ビットコインの仕組みやからくりについて分かりやすく解説してくれる興味深い書です!
2020/02/16 06:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「暗号通貨」とも呼ばれるビットコインの仕組み、からくりなどについて、分かり易く丁寧に解説した一冊です。私たちは人類史上、貨幣を生み出し、それを長らく使ってきました。そして、現代ではその貨幣は国家によって保障されており、私たちは安全なものだと思い込んでいます。しかし、同書の著者によれば、この貨幣は実は完全無欠なものではないのだと断言します。そのうえで、為替リスクを抑え、送金手数料も安い暗号通貨は「欠点だらけの現行通貨」を革新する可能性を秘めているとも主張します。現代社会で流通してきているビットコイン、さらに電子マネーやクレジットカードなど、その背後にある数学や暗号技術、さらに経済へのインパクトなどについて、誰にでも理解できるように、易しく解説してくれます!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、情報技術面と経済面を専門とする2名の共著である。はじめにで、本書の目的は<ビットコインや暗号技術について、マジメに知りたい、考えたいという読者が、自分自身で判断するための基礎知識を提供する。>こととある。ビットコインは、暗号化された複製不可能なデータを生み出す「マイニング」という特別な作業がキーワードとなるが、予備知識のない読者にとって、本書だけで完全に理解することは難しいのではなかろうか。その一方、本書のタイトルからは想定外である通貨に関する解説では、思いもよらず通貨の基礎知識を得ることができる。その一例をあげる。◆通貨の国際送金の仕組み◆江戸時代、複数通貨の変動相場制を採用。つまり、銀貨中心の大阪と金貨中心の江戸。この変動相場制が、大阪と江戸の間でマクロ経済の不均衡が生じた場合の調整弁となった。◆投機が常に大規模に行われていれば、日々の価格変動は安定化しやすい。ただし、数か月から数年の間に急激に価格上昇し、バブル発生の現象はおきやすくなる。
さっぱり分からない、だからこそ可能性があるのか、全くの御伽噺なのかも不明
2015/05/04 21:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:相場師 太郎次郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
偽造あるいは無限に製造できるのか、とすると石ころと同じ。
上限があるとすると、その流通に難あり。
国家を揺るがすと恐れるほどのこともないとなる。
ただし通貨制度が整っていない国にとっては有効であり、驚異でもある。
だから、どうしたレベルの理解しか今のところ出来なかった。
ここの所トンと、話題をきかないのは、地下にもぐっているからなのか、たいしたことがなかったからなのかも不明だ。
投稿元:
レビューを見る
通貨とは何か、ということで経済学者の吉本氏が2章を、ビットコインとは何か、ということで西田氏が2章を書いている。ビットコインの技術的な側面についてはこのうち一章のみで、しかも「ハッシュというのがあって、、、まぁ、詳しくは説明しませんが、、、」というような書きぶりでやや物足りないかも。マウントゴックスがハッカー(?)被害に遭った経緯についても触れられていない。
ビットコインはメンコのようなもので、その価値は仲間うちだけで通用するものだ、という説明は腑に落ちる。
・ビットコインのシステムでは、取引の記録全てがネットワークを流れる。新しい取引が付け加えられると、nonceという数値を用いてハッシュが計算されるが、この際、ハッシュの頭から特定の桁までが全て0になるようなnonceを見つけることが「マイニング」で、25ビットコインが得られる。
これは取引のブロックが更新されるまでの10分の間に解かないといけないが、最高級のPCをもってしても計算しきれない量になっている。
マイニングがインセンティブとなり、取引を承認しようというPCが多く参加することとなる。取引を偽造しようとしても、そういうデータを使ってマイニングしようとする人が偽造グループ以外にいないので、更新が遅れ、承認されないデータになる。
投稿元:
レビューを見る
技術的な内容を期待すると、期待外れだが、一般的な通貨については示唆に富む内容だった。お金や資産について、いろいろ考えさせられた。ただし、最後の通貨の未来についてはほとんど理解できなかった。
投稿元:
レビューを見る
口述筆記らしい文体。それだけに類書のなかでは飛び抜けて読みやすくなっている。かといって軽い本ではなく十分にタイトル通りの内容だ。
「通貨とは」などと演繹的に説明するのでなく、決済周辺の過去の歴史に触れながらビットコインなどの新しい仮想通貨または暗号通貨の説明をおこなっている。
ビットコインに関係ないようなところばかりメモしてしまったような気がする。が、これらが説明には必要であったと思う。もちろん、本筋の技術的な説明も、RSAとかハッシュ値とかマイニングとか、なされている。自分がすでに理解してるのでメモしてないだけで。
流通の発展とインターネットによる情報の流通のための国際的な決済手段、少額の決済手段が求められ、一方でそれを解決する情報技術ができてきたという節目にいるって感じ。
それが取引所破綻というニュースを経て、本作のようなビットコイン解説本が増えてきているということ。
p89.内国為替と外国為替では、先に内国為替が発展したと思いたくなりますが、中世ヨーロッパでは、国際決済をおこなう外国為替から先に発展しました。
p89.通貨が異なる国の間でおこなう外国為替なら、為替レート(為替相場)のなかに金利をふくめてしまうことで、実態として金利のやりとりが可能でした。だから中世ヨーロッパでは、外国為替が先に発展し、金利を禁止していたキリスト教の影響が強いなかでも、銀行業が成長できたのです。
p92.国際送金では、取引コストが格段に高くなることを覚悟すべきです。日銀ネットの代わりに銀行間の決済を完了するしくみが、公的には用意されていないことが、最大のポイントです。実態として、中央銀行の代わりをしてくれる銀行は存在しています。主にアメリカの大手民間銀行です。
p95.こうした決済ネットワークの事実上の中心にあるのが、アメリカの大手民間銀行であるからこそ、米ドルが基軸通貨として機能しているのです。。世界のいろいろな銀行がアメリカの大手民間銀行を決済の"ハブ"として使っているから、これを変更するのはむずかしいと考えられます。そうして、米ドルの基軸通貨としての地位は維持されているのです。実際に、世界の外国為替市場の取引の約9割は、米ドルを相手とする取引です。
p99.じつは、ビットコインの登場を脅威と感じているはずの企業として、クレジットカード会社があります。少額の国際決済をビットコインが担うようになると、クレジットカード会社の金融ビジネスを侵害するからです。他方で、アメリカの大手民間銀行はさほど困らないでしょう。すでに述べたように、国際決済ネットワークの中心にいるという既得権は、少額の決済についていえば価値の高い既得権ではありません。銀行は「少額の国際決済についてはビットコインに任せてもいい」と考える可能性が高そうです。
p181.ハイエクが通貨に競争原理を導入することを強く主張した背景には、国家と国家組織のひとつである中央銀行に対する不信感がありました。
p193.オランダ議会から貿易を独占する特権を与えられて、1602年に設立されたオランダ東インド会社は、出資金が10年間は据え置かれ、永続的な株式会社として資金��集めました(実際に、江戸時代で鎖国時の日本とも貿易をおこないながら、約200年も営業を続けました)。そして、ライバルであるイギリス東インド会社の10倍以上の資金を集めたといいます。設立時から現代の企業会計の基本である「複式簿記」が採用されており、利益は配当され、株を他人に売ることで出資金が回収できました。また株価は、東インド貿易の利益に影響を与えるニュースに反応して変動するなど、現代の株式会社と株式市場のしくみが、すでにできあがっていた点に驚かされます。不適切な会計処理によって、さほど利益がないのに多額の配当がなされたときもあったようで、このあたりの問題も現代に通じるものです。
p166.このミシシッピバブルがフランス国民に「銀行(banque)」という言葉を忌み嫌わせる原因になったため、フランスの民間銀行の多くは、その名称に「銀行」という言葉を入れていません。
p202.中央銀行は、イギリスとフランスが戦争をくり返し、お互いに国家の債務が通常の方法では処理できなくなった状況を強引に処理しようとして、かなり怪しい人たちによって設立されたものです。発券銀行としての役割を重視する近代的な中央銀行になったあとでも、いざ国家が戦争をするとなれば、戦費調達に協力して、軍人たちが要求するままに紙幣を印刷するはずです。国家が滅べば中央銀行も消えますから仕方がありません。日本銀行にもその前科がありますが、当時(戦時中)の日本銀行を責めても意味がありません。国家が莫大な戦費を投じて戦争をしてしまえば、国家財政は危機に瀕しやすいでしょう。中央銀行はしょせん国家機関であり、戦争を止める権限もありません。
p215.唯一の解決策は、強すぎるドイツがユーロから離脱することだと筆者(吉本)は考えますが、これは現実的ではありません。なお、著名投資家のジョージ・ソロス氏も、ドイツがユーロから離脱するしかないと主張しています。
p232.江戸時代の「国内にタイプが異なる複数通貨が併存して為替レートが変動する通貨制度」は、きわめて優れた通貨制度でした。唯一の、そして最後には致命傷となった欠点は、政府(幕府)が金・銀貨の裏づけとなる価値や、通貨制度そのものを変更できたことです。
p247.過去に安易に救済してしまった経緯があるために、当事者が救済を期待して過大なリスクを安易に負いやすい傾向にあります。その結果、さらなる危機を起こしやすく、かつ、起きたときの危機を大きくしやすくだからまた救済してしまう、という悪循環に陥っています。この点でビットコインは、最初から自己責任が強調されていますし、マウントゴックスの破綻とともに認知度が上がったことは、不幸中の幸いだったのかもしれません。p260.こんな単純化はまちがっているかもしれませんが、理系の人は暗号通貨という通貨携帯のイノベーションに注目しやすく、文系の人は政府から自由な通貨単位というイノベーションに注目しやすいように思われます。
p264.いま起きているのは、膨大な情報を世界中に運ぶ技術の発達が、数十年をかけて、通貨の大進化を促すという現象です。ビットコインのような暗号通貨が登場して普及する歴史的必然性があり、それに応える試みだからこそ、これだけ話題になっているのです。
投稿元:
レビューを見る
ビットコインに関して金融と情報技術の2人の第一人者が解説している。ビットコインが将来性のある物であることが分かる。
私はビットコインが国際送金の際に取引コストが低くなる、ネットで「投げ銭」が出来る、などの可能性に興味を惹かれた。
投稿元:
レビューを見る
ビットコインが小額決済として有利な理由からはじめ、ビットコインを成り立たせる難しい数学的なシステムをわかりやすく説明している。説明を後にまわすことが傾向として多いが、本質を先に理解させるためだから辛抱強く読むことが推奨される。他にも、貨幣論的な話と金融論的な話もしっかり盛り込んである。
悪評もある中で、通貨における進化の可能性をビットコインが示しているとし、今後も成長しうるその根拠を述べたフェアな一書であると思う。
投稿元:
レビューを見る
■「仮想通貨革命:ビットコインは始まりにすぎない」
(野口悠紀雄 ,ダイヤモンド社 ,2014)も読んだが,
本書の方が読みやすくてよかった。
投稿元:
レビューを見る
ビットコインを科学の目から解説した本
暗号の勉強もできるし、経済の勉強もできる
内容はすごくおもしろかった
投稿元:
レビューを見る
むずかしいけど、金融とか銀行の仕組みとかもちゃんとかいてあるので、ちゃんと理解すれば役立つ気がするなー
投稿元:
レビューを見る
「ビットコインのからくり」というより、その前提となる「通貨」についての説明の本。その意味で肩すかし。
投稿元:
レビューを見る
ビットコインにかぎらずネット上の暗号通貨の存在意義はじわじわと高まってくるのだろう。それが「どういうものか(=通貨として通用する仕組みとその意義)」を大雑把に掴んでおくためには便利な本。
投稿元:
レビューを見る
ビットコインってぼんやりとしたイメージしか持って無かったので、どういうものか知るために、ちょっと読んでみたら、大変得るものが大きかったです。
本書ではビットコインの説明だけでなく、通貨とは何か?またどういう機能があり、どのような発展を遂げ、今後どのようなことが予想されるのかがコンパクトにまとめられており、通貨の歴史的な流れの中でのビットコインがどういう位置にいるかも分かり大変面白く読ませていただきました。
投稿元:
レビューを見る
WIRED誌でもビットコインについて取り上げていたので、それと連動して本書を購入。理解を深めようと思い購入してみました。
本書は、IT(技術)と経済の両面からビットコインについて論が進みます。
私は大学で歴史系の勉強をしていて、正直経済や数学的なことは苦手です。本書もだいぶ噛み砕いて説明してくれてはいるのでしょうが、私の頭では一回読み通しただけでは理解が追いつきませんでした。
その点に関しては、時間があるときにも腰を据えてじっくりと読み直したいと思います。
個人的には、本書を読む前には簡単でもいいので経済について勉強しておくと理解しやすくなると思います。
結構経済的な用語が出てくるので。
ビットコインについて理解したい人にはいい一冊だと思います。