劇的ではないがリアリティのある結末
2017/05/15 22:00
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
マルティン・ベックシリーズ第三作目。ストックホルム市内の公園で女児連続殺人が発生。手がかりが乏しく、捜査はいきづまる。卑劣な犯罪を知った市民の戦慄と、一向に進展しない捜査に対する警察の焦燥がガンガン伝わってきます。 ある偶然から捜査が大きく動き出すのですが、この結末は本当に意外でした。初めてみるパターンでしたね。主人公はマルティン・ベックですが、これは犯罪と戦う警察の姿を描いた小説です。
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マルティン・ベックシリーズ第三弾は、1963年に起きた実際の事件が背景になっている。ストックホルムに住む人々の、短い夏を楽しむ独特の季節感が流れる中、事件の発生は厳密に時間を追って展開され、ほぼ殺人事件のみに焦点が当てられ、説明に不要な言葉はない。
警察小説の魅力と言う点では、マルティン・ベック・チームの顔ぶれと、彼らのチームワークも魅力的。彼らは平凡な生活を送り、平凡な考え、平凡な問題を抱えた現実味のある刑事ばかり。決して一枚岩ではないが、何だかんだ言い合いながらも捜査のポイントは外さない。
今回も手掛りのない厳しい捜査だが、結果的に見るとチームワークの勝利とも言える。事件は読んでて辛かったが、キャラが立ってきたので、続編へ向けて楽しみが増えた読後感でした。
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本シリーズは、ストックホルムを中心とした1960年代の街の、そして人の急激な変化に関する描写がすばらしい。本作もその雰囲気を楽しめる。
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刑事マルティンベックシリーズ、第3作。日本では4作目。
あらすじ
夏、ストックホルムの公園で女児の死体が見つかる。その2日後にも事件が起こる。警部?になったマルティンたちは事件を追うが、証言できるのは3才の男児。
同じ頃、強盗事件も連続しているが、この強盗がもしかしたら殺人を見ているかもしれない。警察はどちらの事件も力を注ぐが、みんな疲れてくる。強盗を逮捕したことや、マルティンが2週間前の電話の問い合わせによって犯人に近づいていくが、またもや事件が起こる。
相変わらず渋めー。なかなか事件は解決しなくて、だいたい大柄の中年刑事たちがストレス溜ながらも捜査していく。 マルティンベックは多分有能だけど、夫婦仲が良くない。この作品から昇格したらしいけど、喜ぶでもなく、むしろ異動になって仲間たちと離れたのかな?
レンナートはマルティンの相棒。人のいい刑事かな。
フレドリックはいつもトイレにいるけど、記憶力が馬並みにいいらしい。
エイナールはこの作品ではずっと風邪引いてて鼻をかんでいた印象。忙しすぎて免役下がっているのかな。捜査能力・想像力、全部が平均並みで本人も自覚してるってところで笑ってしまった。
そして新しく加わった、グンヴァルト・ラーソン。長身で大柄、海軍出身で態度も横柄。口の悪さにびっくりしたけど、他のメンバーも同様にいらつく様子。
このシリーズってあくまでも中心は事件の描写だけど、だんだんメンバーの性格とかつかめてきてさらに面白かった。
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療養中につき、いつもなら本棚の奥にしまい込んでオブジェ化してるお気に入りの本に手を伸ばしてみました。
やっぱり面白いなぁ!
この巻でグンヴァルト・ラーソンさんが初出かあ。感慨深い。
これからどんどんますます、登場人物たちに深みが増してくるんだよね。
犯人はもう分かってる。でもこの小説の面白さは当てものの部分じゃない。
次巻にも手を伸ばしてしまいそう。
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マルティン・ベックシリーズ。犯人を絞り込む様子にハラハラドキドキさせられた。が、その割に終わり方があっけなく感じられた。
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マルティン・ベックシリーズ3作目。女児が性暴力を受け殺される、悍ましい事件を追うベックと同僚たち。個性豊かな面々が、面白い。最後に登場する巡査、クリスチャンソンとグヴァントも覚えておくべし。事件の解決はあっけない気もするが、リアルな展開とも言えよう。