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人生主旨一環,決して曲がること無き哲学を持って,目一杯の生を謳歌する.しかし,土台となる日本という根底の揺らぎに忸怩たる思いが募るのだろう….
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20171121読了
2015年発行。シリーズ三作目。
P51国士は消えていく
P54歴史知らずして誇り持てず
P57祖父の麦藁帽子
P72潔癖な日本の私
P81「レッド・ライオン」の夜
P87ふとん礼讃
P99会津のすごい女性たち
P131「不埒者退治」血風録
P161はしたなくない国のはしたない私
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現在姫路文学館の館長でいらっしゃる著者
ご自身も数学者で哲学者
ご両親も奥様も皆すごーい!
そしてユーモアと理論に売らずけられた痛烈な批判にうん、うんと頷かされる
みんな、恥を知れ!卑怯は恥だ!と
≪ あの美徳 日本は忘れ 恥を知れ ≫
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日本人は「正しいことはいつも誰もが分かってくれる」と信じており、自らの正しさを大声で主張し宣伝するのは「さもしい」と思う。金銭をばらまくなどというのは最低の行為と思う。美しい誇るべき国柄だ。ただ、世界は日本人が考えるよりはるかに醜い。 藤原正彦「卑怯を映す鏡」、2015.6発行。鎖国を選択し細々と生きるのは、文化と文明の乖離、日本の戦略的地位から難しいのでしょうね・・・。アフガニスタンやミャンマーにも思いが及びました。
第一次世界大戦は、300年暴威をふるった帝国主義の大清算。第一次だけでは足りず、第二次大戦を経てやっと終息。甘い夢をばらまいた共産主義も70年余り、多くの犠牲者を出した末、ベルリンの壁で清算された。リーマンショック以来の経済危機は、資本主義が大清算に入ったことを意味している。危機はまだまだ続く。今、清算されたはずの帝国主義と共産主義の復活を無謀に目論むロシアの暴挙と新型コロナ・ウィルスの嵐が・・・。
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新田次郎と藤原ていを両親に持つ藤原正彦の「週刊新潮」連載コラムのシリーズ第3弾。時期的には、東日本大震災後の2011年7月からの約1年間ですが、今読んでも示唆に富む話題満載です。
間違いなく、現存する良識ある言論人の一人。名著「国家の品格」「日本人の誇り」「名著講義」などハズレがない作家でもある。
短いコラムながら、寸鉄人を刺す芸は流石。
「ロビイストにやられる」では、日本人のお人好しを誇りつつ嘆く。曰く、「日本人は、正しいことはわかってもらえる、と信じており、自らの正しさを大声で主張するのはさもしいと思う。美しい誇るべき国柄だ。ただ、世界は日本人が考えるよりはるかに醜い」
「大清算」では、「欧米人は帝国主義時代より、有色人種を働かせ、自分たちはその上前をはねることで楽しく豊かに暮らす。今でも、アフリカ人やアラブ人には鉱物資源や化石資源を採掘させ、南米人には農産物を生育させ、アジア人には工業製品を製造させ、自らは、投資や金融を通してその上前を吸い上げるという構図だ」とグローバリズムの本質を正直に告白してしまう。
「高くつく手土産」では、政権与党の民主党の戦略なきバラマキ外交を嘆く。鳩山首相の温室効果ガス20%削減、安住財務相の消費税率10%引き上げ、野田首相の韓国への資金支援枠の5倍拡大、TPP参加表明など、どれも国内コンセンサスの得られていない民意無視の一方的宣言(譲歩)を行い、そればかりか、損して得取れという交渉の基本である相手からの譲歩案件すらしないという国益無視。(今の自民党も変わらないが…)
「会津のすごい女性たち」では、一夜にして朝敵となった会津藩の話。中でも、会津女性の凄さと強さを語る。が、おそらく当時の人たちは男女問わず質実剛健で立派な人が多く、特に会津藩がその度量を示す機会の矢面に立たざるを得なかったからなのが実情だと思う。
「ノブレス・オブリージュ」では、上に立つ英国エリート階級や富裕階級の社会に対する責任、いわば騎士道精神について。例えば、リーダーとして率先して戦場に立つというもので、親のコネを使って兵役逃れなどもってのほか。日本の武士道と相通じるものがあるが、そうした誇りや美徳よりも目先の損得を優先しても恥じない今の議員の多さよ。
「財界エゴとワーキングプア」は、安い労働者を求めて大量移民を受け入れた欧州では、既に治安悪化や社会コスト増大と文化や宗教の違いによる現地民との軋轢という問題が起こっていたのにもかかわらず、10年遅れでそうした失敗(移民政策)を繰り返す日本の政治家と経団連の浅はかさと売国ぶり。
「バークと福澤の叡智」では、「制度、慣習、道徳、家族などには祖先の叡智が堆積している」(英国思想家バーク)と、浅知恵や短慮で日本の伝統的行動様式を変えようとする気運を戒めた福澤諭吉の言葉を重ねる。