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特異な外見のため引きこもっていた男がストーカーと化していく。その様子が男の視点、ストーカーされる女の視点、その他関係者達の視点で描かれる本作はとてもスリリングで、結構なボリュームがありましたがそれを気にさせない吸引力があって、比較的早めの速度で読了。
ルックスに難があり、友達もいなくて、唯一音楽——とりわけビートルズ——だけが生き甲斐みたいな鈴木誠。最初はその境遇に同情しましたが、身勝手な思い込みからストーキングや殺人を犯す様を見続けるうちに、強烈な嫌悪感を覚えるように。
鈴木誠は無駄に金持ち設定で使用人まで抱えており、そいつも結託して三縞絵里こと、三島江利子を付け回す様子は心底キモくて病的。自分たちがやっていることを全く悪びれない語り口は、読んでいてイライラしてしまうほどでした。
そんな文章が600ページ以上続くので、心境的に「絵里チャンカワイソス」「鈴木誠憎し!」「ブサメンだけど同情の余地なし」っていうメンタルステータスが完全構築される訳です。
それが故に、真相——なのかははっきりしていないけど、恐らくは真実——が分かったときの驚きと行ったら…「ラバーソウル」というタイトルに込められた意味――ビートルズがポップアイドルからアーティストへと変貌した作品(アルバム)――が本作の内容とリンクして、驚きのあまり意味不明なうめき声を漏らしそうになりました。
そうなると今まで抱いていた主要人物達の印象が文字通り180度変わってしまいます。もちろん、鈴木誠がやったことは正しくないので、彼に対しては120度ぐらいの微妙な印象チェンジでしたが、三島江利子に関してはプラス印象がすべてマイナスに転じるほど印象が変わりました。
どんでん返し後がアッサリしすぎていて、個人的にはもうちょっと「その後」を描いて欲しかったかな。とはいえ、ここまで惹き込まれて、さらに驚かされる作品に久々に出会いました。しばらくこの作家さんの作品を追いかけてみようと思います。
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最後のどんでん返しが凄いっていう評判を見ていただけに、鈴木誠がただの気持ち悪いストーカーではないんだろな…という見方で読んでしまった。
構成が登場人物の事情聴取と、鈴木誠一人称の部分からなる。この時点で東野圭吾の『悪意』を思い出してしまった。この校生に何かしらの叙述トリックが隠されているな、と。
さらに、同じく東野圭吾の『容疑者Xの献身』から、ストーカーに思わせて…っていう叙述トリック(?)が頭から離れない。
どのように自分を驚かせてくれるんだろうと期待しながらラストを迎えたのに…。
たまたまかもしれないけど、どっかで見たことある小説になってしまった。
ただ、ビートルズの『ラバーソウル』を物語と重ね合わせる技巧や、江島が高校時代にしょーもない男と付き合うような人間であったというオチは見事。
ビートルズの趣向は、自分も含めて全く門外漢な人からしたらその凄さは理解できないけれど。
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ややこしい叙述トリックかと思ったらひねりは最低限。文章自体でぐいぐい読ませてくれる。謎解き部分も簡潔だし、この人は上手いね。
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「うへぇ~」となる気持ち悪さから「えぇ~」という混乱へ。消化しきれなさも残るけど、思わず唸る覆り方。読みながらの違和感も腑に落ちた。『価値はぼくの中にあるんです』という揺るぎない強い言葉がこちらをたじろがせる。でも、この愛を理解するのは難しいなぁ。そしてとても悲しい気持ちになる。
金山氏の微に入り細を穿つ献身が最後まで好印象。
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ラストの展開には驚かされた。仕掛けは単純なものだが、見抜けるものでもない。ただ、全体として長い中で最後がものすごい駆け足で終わってしまいあっけなかった。いや、これくらいがいいのかも。なるほどと思うと同時にぽかーんとさせる、そんな最後。
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女性はちょっと怖いかも。
物ごころつく時から友達はいなかった…。
病気のため、化け物のような外見、ゴミが詰まったような声、そして奇妙な歩き方。
治療も諦め、親からも見放され、友人もおらず、友達と呼べるものはビートルズ。
そんな主人公がある日、雑誌の撮影の大事故に巻き込まれ、モデルの女性と出逢う。
その出会いが運命を…変える!
人物像がリアルで、そしてそれぞれとの問答で話が進んでいくためストーリーも吸収しやすくサクサク進む。
そして最後のどんでん返し…!
やっぱり井上夢人の作品は魅力たっぷりだわー、と嘆息してしまった。
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いくつかの本屋さんでオススメされていたので読んだ。…特に心が震えるわけでもなく。長々と伏線があった割りにラストがびっくりでもない。その伏線もあんまり気持ちの良いものではなかった。私には合わなかったということです。
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あー…そう言う事かぁ。
読みながらもぞもぞしてた感じがすっきり。内容的にすっきりする訳ではないけれど。
初めて読んだ作家なので、どう言う雰囲気の話を書かれるか知らず、先入観なしに読めた分楽しめた。
すっきりした最後だったけれど、今迄読んできた部分の長さ故、ちょっとさっぱり終わってしまった感が…
それでも、複雑なトリック等ではなく、シンプルな構成なのに読ませる文章は面白く、凄いなぁ…と。
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執事?の金山さんが、とてもいい味を出している。
私としては、主人公に、こんなバカ女を「特別」に感じずに、能力を正当に評価してくれた編集部の大人たちにこそ、応えてほしかったなぁ。
仕掛け自体は、この設定でこのまま主人公がただのストーカー犯人なわけがないという予測と、書き方の形式と主人公のキャラが二通りなので、片方が創作なんだろうな、と読み始めから見えてしまった。あの形式の違いは、無しにすれば良かったのに。
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井上夢人氏の作品としては2冊目、岡嶋二人作品は後期の3部作を読了、主な執筆は井上氏だったようであり、トータルではそこそこ読んでたということか…以下ネタバレあります、ご注意ください!
ずいぶん前に読んだ「オルファトグラム」でも顕著であるが、つくづく世界観の創設で勝負する作家さんだと思う。今作においても独特の世界観の中でストーリーが進み、これでもかというくらいに気色悪い主人公に、純情可憐なヒロインがどのように毒されてしまうのか?読者はその一点に注力して読んでいくのだろう、しかしながら見事な反転の結末となり、「気色悪い」が「純愛」に昇華していた。その純愛も自分からすれば気味悪いものであったが…
予備知識があれば楽しめる作品というのがあるが、今作はまさにそれに該当する。ビートルズとりわけアルバム「ラバー・ソウル」をもっとよく知り聴きこんでいれば、さらに楽しめたようだ。
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ストーカーと化した、化け物のような容姿を持った男とモデルの女の話。ああああ、すっかりやられた!大好きな小説、「容疑者Xの献身」を彷彿とさせる衝撃と読後感。このテの話には弱く、泣きそうになってしまった…。モデルが時折見せるはすっぱな口調がやや気になってはいたが、この展開には気付かなかった。お見事〜。
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多分、自分がこれまで読んだ本の中で、もっとも読むのが苦痛だった本。文体がライ麦畑を捕まえてみたいな、口語体で読みにくく、なおかつ分量が多いのに、結末は大しておもしろくもなかった。
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久々にこの作者の本を手にしてみた!理由は厚さに惹かれて。だけど思った以上に読みやすく、2日で読破してしまった。が、帯のコメント通り、あとでもう一度読み直すことにする。ストーリーは、音楽誌に評論を掲載している洋楽通の鈴木誠、という男性の目線で書かれるフェーズと、それ以外の、登場人物が質問に応えているような、語り口のフェーズが交互に流れて展開されていく。ある事件が起き、次第にこれは警察で聴取されているのかなぁ、と思いながら読む。んーでもストーリーの展開は明らかだし(←この時点で騙されてるw)この厚さいります?とか疑問抱きつつ読んでいくと、、最後に明かされる意外な事実が!!驚きもあるけど、感動に近いかも。この事実を把握したうえで二回目に読むときは、泣けそう。
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読み始めの頃はこういう自分だけしか見えなくなっちゃうのがやっぱりストーカーになるのか、みたいに考えていた。だから、この結末は想像していなかった。読み始めと終わりでは、この小説に対するイメージが一変。ビートルズ、借りてきちゃいました。
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テーマは「無償の愛」といった所でしょうか。
どこかで読んだ事のあるミステリー小説。
パッと頭に浮かぶ「容疑者Xの献身」にも似たような内容。この本がミステリーであることを知って読むと面白さが半減するかも知れない。