「つもり」になりがちかも・・・」と思った類型があった。
それは、「ステレオタイプのスキーマ」に支配された「わかったつもり」状態だ。
例えば、「善きもの」ステレオタイプスキーマ。
環境問題などについて論じられていると、すぐ「人間が悪い」という論理展開に陥りがちだ。環境について考えることは善いことで、人間は環境問題の諸悪の根源、といったステレオタイプ的な考え方である。でも、環境問題に関するすべての文章が、「人間が悪い」といっているとは限らない。
筆者は、読書後に自分なりに文章のまとめをしてみて、そのまとめがあまりにも簡単すぎないか、キレイすぎないか、自分のいつもの考え方そのものでないか、確かめるなどの手順を推奨している。
うん・・・確かにその通り。理解は簡単な方向に流されがちだ。気をつけなきゃ。
読んだ日:2009年8月20日
読んだ場所:東海道線車内 平塚→東京
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「わかったつもり」という、魔物・・・・
にアナタは支配されていませんか?
本書は「わかったつもり」からの脱出、
「わかる」を目指します
学生・ビジネスパーソン必読の書!!
という手作りPOPで他社のある店、売上記録更新中
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ネットで新書を片っ端から見ていたときに気になっていたのだが、書店で見るとどうやら有名な本のようで、ドラゴン桜というマンガでも教材として取り上げられていたそうだ。
本書のキーワードは、タイトルそのままで「わかったつもり」である。
読解にあたって最も障害になるのは、「わからない」状態ではなく「わかったつもり」の状態だ。
「わからない」状態ではわかろうと努力するが、「わかったつもり」の状態は一応の安定状態であるため、より深く読み込む可能性があるにも関わらず読み込みをやめてしまいがちである。
さらには、読み足りないのではなく、読み誤っている場合もあるという。
そういったことを、大学の授業などで実際に出題してとった統計を用いて説明している。
私の一番の感想は、「なるほど!」である。
これまで自分が超えられなかった壁の原因がわかった。
ただ、その壁を超えるための方法論としてはやや弱く、結局は何度も注意深く読むしかないような書き方である。
メソッドが示されていないのである。
それでも、最終章である第5章では、実際のセンター試験の問題を使い解説をしているのだが、これは本当に目からうろこであった。
受験の現代文は、なぜどれも正しいような選択肢が並ぶのか、そこからどう肢を選べばよいのかがわかる。
本書の帯に「受験生向け」というようなことが書いてあったが、これだけでも一読の価値はあろう。
私が思うに、第1章および第2章で本書の基本的なことは大体理解できるので、そのあとに第5章を読めば十分有用である。
第3章および第4章は、演習的な章なのだが、メソッドが示されていないので、著者の誘導に従って読解しているだけで、なかなかものにできなさそうな印象だ(それは、私が無能であるからかもしれないが)。
最後に、本書で欠点のようなものを挙げるとすれば、同じことを何度も繰り返し書いている(それは、立て続けに言い方を変えての場合も、後の章で復習的にしつこく書く場合もある)ことである。
ただそれは、考え方によっては重要な部分の強調とも受け取れるので、さほど気にすることもない。
総合的に、読んで良かったと思える本である。
「わかったつもり」を容易に脱することはできなくとも、この事実を知っているだけで十分価値のあるものだと思う。
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確かにわっかたつもりでいることで、理解することができないことが、しばしばあるので、共感する部分が多かった。
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文章を読んだ際、中身が本当に理解できているのかを
改めて認識させられる内容。
この本を読んで感じたことは
同じ事象でも、自分の理解と他人の理解は、全く異なる可能性が
あるということ。
自分の勝手な解釈によって、文章を理解したつもりになり
更に、それが正しいと思い込んでしまうという点から
上記の考えに至った。
つまり人に何かを伝える時
相手の思い込みにより、異なった解釈をされてしまう
可能性を常に考える必要があるのだということ。
自分自身の思いを客観的に見て
他人に異なった解釈をされないか
判断することの大切さを感じた。
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書かれている言葉や文法に問題はないのに、読んでも内容が掴めない・掴みにくい文章というものがある。
この本ではなぜそのようなことが起こるのかを説明している。
読み手側としての見地で書かれているが、前述のような事柄で悩める執筆者には是非とも一読してほしい。