日米の比較文化論、日本語の紹介としても立派な教養書
2019/01/20 19:04
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投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本語への愛情を表わしてもらった。
日本語への疑問から、アメリカと日本の比較文化論としても、考察が広がる。
比較の中から、日本人へのメッセージも受け止められる。
お笑い芸人と事業を行う経営者の顔も持つジェイソンだけに、書かれている内容は深い。
ジェイソンは「『お笑い』というエンターテイメントを通じて社会問題を可視化する役割を果たしたいと思っている」と述べる。
本書は日本語を偏愛し、日本語を勉強する中で、日本語への疑問を集め、その解を得るなかで、さらに日本語愛を深めていくという知的好奇心を満足させる側面もある。各章の末尾には不思議な日本語の理由を解説するミニコラムも収められていて、普通の日本人でさえ知らない知見が紹介される。
例えば、日本人は話の合いの手を、よくうつと指摘。アメリカ人は合いの手を打たれると理解していないのではないかととるというのだ。
「よろしくお願いします」は幾通りの意味もある事に驚き、「お疲れ様」「拝啓」など様々な挨拶は英語にはない。コミュニケーションのTPOで使う単語のバリエーションや敬語が違う日本語。しかし、へりくだりすぎることが、自己肯定感を下げるのではという突っ込みも鋭いではないか。
日米の国語の授業の違い考察し、アメリカは「あなたがどう思うか」と意見が求められるが、日本の読解問題では「型を学ぶ」「作者の意図」を学ぶものになっており、他者の心を読む日本文化の特徴があると指摘する。そんなことが挨拶のバリエーションや「空気を読む」という不思議な日本語が作られた背景かなと私は感想を持つ。
外国語と日本語の理解はまず、直訳から始まるが、直訳するとびっくりする「足を運ぶ」。故事成語や慣用句もそのニュアンスを正しく伝えるのは難しいらしい。また、「頑張れ」といったニュアンスの英語はないと紹介し、頑張れ的なニュアンスで使われるのはグッドラック。あんまりプレッシャーにならないし、本人の責任ではなく運次第で、達成できなくても「ついてなかったね」と自分以外のせいにしてもいいじゃないかという雰囲気が醸し出されていて、ここにも日米の違いを指摘
その他にもバリエーションがありすぎで訳すのに困る「気」の問題。元号の不便さ。デザインはクールだが不思議な漢字「ケモノを守るって書いて『狩る』って逆じゃない」「『男一匹』ってなに」という突っ込みから、ものの数え方のバリエーションの紹介。「ちんまりの『ちん』ってなに?」など、普段日本人でさえ突っ込まずに使いながら、実のところその深いところを知らないと事を突き詰めて勉強したことを解説していく。
ちょっとした教養書の趣もある。
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読みやすかったです。
そっか、日本語ってそういうところがあるんだ、と勉強になります。
アメリカとの文化の違いなども少し気がつけて面白かったです。
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視点自体はオリジナリティーがあると感じたが、良い意味でも悪い意味でも彼なりの視点を貫きすぎて好き勝手な議論が展開されている。特に英語や、英語と日本語の比較については、日本語との比較を先鋭化させるために、多くの点で言語学的に重要なポイントを無視したり、事実を矮小化or歪曲している。
単純な間違いの例としては、ツナとマグロみたいに調理法によって名前を変えるというのは、他の国ではあまりみられない (why 26)、とあるが、英語でも、生きてる豚はpigで、肉になるとporkで燻製にするとhamに、そして調理法によってはsausageにも、hamburgにも、spamにもなる(一般的には英語の方が、動物に関する語彙は豊富)従って、調理法によってなまえが変わるというのは全く不思議なことではない。このように、あたかも本書は、世界の一般常識から日本語を論じているかのようではあるが、全く根拠がないことが多い。
彼が日本語に対して感じている非論理性というのは、それをwhy?って聞くのは確かに大事だが、w彼自身には理解できないからって日本語を「変」で片付けるのではなく、なぜそれが非論理的に思えるのか、を深く検討する必要があるだろう。自分が理解できないこと=変と決めつけることは、アプローチとして大きな誤りを孕んでいる。
また出版社の責任としては、英語のチェックをしっかりしなければならない。少し考えればわかるくらいには英語の間違いが多い。日本語話者でも、日本語の言葉の歴史や、構造、論理をただしく説明できる人が少ないように、英語のネイティブスピーカーだからといって英語の歴史や構造を正しく説明できるわけではない。
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(2022-01-07 30min)
『日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy』を読んでとても感銘を受けたので、続けてこちらを読了。Kindle Unlimited。
日本語を学ぶ外国人としての厚切りジェイソンさん独自の視点を知ることができて、非常に興味深かったです。
疑問を持って、楽しんで自分なりの最適解を探ることって、多言語を学ぶことに限らず、学びを継続していく中で不可欠なことですよね。
事実考証が足りないというような批評もありますが、そういった学術面を重視するのであれば言語学者さんの書籍を読むべきです。本書は厚切りジェイソンさんが日本語に対しての愛を語っている書籍としてライトに受け止めるものだと思います。
日本語を専門に研究していないにも関わらず、ここまで書くことができるのは凄いです。一般的な日本人より、日本語について詳しいのではと思ってしまうくらい。
「厚切りジェイソンと学ぶ!かなり気になる日本語の真相❷」での、「送り仮名の付け方」の表は見ていてかなりクラクラします。このややこしさを乗り越えて日本語を学んでくださっている方々には頭が上がりません。
本書を読んでいて、厚切りジェイソンさんの日本語力に感心しながら、多様な味わいをもつ日本語とその土壌を育んできた日本という国のことを自慢に思いました。こんなに日本に興味を持ってくれている外国のかたがいるのは嬉しいです。
反面、自分は日本人としてもっと母国語に関心を持つべきだなと恥ずかしくなりました。
母国のことをよりよく知りたいという意欲がわく本です。
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厚切りジェイソンさんの独特の視点が面白かった
今までなんとなく使っていたからこれを読んで意味や由来を初めて知った言葉もあったし、日米の比較も面白かった
日本語って良いなぁと日本人ながらに思いました
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あんまり漢字で「なんで?」と思うことがなかったから、ジェイソンの視点が新鮮だった。たしかに言われてみれば、なんで?ってなるところだらけ!
自分が英語を勉強しているときの疑問もネイティヴにしてみたら、当たり前すぎて考えたことがないようなことばかりなんだろうな。
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厚切りジェイソンさんのお金の本を読みたくて、図書館で検索して偶然借りた書籍。
とっても面白くて読み終わるスピードが今までで一番速かった。笑
雑学みたいで人に話したい!ツッコミたい!Why Japanese people? って言いたい!と思いました(^^)
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日本人よりも日本語に詳しい厚切りジェイソンだなと思った。私もこんなふうに日本を愛して、それが滲み出る人になりたい。
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たまーに読みたくなる疑問解決本。灯台下暗しのように、気にせず使っている日本語を俯瞰できたのが良かった。1番興味深かったのは、
「これがいい。」
「これでいい。」
と、助詞が違うだけでこうも意味が変わるのかということ。これを外国人に伝えるのは結構難しいと思った。
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2023.03.06.
朝読書「かなり気になる日本語」第1-3章。
笑いのネタにもされてる方だが外人から見た
日本語の不思議が書かれている。
その疑問を外人が日本語で書いてるんだから
関心して面白い。明日で読み終わります。
2023.03.07.
朝読書「かなり気になる日本語」読了。
日本語ってなんて特殊な言葉なんだと、
それを当たり前に使って暮らしてる
自分ら日本人てすげーなって改めて
思いましたw