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満願(新潮文庫) みんなのレビュー

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一般書 第27回山本周五郎賞 受賞作品

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みんなのレビュー731件

みんなの評価4.1

評価内訳

731 件中 1 件~ 15 件を表示

光るミステリー小説の腕前

2018/10/17 18:26

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

米澤穂信の連作短編小説6編である。つい最近NHKで放映されたので、ご覧になった方も少なくないであろう。放映されたのはそのうちの3編だけである。いずれもミステリーに相応しく、なにかしらの仕掛けがある。いずれも6つの短編相互には何の関連もない。それがかえってミステリーの面白さを助長しているかのようだ。

 『夜警』は交番勤務の警察官の物語である。その言動からみて警察官の適性が問われる人物がいたが、案の定死亡事故を起こしてしまう。『万灯』は商社マンが主人公である。インドネシア駐在で資源開発の仕事をしていたが、異動でバングラデシュに勤務地が変更になった。習慣の違いから様々な変化が襲ってくる。

 『満願』は苦学して司法試験に合格した若き弁護士の物語である。勉強中はある夫婦宅に下宿をしており、世話になったのだが、弁護士になった後、妻に殺人の疑いがかかってしまい、解決に乗り出した。

 テレビドラマの方は、『満願』しか見ていないが、実際に小説を読んでみると、なかなかの出来であった。放映されていないものもかなり練れている。むしろ、テレビドラマの『満願』は、主人公のミスキャストもあって、ストーリー自体の骨組みが弱く、肝腎のドラマの筋がよく伝わらなかった。ミステリー作家として米澤の腕が光っている小説であった。他の短編も読む価値は十分にある。

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まるで長編を読んだかのような読後感のある短編集

2017/08/24 17:57

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:touch - この投稿者のレビュー一覧を見る

地味なタイトルなので、普通であれば手に取らないが、帯に「このミステリーがすごい」「週間文春ミステリー10」「ミステリが読みたい」の3冠で、山本周五郎賞も受賞とあったので購入。

連作短編でもない、まったく異なる六篇の短編集。
それなのに、まるで長編を読んだかのような読後感がある。

それぞれが、長編作品にしてもいいような設定やストーリーで、一捻りも二捻りもあるミステリー。

作品に合わせて、文体までも変えているので、より話にのめり込んでしまう。

最近読んだミステリーでは、抜きん出て面白かった。

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動機はなんだ!?

2019/01/17 16:43

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

6つの作品を収める、ミステリーの短編集である。
 この作品で米澤穂信は2014年に第27回山本周五郎賞を受賞しただけでなく、「このミステリーがすごい!」「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」の国内部門ランキングにて1位に輝いた。
 つまり、2014年の読書界では大きな話題となった作品なのだ。

 それぞれの作品には殺人事件が描かれているが、それがどのような手口で行われたということではなく、ここではその動機がたまらなく読者をひきつける。
 何故、彼は、あるいは彼女は人を殺めなければならなかったのか。
 表題作の「満願」は、主人公である弁護士が貧しい学生時代に世話になった下宿の大家の奥さんの起こした殺人事件の動機が謎解きとなっている。
 苦学生だった彼の面倒をよく見てくれた女性が金融業の男を刺し殺した事件の本当の動機は何だったのか。
 弁護士の思い出の中に散りばめられた彼女への淡い思い、そしてそんな淡い日々の中にひっそりと潜む、思いもかけない彼女の動機。
 それさえも確かではないが、それは作者から読者への挑戦状のようなものかもしれない。

 あるいは「夜警」という作品。
 迫ってきた凶暴な犯人を射殺し、自らも殉職した若い警官は本当に勇敢な職務遂行であったのか。その謎に迫る主人公は、もしやの動機に呆然とする。しかし、それもまた、作者の読者へ突き付けた問いかけだ。
 あなたはそれを信じるか、と。

 6つの作品の中では、やはりこの2つの作品がいい。

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第二十七回山本周五郎賞受賞作。待望の文庫化

2017/12/23 14:54

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:文学少年A - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、2014年に単行本化されたが、同時に「このミステリーがすごい!2015年度版」第一位(宝島社)、「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」第一位(文藝春秋)、「ミステリが読みたい!2015年版」(早川書房)を3つのランキングの首位を独占し、同年5月に第二十七回山本周五郎賞を授与した話題作。そして、2017年8月1日に待望の文庫化。

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素晴らしい本です

2024/08/30 16:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミステリーが六篇収録されています。どの話もタイプが異なり、謎が解決することでスッキリする話もあれば、最後にザラりと撫でられるような話もあり、1冊で何度も楽しめました。

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とても面白い

2024/08/08 06:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る

数々の賞で1位を取った評判どおり、とても面白いミステリーだった。短編でもあり、緊張感をもって読むことができた。個人的には夜警と満願がよかった。

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お見事

2023/03/04 19:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:HH - この投稿者のレビュー一覧を見る

登場人物の心情にスポットライトを当てた作品。どの物語も心に残るラストで飽きずに楽しめました

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面白い

2023/01/31 20:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴーまん - この投稿者のレビュー一覧を見る

レビューが好評価だったので、ミステリーが好きということもあり購入。展開が気になり、どんどん読み進められます。

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ズシリと来る短編集

2022/12/04 15:23

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うみしま - この投稿者のレビュー一覧を見る

米澤さんは言わずと知れた前回の直木賞受賞作家であり、文体、内容ともにすばらしいのだから、当たり前かもしれないが、こんなに重厚な短編集は珍しい気がしました。
イヤミスという一言では言い表せない、恐ろしさ。
いずれの作品も、怖さの中に引き込まれ、止まらない感覚。凄みのある力を感じます。
ベテラン警察官の疑念が、真実をひらく、「夜警」官能的な怖ろしさを見せる「柘榴」表題作の「満願」の3作が特に今まで読んできた米澤さんの青春推理小説とは全く違う世界を見せられて、作家としての重厚さを感じました。これからもどんな姿を見せてもらえるのか、楽しみです。

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短編ミステリーの傑作

2022/10/15 09:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

六篇の短編ミステリーからなる作品である。六篇にはコレといったつながりはなく各々独立した作品ではあるが、どの作品の甲乙つけがたい傑作揃いである。ミステリー小説の王道をゆくような伏線の仕掛け方、登場人物たちの心情 言動など、お手本になるほどの作品群である。

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直木賞作家

2022/01/29 12:35

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前この作品を読んだことはよく覚えているのだけれど内容がどうだったか…となってしまっているので直木賞作家の作品としてまた読み直してみたいと思う。また印象が変わるのだろうか。。。。

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著者のファン入門的な短編集

2021/01/22 20:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たろう - この投稿者のレビュー一覧を見る

米澤穂信のミステリ短編集です。作者のミステリ小説が好きな自分にとってとても満足でした。推理を目的に読むのではなく、スリルやなんとも言えない後味を楽しめる短編集です。

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2年ほど前

2021/01/07 06:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ドラマ化されたのを機に読んだが、短編集なのもあって、どんどんひきこまれていった。
その後、同じく映像化された「氷菓」も米澤さんの作品だと知った。
更に米澤さんの作品を読みたい。

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満足

2020/03/18 12:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

どれをとってもひねりのきいた展開で、どうにもページとめくる手を止めることが出来なかったです。
ギュッと内容がつまって、短編集とは思えない満足感がいっぱいの一冊です。

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傑作

2019/09/15 10:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:モフモフモフ - この投稿者のレビュー一覧を見る

濃厚な短編集。後味のわるい作品が多いが、読後の満足感が非常に高い。
特に印象に残ったのは「死人宿」。ラブレターの差出人を推理するミステリは読んだことがあるが…この物語はそれとは似て非なるもので、もっと深刻で悲愴な差出人探しだった。
表題作「満願」も最後の最後でゾッとさせられた。

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