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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
顔と戸籍を変え、罪を犯した過去を捨てて、今を幸せに暮らしていた向井。しかし、過去に交わしていた「人を殺す」約束に、追い詰められていく。
見えない脅迫者に踊らされる向井に同情しそうになると、自業自得だなと思わざるを得ない過去のエピソードが、挟まってくる。罪は償って反省し、更生すれば、ある程度許されるのだろうが、向井はそれをしていなかったんだろう。過去から逃げただけ。関わった人々が不幸になっている。
真犯人が意外な人物だったが、無理なく、ラストまで一気読みだった。
結局はみんな、ある意味いい人たちだった。
2017/06/20 22:36
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投稿者:julie - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読んだ薬丸岳の作品です。
綿密に練られたちょっとややこしいからくりを、無理なく、しかも終盤に向けて見事に加速させて表現されていました。
途中まで、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかわからず読んでいましたが、終盤に差し掛かるあたりで予想がつきました。
個人的にはハッピーエンドは好きなのでいいのですが、終わってみると、「結局は、みんないい人なんじゃん・・・」というようなちょっとご都合主義的なにおいを感じたのが残念です。
いや、たぶんご都合主義とはちょっと違って、作者自身が「救いのない作品」を書くのが好きではないのかな、という気もしました。この方の作品は初めて読んだので、違っていたら申し訳ないですが。
過去の過ち、更生、贖罪、許すのか許さないのか、理不尽な犯罪の被害者・・・。こういった、人間の闇に迫る重たいテーマを取り上げて問題提起したいんだけれど、作者自身が結局は性善説・人間の善良な部分を信じたいという思想の持ち主で、それゆえにちょっと(それまでの展開からすると)ハッピーすぎるエンディングになったのではないか、と思ってしまいます。ハッピー7割、バッド3割くらいの後味になる結末にしてくれれば、より深い作品になったのではないかと思います。
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投稿者:ライディーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この人の作品はやっぱり間違いない。
過去の大罪について、償って真人間になっていれば、それはそれで良いとする考え方と、発覚した時に非難するという二つあるとは思うが、正直、どちらも間違ってはないと思う。
とても難しいですが。
しかし、作品の最後は驚かされました。
結構な絡まり方で、いい意味で裏切られた感じです。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
正直微妙でした。途中まではラストがどうなるのかなと、ドキドキしながら読んでいましたが、ラストはもっと工夫がほしい。
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あらすじ(背表紙より)
家庭も仕事も順風満帆な日々を過ごしていた向井聡の元に、一通の手紙が届く。「あの男たちは刑務所から出ています」。便箋には、ただそれだけが書かれていた。送り主は誰なのか、その目的とは。ある理由から警察にも家族にも相談できない向井は、姿見せぬ脅迫者に一人立ち向かうが。故郷、家族、犯した罪…。葬ったはずの過去による復讐が、いま始まる。
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最近立て続けに薬丸岳読んでますが、ちょっと先が読めてしまった。。登場人物少ないしね。
大切な人をなくし、加害者を憎む気持ちはとてもつらいものだと思うし理解もするのだけど、復讐を第三者に頼む時点でちょっと、、って感じです。事情はあれど。
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家庭も仕事も順風満帆な日々を過ごしていた向井聡の元に、一通の手紙が届く。
「あの男たちは刑務所から出ています」
それは殺しの催促だった。確かに約束はした。
新たな戸籍と顔を手に入れるために・・・。
しかし、相手は末期がん患者で、とっくに死んだはず。
いったい送り主は誰なのか?その目的は?
警察にも家族にも相談できない向井は、姿見せぬ脅迫者に
一人立ち向かうが・・・葬ったはずの過去による復讐が、いま始まる!!
というわけで、さすが薬丸さん。面白かったでーすw
でも、向井、意外と冷静w つーか賢すぎ?w
え?人間、いざとなればこのぐらい考えられる?そうかなぁ~~?
「あの男たち」ってのはさぁ、殺されて当然な奴らなわけよ。私だったら、殺しちゃうかもなぁ・・・。
それにしても向井さん、やさぐれてたわりには、いい人過ぎるんじゃん? ま、そこが薬丸さんのいいとこかもしれないけどーw
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201704/面白かった!粗い部分もあるけど、今回も薬丸岳のすごさを堪能。初期の薬丸岳だったらこういう結末にならなかったように思えるし、私自身こういう結末をよかったと思えたのも結末に至るまでの描写の見事さゆえかと。
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薬丸さんは友罪に続き2作目。
主人公が過去の罪の代償として
背負った誓約を
果たせようと手紙が届く。
ネタバレになるけど、
憎む心ってそんなに長く
保てないと思う。
大切な人を奪われたことがないから
言えるのかもしれないけど、
そんなに長く一緒にいれるものなのだろうか。
主人公の行動する理由が
贖罪ではなく
自分の大切なものを守るためってのも
少し悲しくなりました。
失うかもしれない状況にならないと
自分が奪ったものを
確認できないなんて、、
薬丸さんは考えさせて考えさせて
結局答えが定まらない問題を
だすのが上手いなあ。
2017.4.15 読了
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20170827読了
最近薬丸作品の不発が続いていたのでこの作品は嬉しかった。
怪しい怪しいと登場人物を疑いながら読んだ。
想像は当たっていたけど、詳細は最後まで分からず
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うわ、これラスト救いがないやつだ、と思ったけれどそうでもなかった。
葬り去ったはずの過去に苦しめられる主人公。脅迫者は死んだはずの人間。その正体に迫るクライマックスは怒涛の勢い。
犯罪歴のある高遠としての彼も、新たな戸籍を得て幸せな家庭をもった向井としての彼も、どちらも同じ人間なのだが、んー被害者側から考えるとやっぱり幸せになるのは許せないかも。何より自分が奥さんだったら辛いものがある…難しいテーマ。
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罪と償い、加害者と被害者の関係やその間の圧倒的な理不尽さが全面に押し出された今までの薬丸岳作品とは少し毛色が違ってきた印象だった。
どちらかと言えば、東野圭吾風に捻りが効いたエンタメ性が強く感じられ少し物足りない。
やはり読後に何かを突きつけられるようなテーマであり作品であって欲しい。
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罪の償いということについての、読み手の思想あるいは立場によって、主人公に対する思いは分かれるだろう。
罪を犯したが、改悛し、幸せな家庭を築いている者を許せるか。それとも、一度罪を犯した者は一生幸せな家庭を持つなど、もってのほかと考えるか。
主人公は、過去の約束の履行を迫る謎の人物に蹂躙され、常識外れの要求にもかかわらず、警察にも届けることができない。
何故なら、顔も整形し、他人の戸籍を取得して、家族にも打ち明けられないおぞましい過去が彼にはあるから。
電話で、主人公を翻弄するやり方は、『アノニマス・コール』でも使われたっけ。
電話の相手は誰なのか。そして、主人公の運命は。
真相と結末を求めて、ひたすら頁をめくり続けてしまうのは、著者の作品を読むいつものパターン。
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薬丸岳のなかでは、何故かそんなに好きになれない一作なんだよね。何故だ。どこがどうなのか分からんけども。
犯した罪は、刑務所に入ることで許されるのか。そんな話…かな。本当はもっと複雑だけど。
だけど本当に憎い相手と、何年も、毎日顔を突き合わせて和やかに働いていられるかな?憎しみがそれを可能にするのかな?想像できないけど。
あと結婚して子どもまで産んだ人が、実は名前も年齢も違って、それは別人の戸籍を買っていたのでした。なんてこと受け入れられるかな?最終的にこの夫婦はやり直す道を選ぶんだろうけど…。
登場人物たちに共感できない点が多いから、あんまり好きじゃないのか…。
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はじめての薬丸作品です。
追い詰められた主人公の心情描写がくどすぎず、さっぱりしすぎずで想像の余地を残してくれる感じがとてもそそられる作品でした。
人間ってあんな風に更正できるのかなって。なかなか難しいよね。