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あまりにリアルな若者が体験する、どうしようもない現実がヒリヒリと心に痛い。
2003/07/04 15:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る
広島の女子中学生、宇野初子。ベビーフェイスの可愛い彼女には、父も母もいない。家族は兄ただ一人。初子をわずらわしく思いながら、妹だからと少しだけ気にかける兄の口癖は「わしになんも期待すんな」なのだ。
進学するお金もなく、上を望まず現実を受容しあきらめる、という生き方を貫く初子。初子の表情が読んでいて胸にしみる。なんでそんなにいい子なの? 怒ればいいじゃないか。周りの勝手な人、いい加減な人にバカヤロウとどなればいいじゃないか。でも、初子はそうしない。自分を好いてくれるクラスの学級委員・三島くんへの想いを大切な宝物にして、静かにトボトボ生きていくのである。平気じゃないんだ。たくさん傷ついて平気なわけがないんだ。時には涙もこぼす。でも、子供のように泣いてもワガママ言ってわめいても現実は変わらないから、初子はおとなしいままでいるのである。
この物語はハッピーエンドでもアンハッピーエンドでもない。彼らはあまりに若く、この先の人生の残り時間は膨大で、どのように変わっていくのかなんて誰にもわからない。おそらく、作者にすら。それでも、いい子な初子、たまに見せる笑顔が無上に可愛らしい初子、彼女が幸福をつかむことを一読者として願わずにいられない。
併録の「PAINT IT BLUE」は以前漫画誌で立ち読みしてから、ずっとまとめて読みたく思っていた作品だ。今回コミックスに収録されて、私はたいへんにうれしい。
「赤い文化住宅の初子」が赤貧、田舎の女の子の頬っぺた、赤毛のアン、炎と赤いイメージだったのに対し、こちらはタイトルどおりブルーカラーの男の子・ジッツンの青い青春物語である。アイロニーきいた台詞まわしと、主人公の不敵な表情に魅せられて笑い、怒り、泣き、やるせない現実を思う。名作。
切ない
2017/08/23 19:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
底辺描かせたら日本一だなあ。
初子はこんな生活の中でぐれないんだよね。
内向的でぐれる仲間もいないのか。
三島がなんでそんな初子が好きなのかよくわからなくてファンタジーだけど。
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