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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本に関係する言及がたくさんあります。特に少子化は日本の最大の課題と言っています。中でも、「子供という存在は、そもそも無秩序なものです。そして、外国人、移民も、社会にある種の無秩序をもたらします。日本人は日本が存続し続けるために、こうした一定の無秩序、混乱、完璧でないことを受け入れる必要がある。」という言葉に、日本に対する深い理解を感じました。ぜひ読んでみてください。
中国は危うい国という意味で脅威だ!
2016/10/15 22:08
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
ソ連崩壊、リーマンショック、アラブの春、ユーロ危機、EU離脱を予見したトッド氏の最新刊。即買いました。
今回は、ヨーロッパ周辺の現状と未来にとどまらず、米国・ロシア・中国・中東、そして日本の近未来にまで言及しています。
通常、この手の本は政治・経済からのアプローチというのが一般的ですが、トッド氏は人口学的・家族構造的・社会学的視点から世界各国にアプローチします。このアプローチが有効なのは、上記の通り、世界で起きる事象を誰よりも早くに予見したことで証明されます。
本書では、日本に対する暖かい眼差しが印象に残りました。また中国は歪な人口構成と過剰な設備投資で悲観的シナリオしか考えられないことや、中国を過大評価する欧州エリート層の思惑が語られ、ナショナリズムに固執する危うさに言及。その鋭い分析に関心しました。
とにかくお勧めです。
世界情勢の現状認識に貴重な情報
2019/05/20 23:53
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投稿者:在外邦人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界の未来は明るくはなさそうだという情報が多い中、地球上の人々が如何に
少しでも生きやすい世界にするかを考える際欠かせないのが、正確な現状認識
だ。歴史家であり人口学者の著者が、長年の研究生活から築いた独自の広範な
世界情勢の分析がまとめられている。英国のEU離脱に対する的確な分析が多く
述べられていて考えるよすがになる。日本の外交にも貴重な助言が書かれてい
る。EUや中国ではなく、ズバリ、米国とロシアと仲良くせよ?と!理由は本書
でご確認を。
絶望と希望を示してくれる!
2016/12/05 22:42
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投稿者:dig - この投稿者のレビュー一覧を見る
基本的に分かりやすい本は読者に短絡的な発想を植えつけるので危険だなと思うのですが、彼の著者はとても理論的で納得させられる部分が多いです。政治・経済の問題をそれぞれの国の家族的な価値観などから分析する点は非常に興味深いです。読んでいて今私達が生きているこの時代が大きな転換期であることを認識しつつ、しっかり地に足を着けて色んな状況に対応していかなければと考えさせられます。
世界の見方が変わる
2016/11/28 21:05
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投稿者:キートン - この投稿者のレビュー一覧を見る
人口動態や家族構成をつぶさに調べ世界の流れを読む著者の視点が面白い。
今まで考えたこともない視点で見ているのは新鮮。
ロシア、中国、EU、イギリスを明快にそして母国への愛情からの辛辣にして鋭く考察した意見の数々に納得。
今後の世界の流れを知りたい方には一読の価値ありです。
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【現代最高の知識人の最新作。日本オリジナル版】ソ連崩壊から英国のEU離脱まで、数々の「予言」を的中させた歴史家が、その独自の分析の秘訣を明かし、混迷する世界の未来を語る。
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ウクライナ問題やトランプ現象等、昨今の大国は「グローバル」から「ネイション」へ回帰しつつある。言うなれば「ソフトナショナリズム」とでも言おうか。かりにそこまで大げさじゃなくとも、主権を守るためにEU離脱を決断した英国の姿勢はなんら不思議ではない。むしろ連合という名のドイツ支配圏と化してしまっているEUこそ危うく、国家的アイデンティティの見えない構成国こそ危険であると著者は説く。人口学という視点からソ連崩壊、リーマン・ショック等を予言し的中してきたからこそ、その説得力に鳥肌がたつ。だが一方で、ナショナリズムが善というわけではなく、むしろ暴走の危険をはらむことを忘れてはならない。そして著者がこのタイトルから本当に言いたかったのはおそらく「問題はISではない、フランスなのだ」。他人を侮辱することと報道の自由とを履き違えるフランスはいま、経済危機と宗教の空白を同時に迎えている。これはナチス台頭を許したかつてのドイツとオーバーラップする。そしてアジアでは中国による挑発行為の連続。ふたたび全体主義が台頭する暗黒の時代がやってくるのだろうか?
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最近、著作がいろいろ出たり、雑誌に書いていたりするのは知っていたが読むのは初めて。家族のあり方と国家を結びつけるというおもしろいアプローチ。それで、ソ連崩壊とかアラブの春とかを予言し、今回のイギリスのEU離脱も。多少難しく書かれている部分もあるが、インタビューの採録などはわかりやすい。いろいろと考えさせられる一冊。
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前作に続いて独自の視点で欧州を中心とする世界の動向を解説している。
ただ簡単な本ではないと感じた。欧州のことについての基礎知識を積み上げてから、再び読んでみたい。
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グローバリゼーションの崩壊から未来世界について、人口動態、家族形態、教育、宗教観など多彩な指標からデータを分析して解説すると共に、著者自身の学問的背景についても語り、世界を経済だけではなく広い視野で観る重要性を説きます。
地域に根付く家族構造によって、共産主義になったり、教育水準が高くなったりするなどとても興味深い考察が詰まっている好著です。
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新たな歴史的転換をどう見るか?
人口論からの解析、トッド氏の独自の言説をまとめた本でした。
1 なぜ英国はEU離脱を選んだのか?
2 「グローバリゼーション・ファティーグ」と英国の
「目覚め」
3 トッドの歴史の方法――「予言」はいかにして可能
なのか?
歴史家トッドはいかにして誕生したか?
国家を再評価せよ
国家の崩壊としての中東危機
4 人口学から見た2030年の世界
――安定化する米・露と不安定化する欧・中
5 中国の未来を「予言」する――幻想の大国を恐れるな
6 パリ同時多発テロについて――世界の敵はイスラム
恐怖症だ
7 宗教的危機とヨーロッパの近代史
――自己解説『シャルリとは何か?』
という内容ですが、経済学的解析の限界性があり、人口論からのアプローチは、説得力があります。
フランス人でありながら、フランス国内では評価されないトッドさん、日本との親和性はいいようであります。
彼の言っていることには、賛同できる部分が多々ありまして、楽しく読むことができました。
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歴史人口学者エマニュエル・トッド氏の来日公演の内容等を本にまとめたもの。
グローバリゼーションをけん引してきた張本人である英米が逆方向へ舵を切ろうとしている昨今の国際情勢を、社会科学と歴史的考察で分析しています。
ここ数年、マスメディアといわゆる知識人の思考パターンは、リベラリズム、グローバリゼーション、ポリティカルコレクトネス等を「絶対正」として繰り広げられてきました。
しかし、歴史や文化、教育、芸術、宗教の観点がごっそりぬけおちているのです。
トッドは、Brexitはマスコミが言うような大衆の気まぐれな失敗などではなく、これまでも歴史を切り開いてきた英国の目覚めであるとしている。
また「私はシャルリ」は、下位の社会階級の人々に対して利己的な態度をとる中・上位階級の人々による無自覚な差別主義の発露であるとしている。
ドイツ率いるEUの行き先は?
先の見えない歴史的転換点で、はたして日本はどうすればいいのか。
マスコミ等が拡散させている言説では何かしっくりこないモヤモヤを感じてしまう人は、ぜひ読むべき本であると言えます。
※ちなみに、トッド氏はフランス人です
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最近読みはじめたトッド本、3冊目。前の本より手前味噌感がなくもないが、明快な主張は良い。イギリスとドイツ、アメリカ(ついでに日本も)を中心に、イギリスEU脱退直前の状況を分析する。
現在、まさに脱退後の混乱状態にあるので、続書が出るはず。これをぜひ読み、比べたい。
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20170106〜0118 アラブの春、ユーロ危機といった事象を予言していったエマニュエル.トッド氏の時事論集。ドイツの頑なな財成規律主義が、他のユーロ諸国を危機に陥らせていること、氏の母国フランスは中央部と周縁部の二つに分かれていること、などが示されている。この議論を読むと、日本人は実に宗教的な国民なのだと考えさせられた。
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トッド氏の著作3作目にして一番わかりやすく
あっという間に読むことが出来た。
個人的な難易度としては
本作<「ドイツ帝国」が…<シャルリとは…
トッド氏の著作は毎度だが
客観的な数字、統計を基にしており
大変説得力があった。
盲信することというのは危険だと思うが
トッド氏の言っていることは非常に確からしいことと思う。
予言していた!などという帯に違和感はあるが
まぁ手に取るためのふれこみとしては仕方ないのかしら。
とにかくまぁ面白かったし為になった。