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こんな職業もあるんだと。
医療に携わりながら何も知らなかった。
たくさんの人たちに読んでもらいたい。
感動とかじゃなく、ただこういったことがあったと事実として。
それをどうとらえるかはその人次第なんだから。
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少し前に読んだ「出世花」と似た風合いを感じながら、「うんうん」とうなずく気持ちで読んだ。涙が出た。
私が常々思っている「死に方」と、相通ずるものがあるような気がして、文章というより気持ちがすっと入ってくる感じがしたのだ。
私の言う死に方とは、自分がどう死ぬかではなく、自分の死を子どもたちがどう受け取りどう処理できるかということ。臓器の移植など微力でも力になりたいという思いはあっても、私の死に際に立ち会う子どものことを思うとそこに賛同することができないでいる。子どもが大人になり、私がおばあちゃんになったらできることなんだろうけどなー。
あの震災で、こういうボランティアをされた方もいらしたのか・・・と、胸が熱くなる。ありがたいことです、ありがたいことです。
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児童向けのノンフィクション作品ですが、大人にも是非読んで欲しい。
誰かを思いやることの尊さを、考えさせられる一冊です。
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東日本大震災から1年
やっと震災関連の本も気持ちを落ち着けて読めるかなって気になり手に取った一冊
未曾有の災害の中沢山の方々が理不尽に命を奪われたけれど
そんな中活動していた「復元納棺師」の女性のノンフィクション
児童書なんだけど 大人にも読んでほしい一冊でした
自分が「エンバーミング」や「グリーフケア」といったものに興味があるからかもしれないけど
大切な人との別れには 心の区切りを付ける為にも「お別れの儀式」って大事だと思う
出来れば眠っているような安らかな状態で送ってあげたい
変わり果てた姿のままでは 残された者も残して逝く方もツライもんね
葬送って亡くなった方をあの世に送るだけでなく これから生きていく、生きていかねばならない人たちの背中をポンと押してあげる役割りがあるような気がします
日本にも もっとこういった復元を含めた納棺師やエンバーマーといった職業が定着したらいいなぁ・・・なんて思ってみたりもして
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(2012.02.10読了)(2012.02.02借入)
【東日本大震災関連・その56】
復元納棺師の話です。震災や事故などで生きていた時の顔や体の状態とずいぶん変わってしまっている場合には、見送る方々は、いい気持ちで送り出すことができず、気持ちの整理ができないようです。復元納棺師は、顔や体の状態を生きていた時の状態にできる限り復元してあげて、心の整理の手伝いをしてあげる。
東日本大震災に際し、岩手県の沿岸部に足を運び、仲間の葬儀社の方からの要望に応じながら、ボランティアとして亡くなった方々の顔等の復元に携わった笹原留似子の物語です。
子供向けの本の体裁になっていますが、大人が読んでも充分泣けます。
●納棺師(6頁)
納棺師は、亡くなられた人と遺族との最期の別れの場に立ち会い、遺体を清め、棺に納めるまでのおごそかな儀式をとりおこなう。
●復元納棺師(6頁)
復元納棺師は、事故や災害などで傷ついた遺体を、生前の姿に重ね合わせて復元する。それは、遺族と亡くなられた人との思い出をつなぎ、心の絆を取り戻すための仕事である。
本の目次は以下のようになっています。
1.その時
2.納棺師
3.遺体復元
4.絶えることなき涙
5.遺体安置所
6.さまざまな思い
7.支援のバトン
8.新たな出会い
9.人はつながっていたい生きものです
●納棺師(35頁)
遺族に心から寄り添える納棺師を目指し、ベストな形でのお別れができるお手伝いをさせていただく―。そして、遺族には故人とのいい思い出の中でこれからの一歩を歩きだしていただく―。
●笑いじわの再現(62頁)
留似子が復元の際、最も神経を集中させるのが、故人の表情の中にある「笑いじわ」だ。
どんなに若い子でも顔に表情線がある。それを表情筋マッサージで見つけ出し、再現するのである。
このしわを復元するとその人の持っていた性格まで、すべてわかってしまうから不思議だった。
●手のぬくもり(66頁)
祖母が涙でぬれた自分の手をひざあたりでふき、留似子の手からゆっくりと少女の手を受け取った。
「あったけえ……」
少女の手のぬくもりは留似子の手の体温だ。
留似子は、自分の手で少女の手をしっかりあたためてから家族にその掌をわたしていたのである。
●沿岸被災地を(95頁)
留似子の遺体安置所での復元も毎日続いた―。
岩手県内の沿岸被災地、宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市はすべてまわった。
●僕だけ助かった(114頁)
僕がふり向くと「あとはお母さんが背負っていくから!早く行きなさい」とお母さんが言いました。
走って……全速力で走って逃げました。
ぼくひとりが助かり……お母さんと妹は死にました……。
ぼくが、殺したんです……。
ぼくは生きる資格のない人間です。
●300体(152頁)
納棺師、笹原留似子が、東日本大震災で復元した遺体の数は、震災後5カ月で、実に300体を超えた。
☆関連図書(既読)
「納棺夫日記」青木新門著、文春���庫、1996.07.10
「墜落遺体」飯塚訓著、講談社、1998.06.24
「墜落現場 遺された人たち」飯塚訓著、講談社+α文庫、2005.07.20
「遺体-震災、津波の果てに-」石井光太著、新潮社、2011.10.25
(2012年2月10日・記)
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人は、忘れていく生きもの。
忘れて悲しみが薄れていく。
だけど、この大震災が起こってしまった事実だけは
ただただ忘れないために。
被災者の人数分だけのストーリーが
あったことを。
この本を読んで、再度自分自身が何をすべきか
考え直すきっかけになった。
「復元納棺師」すごい仕事です。すごい人です。
印象に残ったのは「人から人へ、バトンを繋いでいく」という言葉。本物の支援の輪がこれからも広がることを心から願う。
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涙が溢れてきました。
もうすぐ、あの東日本大震災から一年が経とうとしています。
この震災で、たくさんの命が一瞬で奪われました。
そして、たくさんの遺族がうまれました。
この本では、故人を生前の姿に戻す“復元納棺師”の笹原留似子さんが、遺族が第一歩を踏み出せるために活動している姿が描かれています。
復元納棺師という職業は聞き慣れないですが、本当に遺族に必要な存在。
まだまだ復興は終わっていません。
生きていくために、何ができるのか、皆で考えていかなければと痛感します。
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もくじ
はじめに
1.その時
2.納棺師
3.遺体復元
4.絶えることなき涙
5.遺体安置所
6.さまざまな思い
7.支援のバトン
8.新たな出会い
9.人はつながっていたい生き物です
あとがきにかえて
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遺体の復元を職業としている女性が東日本大震災の被災地に飛び込み三百以上のご遺体をきれいにしていく。こんな地味で時間のかかる作業があの広い被災地で行われていたのだな。その一人一人にドラマがあり…
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「死」を受け入れるための第一歩。故人との思い出の「始まり」
震災の被害を知りただ涙するのは、偽善かもしれない。本を読んだだけでその心や現実を分かりたいなんて、虫が良すぎるけど…だけど…何も知らずにいるよりはいい、少しでも自分の中に何かを残していくから。経験値は確実に明日へとつながるから。
知ることが、私のできることのひとつ、だから。
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事故等で損傷した御遺体を復元して納棺されている、復元納棺師の方が東日本大震災でされたボランティアについての児童書。
感じにルビがふってあり、読みやすい作品でした。
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瓦礫は宝。
この言葉にはっとした。全てなくしたんじゃなくて、壊れて流されたんだよね…。そんなことにも気が回らない自分にがっかりする。
でもそうじゃない人もいることは忘れずに。絶対はない。
親しい人と別れるには、別れの儀式が不可欠なんだ。前を向くためにも、幸せな思い出を思い出すためにも。
こんな悲しいことは二度と起きてほしくない。
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復元納棺師・笹原留似子さんのノンフィクション。児童用の最後まで一気に読める文章量、ページ数で、本格的な内容と読みやすさを追求したシリーズらしいです。物足りなさはあるけど、胸に迫り、やっぱり泣いちゃいました。
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震災後、たくさんのボランティアが現地に入りましたが、彼女のような遺族のケアができる人は他にいなかったのではないでしょうか。遺される人たちにとって、遺族との別れの場面はこれからの生き方を左右する大切な時間なのだと、改めて感じさせられました。どの方のお話も、胸の痛むことばかりでした。
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被災地で活動された復元納棺師、笹原留似子さんのノンフィクション。
「忘れないこと」が、被災地から遠く離れている我々ができる、大きな復興支援のひとつなのですね。