こんな楽しい本、読んだことがない。
2022/09/23 16:34
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投稿者:KoLe - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく面白かったです。ギリシャ神話にまつわる絵画についてのいろいろがケラケラ笑いながら楽しめます。
偶然、原画を美術館で見る機会がありましたが、親戚の絵を見るかのように親しみを持って鑑賞しました。
もっともっと他の神話についても話してほしい作家さんです。
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
ギリシャ神話といってもよくわからないので、オリュンポス十二神、神々の系譜が載っているのは有難いです。「電撃的!」の絵がとてもドラマチックで綺麗でした。
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投稿者:けやき - この投稿者のレビュー一覧を見る
中野さんの他の本に変わらず、絵がたくさんあるのは嬉しい。内容としては「母の執念」が心に残った。一見感動的なようだが、解釈によっては怖い話になるんだなぁと痛感しました。
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レダ。ダナエ。アポロン。ピグマリオン。オルフェウス。ナルシス。
など綺羅星。
しかしゴヤのモイラを知ることができたのが一番の収穫。
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『絵画からギリシャ神話を読む』
絵画の見方がわかるだけで、そこに隠されたストーリーが明確にわかるのだなと。
ギリシャ神話と古事記に意外な共通点があったり、絵画内の人物以外の描写にギリシャ神話を読み解く鍵があったり、興味を掻き立てられる1冊でした。
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ギリシャ神話にまつわる絵画の解説。
ゼウスが酷すぎる神だと知ってびっくりだよ。どんな女好きだよ! 天の川の由来(Milky Way)もゼウスが愛人に生ませた子どもに、ゼウスの妻のヘラのお乳を与えようとして、いやがるヘラのお乳が飛び散ってMirky Wayになったって。なんとも救いようのない話だこと。
でもいろいろ面白かった!
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神話の名画は解説がなかったら何が描かれているのか私には分からない。
解説があると凄く楽しい
神様、特にゼウスは好き放題やり過ぎでは?
雨になったり鳥になったり蝿になったり・・
ゼウスの変身シリーズが観てみたい。
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解釈が分かれるような難解な絵を解説するわけではなく、その絵が描かれた背景にある作者の人生を追うわけでもなく、売買や盗難で絵自身が辿った数奇な流通経路を解き明かすでもない。
ただ単に神話をモチーフにした絵の内容を語るのみ。
ざっくばらんな語り口は、わかりやすさよりも先に嫌悪感を感じてしまうほどの軽薄さ。絵の作者の意志よりも、筆者自身の思いと経験ばかりが前面に押し出される厚顔さ。特に新しくも詳しくもない、よく知られた事実を記載するだけの神話に対する知識の浅さ。
なによりも、表題の『謎』の解答どころか問題すらいつまでたっても語られないことにフラストレーションが溜まってしょうがない。
この本に時間を費やすのはもったいないと正面から言える一冊。
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キリスト教編を読んだらギリシャ神話の方も気になってしまったので、続けて読んだ、中野京子さんの名画の謎。
ギリシャ神話はもはや神話というよりかなり人間味を帯びたお話ばかり。
いくつか面白かったものを。
いろんなものに姿を変え、想いを遂げるゼウス…もはや何者だと現代人は思うけれど、そんなゼウスだからこそ、名画に取り上げられるシーンとして官能的で美しかったりする。レンブラントのダナエは本当に美しい。こちらまではっと思わされてしまう表情と仕草。一方のクリムトのダナエも表現こそ違えど、こちらも圧倒される。
表紙のピグマリオンとガラテア。写真かと思うほどんい美しいが、不気味でもある。男性の夢…自分で作ったものを愛すーーそしてそれは子孫へも繋がる。なんともいえない不気味さはそこにあるのだ、きっと。
ジョバンニ作のヒュアキントスの死も面白い。
テニス愛好家の伯爵が、ヒュアキントスの死の原因をテニスにしてしまったのだから。絵がいかに当時の娯楽であったことがわかるエピソードだ。
ペルセポネの帰還も絵としてとても美しい。がこれは神話が興味深い。デメテルの執着が異常だったのではという考え方だ。確かにざくろという冥界の食べ物まで食べたペルセポネが冥界の王ハデスを愛していなかったのか?ゼウスたち神々はなぜ黙っていたのか?おんぶおばけのような母親と、それに従ってしまう一卵性母娘の問題はおそらく昔からあったのだろうと思わせる神話だ。
面白かった部分を抜粋したが、神話の神々はほんとうにやりたい放題だ。難しく考えずに、エンターテイメントのひとつとして絵画を味わえばいいのだなと心から思えた。
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オリュンポス十二神
神々の系譜
はじめに
第1章 ゼウスをめぐる物語
官能のダナエ
「英雄」誕生
卵から生まれた双子
みんな女のせい?
第2章 ヴィーナスをめぐる物語
ヴィーナスのあっけらかん
男のピグマリオン幻想
合体欲求
女性アスリート
女の第六感
春がいっぱい
第4章 アポロンをめぐる物語
恋人を死なせて
「時の翁」の伴奏で
親の心、子知らず
冥界からの帰り道
第5章 神々をめぐる物語
母の執念
勝ち目のない闘い
乙女の怒り
我に溺れて花となる
紡いで、測って、ちょんぎる
電撃的!
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神話を通じて、昔の人がどんなことに関心があったのか、どんな価値観だったのか分かるような気がして面白い。
男女どちらもの体を経験したテイレシアスがゼウスとヘラから「快楽は男女どちらが大きいか」と問われ「女の歓びのほうが男の十倍です」と答えた
→大昔から人間は性に関心があったんだなあ。。しかも女性のほうが快楽が大きいことを知っていたとは、、!
テセウスがアリアドネを島に遺棄
→異国の女には何をしても構わないという差別意識?
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ギリシャ神話を題材にした絵画を中野京子さんが読み解いてくれる。
ギリシャ神話の神様たちは実に人間くさくて、自己にあてはめて考えられもしたり。
『ピグマリオンとガラテア』『ヒュアキントスの死』『バッカスとアリアドネ』はドラマティックでただただ美しい。
その他で印象的なのはゴヤの『運命の女神たち』。
この絵を見て、何も感じない人はいないのではないかと言うぐらい、なんとも不気味な絵。
帯に書かれていた『知的快楽、爆発』は、中野京子さんの本全般につけたいキャッチコピーだなぁ。
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ものすごく知的好奇心が掻き立てられる。
「人生の踊り」や「イカロス墜落のある風景」など、絵が読み解かれていくのは、推理小説にも似た愉しみがある。しかも文章を追うだけで想像力が刺激される名文。
隠喩に満ちた絵画や神話を勉強したくなった。
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「名画の謎」シリーズ。今回は「ギリシャ神話篇」。これでシリーズ読破となりました❗️
ギリシャ神話は、宮廷でも好まれ、時代を超えて多くの画家が描いたテーマ。
今回取り上げられた画家は、レンブラント、ルーベンス、ボッティチェリ、モロー、ベラスケス、カラヴァッジョ、ティツィアーノなど。
相変わらず中野さんの解説は分かりやすく面白い。
小難しい表現もほぼ使わず、巻末の解説で森村泰昌さんも言われているように、「下世話的なゴシップ」かのように、「野次馬的なノリ」で多々ツッコミを入れながら解説してくれるので、現代人の私たちも共感しやすいのだ。
ギリシャ神話に出てくる神々の人物相関図がまた巻頭にカラーで掲載されており、その系譜がすぐに理解出来る。
ゼウス、アポロン、マルス、ヴィーナス、ヘルメス、バッカス、など、聞き覚えのある神たちの数々の逸話が、「物語絵話」として解説されていく。
読めば読むほど、本当に身勝手で自分本位な人たちが多い。突っ込みたくなるほどに。エピソードに事欠かない人たちばかりだ。
ゼウスは動物にも虫にも化けて様々な女性、男性にひに言い寄る好色爺だし、絶世の美女のヴィーナスは奔放でワイルドすぎるし、軍神マルスは人妻(ヴィーナス)に手を出して復讐まで企む嫌われ者だったようだし(美大受験時代、イケメンだなーと思ってよく石膏像をデッサンしてたのに・・・)、ヘルメス(これもまた石膏デッサンをよくしたなぁ)も泥棒と嘘つきの神でもあったようだ。
神同士が色んなところで浮気して、騙しあって、復讐もしっかりする。
神聖なイメージがあったのに、実情はなんだかスキャンダラスな人たちでした。
そして、神の数が少なかったため、兄妹と結婚することも多く、近親相姦も多かったようだ。
ナルシスの言葉の由来になった人物や、オペラなどでよく取り上げられるオルフェウス(ギリシャ神話は、絵画化とオペラ化、どちらも多いのですね)、ピグマリオン効果なる言葉の語源となった物語、など、少しかじったことある程度だったエピソードもたくさん載っており、勉強になった。
また中野さんの突っ込み風のコメントが毎度面白い。
「でも仕方ない。男が勝手なのと同じくらい、女も十分勝手なのです」
「(クピドについて)まさにキューピーちゃん体型で愛らしいが、この子の矢の怖さは誰もが承知だ。おまけに目隠しして、炎の燃えた矢をつがえているのだから、いつも以上に危険極まりない」などなど。
ギリシャ神話の神々は、世界中に名前が知られていたり、今でも普遍的に使われる言い回しや言葉などの語源となったものが多く、それぞれのエピソードを知ると、そうなんだ!と新たな発見につながることが多く、面白い。
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著者曰く、
『現代人はともすると、絵画をまじめな芸術家がまじめな芸術態度でまじめに仕上げたと思いがちである。だが、そんなはずはない。』
『絵を見る喜びのうち大きな部分を占めたのは「エンターテイメント性」であった。』
著者の軽妙洒脱な文章とともに見ると絵画はどれも堅苦しさが抜け、絵画鑑賞が楽しくなる。