ゴッホに隠された謎を追う
2005/11/24 22:54
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本で、いや、世界でも一、二をあらそうほど有名な画家、ゴッホ。彼の未発見の絵とそれにからんだ殺人事件を、塔間双太郎が追いかけます。
これまでの、写楽や北斎など日本の浮世絵師の名前をつけた一連のミステリと比べると、スイス・オランダ・フランスなど舞台が世界に広がっていてサスペンス性が高まっています。殺人事件とともに、ゴッホの生涯に隠された謎を追求していくあたりは今まで同様ですが、これが定説を覆すような驚きの内容、しかもそれをさらに一ひねりしてあり、これを読むためだけでも本書を読む価値有り、歴史ミステリのおもしろさを味わえます。
シリーズ探偵である塔馬双太郎の悲しい過去の清算もファンには見逃せません。
ゴッホや絵にそれほど詳しくはないのですが、とてもおもしろく読めました。
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ゴッホに疎い私には難しいです・・・あと、やっぱり横文字の名前は苦手(笑)ただ、友達の『オランダのゴッホ美術館にもいった!』というゴッホ好きは面白いと言ってました。
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久しぶりの塔馬シリーズ。
なんと今まで女関係さっぱりだった塔馬の昔の彼女が!
いやいや、そこじゃなくて。浮世絵から西洋画ゴッホの謎に迫る。
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ほとんど日本人作家のミステリは読まないんだけれど、高橋克彦の「浮世絵シリーズ」は好きで、もう20年も前の話になるけれど、「北斎殺人事件」を読んで小布施の北斎館に行ったこともある。観光案内じゃないけれど、謎を解くためにあちこち行ったときのその土地の風景だとかおいしいものだとかがすてきで、思わず行ってみたくなったのだ。で、ゴッホがテーマのこの作品もものすごくおもしろかった!(まず、はじめから日本語で書かれている話って読みやすーい、と翻訳ミステリばかり読んだあとで思ってしまった・・・)。フランスやオランダが舞台になったり、モサドが出てきたり、爆破事件があったりと、一見派手だけれど、研究者が地道に推理をはたらかせていくのは「浮世絵シリーズ」と同じ。今回はその推理が、ゴッホ他殺説だったり、ゴッホはなぜ生前評価されなかったか、などということで、研究者たちの会話で語られていく説明がとてもわかりやすくて、まったくゴッホに詳しくないわたしでもすごくおもしろかった。美術館や美術界のこぼれ話みたいな話もなかなか興味深くて、どこか美術館に行ってみたくなったり。 フランスで絵画修復の仕事をしている女性の仕事やごく日常のシーンもよかった。浮世絵シリーズもそうだったけど、プロフェッショナルな女性の姿がちゃんと描かれているところも好き。謎解きばかりじゃなくて、食事するところとか日常シーンも楽しい。殺人があっても、殺されるシーンとか、陰惨な場面がないのもいい。(わたしがこのごろ読んでいた翻訳ミステリって、グロテスクすぎるかも・・・・)。塔馬双太郎が活躍する「絵画シリーズ」をこれからももっと読みたい〜。 これを読んで、苦手だと思っている日本作家のミステリとか本格といわれるものも、もしかしたら読めるかもしれないと思ったんだけど・・・・。高橋克彦が特別なのかな?
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自分の教養の足りたさもあるが、事実に基づいた仮説と殺人ドラマが重なり合ってるような錯覚を覚えて、とても楽しく、先が気になって仕方が無い。
かなり厚みのある本に少し気後れしたが、ぐいぐい読み進められる。
下巻の展開に期待。
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展開がスローな部分があるけれども、ゴッホ他殺説の論証は一読の価値はあります。言われてみれば確かにそうだなぁと。この部分だけ冊子にして欲しいくらい出来がいい。
でもゴッホに興味がない人は多分面白くありません。
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専門家が読んだらどこまでリアリティを感じるのか分かりませんが、ゴッホの死に対する仮説は少なくとも自分にはとても興味深い。
こういった独自の推理展開を小説の中で展開するためにはかなりの資料調査が必要だと思うのですが、それを幅広い対象にやってしまうことろが高橋氏の凄いところです。
ただ、展開がゆっくり過ぎて集中して読み続けるのが難しい。