君がいなきゃ涙さえ出ない【特別版】 みんなのレビュー

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投稿者：M★　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

構内に小さな社がある大学医学部が舞台。
挿絵は小山田先生で、魅惑的。

展開は、サスペンス調。
十李は強引に志磨と同居を始めて、志磨の心の封印を解いていく。

門宮家の跡取り問題、両親の虐待、元家庭教師の二階堂、自殺未遂、悪夢
・・・と、志磨が触れたくない過去のトラウマ解消に関わる。

十李のトラウマは、電車と志磨の悪夢に関連があった　
・・長い時間をかけた初恋成就物語。

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投稿者：やじやじ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

作者さんがあとがきで書いていたとおり、
プレーンな感じの作品
ヤクザも陰謀も触手も・・・そのほか諸々なアイテムはでてきません。
でも、作者さんが言う「溺愛もの」って言葉には・・・
ちょっと頷けないものも・・・あります。
まあ、恋愛に関しては二人ともピュアピュアな感じなのは間違いないですが。

とにかく背景が痛々しい。
子供を人材と言い、育成を成功が失敗か（ゼロか一か）と言い切る
父が首尾一貫していています。
多分父もそういう風に育てられ、彼の中ではそれだけが筋なんでしょうね。
そしてその筋をぶれることなく歩いてきた。
ある意味その揺らぎのなさが怖いです。
そこに母や家庭教師の二階堂も絡んできて
志磨をスポイルしてしまったのでしょうね。
（虐待でもある）
生きて医大生になっているということだけでも志磨はすごくがんばったんだなと。
十李も十李の過去や理由もあり、
それは志磨にも関係していて・・・
なので十李の執着心は理解できました。
（溺愛と呼んで良いのかは別ですけど・・・）
志磨は十李の家族に触れることによって、
自分が触れることのなかった家族というものに触れることもできて何よりです。
妹ちゃんが兄想いで賢しくてかわいい。

十李も志磨も過去は過去として持ち続けながら
未来に向かって地に足を付けていけるようになって良かったです。
そんな風に思える作品でした

☆3.5

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投稿者：apple2　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

沙野さん+小山田さんのタッグだったので、期待値をMAXに上げて、文庫書籍で購入しました。
ちょっと過度な……束縛強めだけど、普通の恋愛のお話でした。

一目惚れをした経験が無いので、十李の気持ちには添えなくて、行動は割りとストーカー？
と引いてしまいました。

志磨くんの家庭環境にはひたすら同情し、共感できる部分もありました。
富裕貧困に係わらず、子供ありきではなく自分の世界が中心で、その為に子供がいると考える親はいるので、サッサと見切りをつける方が気持ちは楽だ。
とはいえそれが、自分の夢の発端となった人物ならば、そうサックリとはいかないよね。

気持ちの折り合いを着けることが出来てよかったなぁ、と思いました。