泥沼をかき回す段階から、自ら泥沼に泥を投げ込み深めながら踏み込んでいく段階へ。
2019/12/28 10:17
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
泥沼をかき回す段階から、自ら泥沼に泥を投げ込み深めながら踏み込んでいく段階へ。このような場合、何度か引き返す機会が巡って来ると思いつつ読み進めるが、今のところではこの時期がそれだったのではと思えて来る。しかし、国内外の状況はそれを許さない雰囲気だったことも否めない。日本の狂気はその集約点としての第2次世界大戦(太平洋戦争)であるが、その狂気が遡ること10年以上も前から着々と醸成されてきた点に注目。欧米列強による植民地政策、共産主義との対立、などなど諸問題が渦巻く中での日本の帝国主義政策も着々と進められていくが。そうした大きな時代の流れを敷島4兄弟という異なる視点から記述していくのだが、各々が時代の流れの中でその見方、思想が影響されていくのも見逃せない。やっと1/3。まだまだ先は長い。
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投稿者:Zero - この投稿者のレビュー一覧を見る
日産ってあの日産?元々は財閥だったとは初耳。それはそうと、いよいよキナ臭くなってきた。解説にある戦前を天皇を頂点とするカルト国家と断じた点は目からウロコ。普通なら社会として破綻するのだろうが、日本人の持つ国民性と妙にマッチしてしまったのではないだろうか。
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不況を脱しきれない日本が騒がしくなる。その目を外に向けようと満州国建設に走る軍部と政府。
しかし先立つものはなく、国民の夢と実相がかけ離れる。
敷島四兄弟が満州の各地で、それぞれの立場で満州に関わり、その中で満州に住む各民族の感情も明らかになってゆく。
いろいろな立場の人が混じり合い、せめぎ合う。混乱の満州。これから話はどう展開していくのだろう?
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満州国演技3巻目にして、船戸節ついにさく裂。
満州国建国と敷島4兄弟の運命が複雑にからむ
おもしろい、4巻目が楽しみ
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北の残光
黄色い宴のあと
炎立ちつづき
氷点下の町
凍える銃弾
著者:船戸与一(1944-2015、下関市、小説家)
解説:北方謙三(1947-、唐津市、小説家)
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シリーズ第3作目。
タイトル通り“狼”達が、大陸各地で本格的に獲物を漁り始めた・・・といった様相か?
・・・肩で風を切って街を練り歩き、わざと相手にぶつかっておきながら「痛ぇじゃねえか、この野郎っ!」と因縁つけて喧嘩に持ち込む……、
まるで昭和の漫画・ドラマ・映画で描かれるヤクザやチンピラ、不良少年たちのような、関東軍の所業の数々…、気が滅入ってきそう(苦笑)。こんなもんがまかり通ってしまうあたり、やはり狂気の時代だったのだろう。
謎の工作員、間垣徳蔵の背景がチラりと見えかけたのが、史実と創作のハーモニーによって織り成されるこの物語の、フィクションパートの重要ポイントか?
★4つ、8ポイント半。
2017.01.22.古。
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1928年~1945年の17年間の満州の歴史。登場人物4兄弟の視点で語られる。満州事変から第二次世界大戦終結までの流のなかで、南京事件、張鼓峰事件、ノモンハン事件、葛根廟事件、通化事件と有名な事件が次々と起こり、4兄弟それぞれの立場で事件と向き合う様子が描かれる。満州の歴史を詳しく知らなかったので、勉強になった。何が正しくてなにが正しくないのかなんてだれにもわからないと感じた。
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新天地、新国家…いまから見れば歴史の闇がうねりをあげるなか、当時の人には果たしてどんな夢だったんだろう。
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シリーズ3作目。二・二六事件が起き満州国ができて関東軍の無手勝流が高まり、どんどん戻れない破滅に向かっていく感じがぷんぷん。しかも日本という国・国民自ら望んでそっちの方向へ向かっていく感じ。戦いの場面も多くなりいまいち興味がもてず流し読み。戦いや軍関係じゃない場面のほうが面白く読める。敷島四兄弟の継母で四郎と危険な仲になっていた真沙子の衝撃の死に方。
四兄弟のなかで唯一安定かつ堅実で誠実に生きていた感じの敷島太郎も満州国ができた頃を境に、国を興す男の夢らしきものにとらわれだし、その代償であるかのように本巻末で明日の満州への希望を込めて隣人に名づけられた長男・明満が夭折した。