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妻と娘と幸せな日々を送っている向井の元に届いた手紙。
「あの男たちは刑務所から出ています」…向井は届くはずのない、果たす必要のない約束に怯える。
自分の過去と罪は、誰にも知られるわけにはいかない。
正体不明の相手に怯えながらも、大切な家族を守るために究極の選択を迫られる。
2023.10.15
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初めての、薬丸氏の作品。
現代社会で、この主人公の様に戸籍を、変える。乗っ取る。事は、良く起こり得ているのだろうか。数々の、小説やドラマででてくる手法だが。
そこで、この主人公に対して、共感することが、出来なかったな!
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約束を果たす様次々に迫ってくる犯人からの脅迫。近くにいる人物を疑ってしまうが坂下との関係性は全く見えない。誰なんだ?この連続だった。
号泣のラスト!と帯にあり、どのようなラストかと思いながら読み続けたが、そう言うことか、、、
今いる家族を愛して大切にする者と、大切にしていた者を奪われた者と、赦されたい者と赦せない者と。薬丸さんは罪や赦しと刑法における社会課題の訴えのイメージが強かったが、人を大切に思う事を綴る作家でもある事がわかった。
因みに解説をいつも楽しみにしているけどこの本の解説は個人的にとても秀逸。
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おそらく再読。
読み始めると止まらないのが薬丸岳さん。
誰?誰が?と思いながら次々とページを巡り…本書も堪能!
「罪と償い」の名手ですね。
また「赦し」も薬丸岳さんのキーワードなのも納得。
「人が人を大切に思う気持ち」
「大切な人を精一杯大切にしたいと願う気持ち」
読んでいるとその想いがひしひしと伝わって来ます。
自分は薬丸岳さんの伝えたい事をちゃんと受け取れているかな…
今迄読んだ本ももう一度全部読み直してみたくなりました。
最後のメッセージ…読者に委ねられましたね!
読んだ人の数だけラストがある!
なんかそれもちょっと粋なはからいな気がします。
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チョッと辛い気持ちになってしまいました。あまりにも複雑に絡み合って途中で心が重たくなってしまいました。
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久々の薬丸岳さん。やっぱり面白くて(面白いってちょっと、語弊があるんだけど)、夢中になって一気読みしてしまいました。
薬丸岳さんは犯罪を犯した人の心の変化(人間的成長)を描くことが多いように思う。
この小説では、過去に犯罪を犯して逃げ回り、素性を隠して結婚し子どももいるバーテンダーの主人公が、過去に自分が犯した罪と向き合わなくてはならなくなる、という設定。
正体不明の何者かから、「あの約束を履行せよ」と迫られ、殺人を犯さなければならなくなる…。
15年前、新しい戸籍と顔を手に入れるためお金が必要だった。犯罪被害に遭い、犯人を激しく憎む女性から、復讐を果たす約束と引き換えにお金をもらった。その女性は死んだはずなのに、犯人が刑務所から出てきたから約束を果たせと要求されるのだ。いったい誰が、あの約束を知り、そんな要求をしてくるのだろう…?
読みながら、けっこう身近な人のはずだと考えていたが、一番信頼し、身近にいた共同経営者だった。実は、主人公が過去に悪いことばかりしていたとき、強盗に入った家の女性の恋人だったのだ。彼女はその事件がきっかけで自殺した。自殺したのは主人公が彼女を強姦したせいだと誤解していたのだが、そこには深い事情が隠されていて(実は強姦していたのは実の父親、強盗に入った主人公は、それを目撃していた)、彼女は忌まわしい事実(息子は実の父との間の子ども)を隠すために、強盗が自分を犯したことにしていた。共同経営者はゆえに、彼を憎しみ続け、復讐の機会を15年も待っていたのだ。
途中まですごく面白かったのだが、この最後のネタバラしが、ページ数が足りなくなって大急ぎで書いたのかな?って感じでした。
だけど、一緒に店をやってきて、主人公が本当に生まれ変わり、悪人ではなくなったと感じて許そうかと思ったこともあったのに、小さなきっかけで「やっぱり更生なんかしてない、強盗に入った日(つまり彼女が深く傷つきその後自殺するきっかけになった日)を覚えていないじゃないか」と思って許せなくなった、というくだりが、薬丸岳さんらしいしかけだと思った。
「悪い人間」が「本当に反省」して「善良な人間」になる、というのは、どういうことなのか、はたして他人に(または本人に)判断できるものなのか、心から反省するとは、どういうことなのか、人は生まれ変われるのか、過去に犯した罪は許される可能性があるのか、そういう問いが、これまでの作品にも散りばめられていたので…。
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逃げても逃げても追いかけてくる過去に、向井が幸せにさえならなければこんな苦しみを味わうこともなかったのにとさえ思わされてしまう理不尽な恨めしさ。周りの優しい人たちが次第に不信感を募らせていくのも苦しい。吐き出してしまうことができるならばどんなに楽か。読む側も向井と同じ感情になっていく。
薬丸岳氏の作品はどれも先が気になって一気読みしてしまうものが多いが、脅迫者の正体が最後まで読めないことや、章が分かれてないのもあっていつも以上にノンストップで進んでいく。
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過去に罪を犯し その過去を捨てて自分の大事なものを守ろうとする。
犯人がわかり 人間関係がわかっていく
真実がわかって 家族はこれからどうなるんだろう?その人の過去を受け止められるだろうか?
そんな思いでモヤっとした気持ちになった。
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面白かったです。
薬丸岳さんの作品は3作目。『友罪』『Aではない君と』は少年犯罪についての話でした。今作は過去に犯した罪についての話でした。
顔に醜い痣を持って生まれ、家族にも恵まれず、社会を恨み罪を重ねた男。新しい戸籍を手に入れて生まれ変わったように幸せに暮らしていたが、ある日突然過去に犯した罪が自分の幸せを壊し始める。。。
被害者からすれば、刑期を終えたからといって加害者が今は幸せに暮らしていると知ったら心穏やかではいられないだろう。
罪を償うということはどういうことなのか。犯した罪は永遠に赦されることはないのか。。贖罪とは、更生とは。色々なことを考えさせられた。
難しい表現は少なく、ストーリー展開もうまいので読みやすい。
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過去に罪を犯した者は、終生その罪から逃れることはできないのか。
本作の主人公は、葬り去ったはずの過去によって、今の順風な生活が壊れ、その過去と強制的に向き合わなければならなくなる。誰が何のために、そんな過去を持ち出したのか。過去の悪事をひた隠しにしてきた上で今の生活があるので、家族にも警察にも相談できず一人苦悩し、向き合う決意をするが…。一気読みのノンストップサスペンス。
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失恋後24作目
相変わらずのテーマ。面白くてぐいぐい読めるものの、考えさせられる。薬丸岳を読むたびに、毎度同じ感想になる。
真犯人は誰なのか、犯人を奔走することはできるのか、愛する人は守ることができるのか…ぎゅっと詰まってる一冊。
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読欲が止まらず、宣言通り薬丸岳さんの作品を。
まさかの2作続いて、復讐がテーマの作品をチョイスしてしまう無神経さ。
寝なきゃ寝なきゃと思っていたが、先が気になりすぎるし読みやすいので、気がつけば睡眠時間削っての即日読了してしまった。
本作は主人公である向井の1人称視点構成で描かれており、ざっくり苦悩の前編、追跡の後編って感じに分けられる。
上述もしたが、テーマとしては『復讐』。
罪を犯した者がのうのうと生きていることが赦せない、というやり場のない被害者の思いが手を変え品を変えグサグサくる。
とは言いつつも、『贖罪』や『赦免』の部分が少なからずあり、その部分がちょっと救い。
なので、読後感は悪くないです。
いや、いい感じだったと脳に無理やり書き換えられた、って感じかな。
ムナクソな箇所はそこそこあるし…。
先日読んだ『殺人症候群』よりはかなりマシですがね。
それにしても、薬丸岳さんの作品はやりきれなさが多く、いつも色々考えさせられる。
もし自分が裁判員に選ばれて、主人公のような背景とか聞かされたら、ちゃんと判断できるのかな。
あっさり悩まずボッシュートしちゃいそうだが。
ま、そんな事件起きてほしくないし、裁判員にも選ばれないのが1番幸せか。
有意義な読書タイムをありがとうございました
この読後感を噛み締めつつ
薬丸岳さんの作品はそんなに読んだことはないけど、これ系のテーマが多い印象なので、他の作品も読んでみたいな。
有名どころは「Aではない君と」とか?
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訳ありの過去を持つ主人公が、過去を打ち切る為に交わした復讐代行の約束。16年後妻子にも恵まれ平和に暮らしていた主人公に突然手紙が届く「その約束を守らなければ家族の命を奪う」と。脅迫者は誰か、家族は守れるのか。スリリングな展開に手に汗握るミステリー小説。
薬丸岳さんは『更生・償い』のテーマの作品が多いが、本作は『恨み・復讐』が全面押し出されている作品だった。
主人公の過酷な幼少期には同情するが、やや身勝手な言動に感情移入出来なかった。ラストの主人公の涙もモヤっとしたし、昔犯した罪への贖罪が最後まで私は感じ取られなかった。
『犯罪被害者の家族が加害者になる』という憎しみの連鎖について考えされられる作品。
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やはり薬丸作品は期待通り面白かった。
「復讐」に振り回され、ようやく掴んだ幸せを脅かされる主人公。
繋がっていく過去と明らかになっていく真実。
あっという間に読了しました。
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誓約:必ず守ると約束すること。またその約束。
向井と坂本伸子との誓約一点に注目してしまいがちだけれど、この本随所に誓約が隠されているなと思った。
え、そんなのありえる?って思うシーンがいくつかあったけれど、最後の最後で私の中の犯人が二転三転する盛り上がりがなかなか面白かったポイント。
主人公で散々な目に遭う向井だけれど、
心の奥底で自業自得ではとも思ってしまった。
オーディブルで聞いたけれど、
ナレーションの声が渋くて聞き惚れました笑
役の使い分けもばっちりでのめり込めました。