各テーマについての縦横な読み解きが面白い
2020/06/15 15:03
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投稿者:TK - この投稿者のレビュー一覧を見る
各テーマについての縦横な読み解きが面白い。
こんな風に小中高の歴史で教えてくれていれば、よかったのにと思う。
世界史と日本史は、お互いに関連付けながら、背景、各視点、影響や意義について理解することが大切だと痛感。
丁度、フィリピンのホセ・リサール、フィリピンの歴史について読んでおり、大航海時代、キリスト教の宣教と帝国主義、フィリピンの独立から現代までを俯瞰していた。
フィリピンと日本の歴史について、キリスト教の宣教と帝国主義を軸に比較対照でき、とても勉強になった。
改めて気になった日本のキリシタン対応、弾圧に至る経緯、踏み絵について仏教とキリスト教の考え方の違い、関連する世界遺産登録の話しなども、多角的に理解することができた。
潮出版社による対談とあって、池田大作氏の発言、書籍、対談集からの引用などもところどころに見られる。
この引用は、カッコ書きで特に引用元の記載はされていない。
これらの引用は、佐藤優氏がラジオや他の出版社の書籍ではあまり発言していないと思われる内容で、今の日本では、特に、ネトウヨや、自他を分断して比較的に他者をさげすむ国粋主義者からは、猛批判を受けるような内容も含む。
それ故に、自身の宗教的信念に照らして道理に適っていると肯定し、後世に対する文献的意義を意図して、敢えて引用したのではないかと思われ、興味深い。
過去の歴史から、現在、未来を見渡す意味でも、両者の読み解きは、とても参考になった。
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
安部龍太郎さんと佐藤優さんによる、日本史に関する対談第二弾です。今回は幕末から明治維新を扱っていますが、司馬遼太郎さんとは違いが判り面白いです。
学校で習った日本史は何だったのか!
2021/12/04 07:05
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投稿者:W124 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史の因果というものが改めて認識される本です。学校で習った日本史がいかに薄っぺらいものかを思い知らされました。1と2が出版されていますが、早く続編が読みたいです。
過去から未来を導く
2020/07/27 18:08
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
信長から秀吉まで、戦国時代の偉人たちを滅多斬りです。経済中心の社会から人道主義への転換を訴えるなど、現代への批判も忘れていません。
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学校で教える表面的な歴史ではなく、当時の歴史の本質的な部分を学ぶことができる一冊です。
織田信長がその時代にいち早く鉄砲を取り入れ、それによって天下を取ったことは学校で習いますが、鉄砲に必要な火薬や鉛の弾をどうやって手に入れたかということは学校では教えてくれませんでした。
信長が単純にいち早く他の大名よりも優れた武器を手に入れたから天下をとれたということではなく、それらの武器を使うために資金調達、物流、貿易といった基盤を掌握できたからこそ大事を為し得たのだと改めて考えさせられました。
現代のビジネスに通じる視点も学ぶことができる良書でした。
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読みやすく面白い。対談形式も全く気にならない。織田信長中心に、イエズス会の動きや、南蛮の野望、日本が植民地にならなくてよかったと思える内容だった。
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p53 水戸黄門とは朝廷の官位(中納言) 唐では中納言のことを黄門とよんだ
p55 江戸時代の朝鮮通信使 日本では朝貢と解釈 朝鮮通信使が掲げていた旗には巡察と書いてあった
真面目に翻訳せず、適度のサボタージュしていれば、摩擦や衝突を避けられる証
p72 ザビエル以来の宣教師について、「危険を冒してまで極東まで宣教をしにやってきたいい人」というイメージで捉えている日本人が多いのではないか それは一面的な理解。 彼らは植民地支配の先兵としてやってきた人たちなのだと認識していなければ、きりたんへの大弾圧がなぜおきたのかわからなくなってしまう
p74 内村鑑三 代表的日本人 西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮
日蓮 ほかの宗教人にない国際的な広い視野があった 網蒙古の襲来を正確に予測
p117 関白 天下の万機を「関り白す(あずかりもうす)」 平安時代の9世紀終わりに設置
p218 マキャベリ 追従をどうさけるか 第23章
すべての人に身勝手に全部意見を言わせると、そのうち誰も君主のことを怖れなくなる。これは危険である。それぞれの分野の専門家に、自由に意見をいわせる。そのとき少しでもおべんちゃらをつかったり追従するものがいれば、露骨に嫌な顔をするのだ。そしてその意見に対して、その場ではすぐに反応しない。自分の中で、「これだ」と決めたあとは、たとえあとで「あの決断は間違いだったかもしれない」と思っても、決して判断を変えない。こうすれば権力を維持できるのだ。
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対談形式で著者のお二人の知識・見識が歴史を通して縦横無尽に行き交う良書。「重商主義」か「農本主義家」、「中央集権」か「地方分権」、の対比は具体的な例示により分かり易く説明が加えられ説得力のあるロジック展開になっている。
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イエズス会の正体。十字軍の延長。日本侵略。
歴史は上手くできている。
IFはつきものではあるが、推理は楽しい。
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信長の政治思想は中央集権、公地公民、重商主義であり、秀吉はそれを踏襲したが朝鮮出征という暴走を行い、家康に至って地方分権と農本主義に落ちついたという歴史認識が興味分かかった。
安部氏のいう歴史的な教養、①歴史についての情報量、②歴地と対峙した経験、③そこから生まれる発想力の三本柱の意味は、本書を読み進むにあたって歴史小説を書くだけではなく、現代社会を生きる上で、必要なものだと感じた。
日本史なんだけど、現代の韓国や当時の朝鮮、その背後にある中国との関係や世界としてのスペイン、ポルトガルの存在など、従来の日本史的な知識で足りないところが縦横に語られていて感心した。そうだよなぁ。鉄砲によって天下を統一ったって、どうやってその鉄砲や火薬を手に入れたのか。そこまで考えていかなければ、歴史について考えることはできないだろう。そして、そういうことを考えることによって、より大きな背景を知ることができる。
茶の湯がキリスト教の聖餐に近いというのも、ちょっとクスっと思える話だった。
最後は、日本は農本主義と地方分権に進むべきじゃないか、という現代の話でまとめられて、あれこれ刺激的にだったね。2巻も出ているから、そちらも読みたいな。
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お二人のやりとりが知的好奇心にあふれている。
受験勉強の合間に高校生が読むのにも適していよう。さらに、評価できるのは、「後注」がついており、登場人物や事項について簡潔な説明が加えられていること。
このことも勉強向きだと思った理由
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歴史を知りたいけど、どこから手をつけていいかわからなかった。おばあちゃん家でふと手に取った本書よんでみると、読みやすく歴史を知らないわたしでも楽しく読めそうな気がした。
面白かった、更に歴史を知りたくなったし
自分がなんとなく思っていたことを言葉にしてくれていて嬉しかった。
重商主義→農本主義へ。これは中村哲さんが言う「人間が自然の一部であることを忘れてはいけない」ことと同じようなことを言っていると思った。
飢饉がおきると封建領主は民衆のために備蓄米を惜しまず放出した」過去にこんな社会があったのかと羨ましくなった。
これはみんなに読んでほしい本。
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歴史の学び直しの一環として読んだけれど単純に面白かった。何故かこのシリーズを最新の4巻目から読んでしまったけど、この第1巻の方が最後まで学ぶだけでなく楽しく読むことができた。
作中で安部さん、佐藤さんが語られているように「日本史」「世界史」として分けるのではなく、ひとつの繋がりのある「歴史」として学べる環境が学校でも整えられればいいのになぁと思う。子どもの頃は、そんなことを考えずに単にテストや受験を意識して暗記科目として捉えてる部分もあったけど、歴史を学ぶこと自体は楽しかった。でも、他科目との繋がりを気づけずにいてとても残念だったなと。
過ちを繰り返さないためにも、また相手の思考の背景にあるもの、根っこのものを知り、より深く理解するためにも「歴史」を学ぶこと、「歴史」から学ぶことを意識していきたい。
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この頃、新規市場開拓の意図か佐藤の創価リスペクトが著しく、会員のなかの知識層は「創価学会は大石寺と訣別して世界宗教となった」という語を好んでいる。だが、ある創価の人は「日蓮大聖人は御本仏として経文によって日本はさておき仏教の滅びるのを予見し諫暁したのであって『何らかの情報を得て、蒙古の侵攻を予測して幕閣に警告した』との見方は不遜と言っていた。
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〈戦国時代の日本は世界の大航海時代の中でとらえなければ理解することができない〉
目的を持たずに海を渡らない。鉄砲伝来も。日本だけでは火薬は作れないから外国との貿易重要。貿易が盛んになると日本国内の経済構造が変化する。
「日本がこれからどういう国になるべきなのか」という重大な路線選択が関ヶ原の戦い。