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日本における、未だに解明されていない謎を追っていく民俗学挑戦の書です!
2020/02/29 14:42
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、古代の日本における様々な行事や神事を支えてきた原理を解き明かす貴重な一冊です。私たちの国には、まだまだ謎に包まれたことが沢山あります。例えば、天武天皇大内陵、高松塚古墳、大嘗祭に秘められた謎などです。同書では、こうした謎を古代の呪術という視点から考察しながら、その謎を少しづつ解明していきます。内容構成も、「序 章 古代日本人における世界像と現世生活像」、「第1章 日本原始信仰と陰陽五行説」、「第2章 女陰考──呪術における女陰」、「第3章 白鳳期における呪術」、「第4章 私見大嘗祭」、「第5章 陰陽五行と諸祭祀・行事」、「第6章 沖縄の祭り・伝承の中に潜む陰陽五行思想」と、非常に興味深いテーマが盛りだくさんです!
俗信と祭事をどう見るか
2020/03/24 13:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:uruuduki - この投稿者のレビュー一覧を見る
おそらく、「吉野裕子」と名前を見て「ああ」と覚えのある方は、この先生が、過去に一連の民俗学の研究書を上梓された方だとお分かりだろう。
この本は、その研究書の一部が他出版社から再版されたものの、再再刊です。
陰陽五行を祭事と結び付け、どう考えるか、俗信が私達の生活の中にどう関係しているかといったことに対する研究書です。
陰陽五行は、一般では陰陽道との関連で語られますが、干支を語る時、密接に考える方は案外少ないでしょう。ですが、冠婚葬祭で「日が良い、悪い」と言う時、その裏には陰陽五行の思想が有るのです。
しかも、古来から残る俗信に、大陸から来た陰陽五行の考えが結びついているのですから、考え方はいろいろでもあります。
ただ、残念なのはこういった専門書は元の全集の一部しか残っていかないのです。
この本の元は、人文書院から出た全集の一部でしょうか。その後、大和書房からほぼこの本のと同じ内容で出ています。
柳田邦男もそうですが、ただ、生活をしていくだけなら、知らなくてもできます。ですが、私達の生活の中にひっそりと密接に残るものが何か考えるのもいいでしょう。
ところで、この先生の本には十二支についてだけ書かれた本も有りましたが、面白い本だったので再刊されるといいと思います。
古代をよみとく方位の視点。
2016/05/15 23:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
正直、かまどや洞穴の子宮のメタファーなどは現在ではありきたりになった感がある。著者の研究テーマの五行思想は古代史ミステリを楽しむための視点のひとつとしておさえておきたいところだと思う。我々と古代人の差異のひとつに方角への感性があると思う。正確な装置がなくとも星や太陽から多くの情報を得ていたのだろう。本当はそうした方角情報の実証性の研究も欲しいところ。本作は各論は面白くないが、全体で氏の論の正当性を補強していると思われる。
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