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文化人類学畑の人が、ファンタジーをこじらせてかいた漫画?
2018/12/04 13:03
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:爆発野郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
異種族コミュニケーションを研究するヒト族の学者の卵が、ワーウルフの少女と一緒に魔界を旅して、さまざまな風俗を紹介してくれる漫画です。
登場する異種族の人々の風俗は余りにも奇天烈で、しかし、論理的に納得できるものでした。また、さまざまな種族の人々がコミュニケーションに奮闘する様子が丁寧に描かれており、そのような点も楽しめました。
この漫画の素晴らしいところは、未知の文化や文明を持つ異種族の人々が、互いに理解し得ない事を前提に、それでも、歩み寄ろうと奮闘しているその様子を描いていることでしょう。
自分達と見た目や考え方が異なるからといって受け入れないのではなく、共に生きるためにコミュニケーションを取り、互いの無理解を許し、許されながら、認め合う、そのような姿に心を打たれました。
ネタバレになるので、あまり具体的な内容には触れたくないのですが、私のお気に入りのシーンを一つだけ紹介します。
主人公のハカバ氏は、ワーウルフの少女のススキに手ほどきをされながら、鳥の人であるハーピーとコミュニケーションを取ろうとします。しかしながら、予想を斜め上方向にブチ切れているハーピーの言語に圧倒されて、ぶっ倒れてしまいます。
すると、ハーピーは飛び立ってしまい、ハカバ氏はその様子から、コミュニケーションを途中で打ち切ったことでハーピーの機嫌を損ねたに違いないと落ち込み、そのことをススキに伝えました。
ですが、そこでススキは「話すの疲れるから休むのはいい」と、言ってくれるのですよ。
そうだよね、会話って、しんどいよね!
相手のことなんて、到底理解できないよね!
でも、仲良くなりたいんだよ!
価値観が異なり、互いに分かり合えることが前提とならない、しかし、互いに友好的でありたいと願い、理解しようとすることの努力をやめない人々。
人間の社会というのは、このように作り上げられるべきだと感じました。
とにかく、非常に愉快な漫画ですので、多くの人に読んでもらいたいです。
浮世にあれこれに疲れた人にお勧めします。
不思議な世界観
2019/05/11 17:18
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱぷりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までになかった斬新な作品だと思います。学者も注目していると聞きましたが、細かい設定がすばらしいです。
新しい言葉を知る楽しさ
2018/12/10 02:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藤和 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャンルとしてはファンタジーです。
魔物の住む魔界へと出向いて、そこで出会う様々な魔物と手探りで意思疎通を図っていくというのが大まかな内容。
主人公が最初に習得しているのはワーウルフの言葉だけで、その後に出てくるリザードマン、クラーケン、ハーピーなどとは意思疎通が些か難しいです。
ただ、魔界には共通言語がないということで、お互い言葉が通じなくて疲れた時は休んで良いというのが当たり前なのは、実際他言語を学んでいて躓いたことがある人は安心出来ると思います。
主人公と一緒に魔界の言葉を知っていくのは楽しいです。
良すぎる
2024/04/10 10:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アキヒコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の読書メーターアカウントから転載しています。
まだまだ売れてほしい漫画です。
異種族と対話をはかるにはどうすればいいか考える。獣系はこう、魚系はこう、みたいな掘り下げがすごすぎる。ファンタジー世界ものの中でまったく埋もれない。
帯文を書いたマフィア梶田さんが配信で「なに食べたらこんなの書けるようになるんだろう」とおっしゃってましたが、色んな本を買ったり借りたりしてめちゃくちゃ勉強して書いているらしいです。
”異種族”言語!
2023/10/31 18:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:クロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この切り口からくるマンガは初めてで一気読みしてしまいました。確かにワーウルフと人間が普通に会話できるか?と改めて言われると……。「彼らには彼らの言語やコミュニケーション方法がある」という設定に目から鱗でした。
また、向こうも”相互不理解”が当たり前、こちらが分からないからといって怒ったり馬鹿にしたりせず、彼らは彼らのペースで生きているのがまさに異種族が同居している世界として説得力があり、かつストレスなく読めてありがたいです。
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