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文豪金之助(漱石)と子規との友情物語。
まるで筆者の伊集院静が漱石とラップ
するように思えたのは私だけか。
漱石も筆者も肉親や友を亡くし、それで
も時と共に悲しみを癒し、後世に伝わる作品を残してゆく。
松山、伊予を旅してみたいと思った一冊だ。
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ノボさんとの関係がすごく良い。
学問をする、という事に凄く真剣で、これを高校生の時に読んだりしたら、思わず「私なんて大学に行く資格ない」って思ってしまっただろうな…
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新聞に連載されていた時から、まとめて読みたいと思っていたところ、文庫本が出たので夏休みに読んだ。
夏目漱石と正岡子規。学生時代に育まれた友情は、長く影響を与えるものなのだ。そして、時代に仕事を残す人は、見合う他人を惹きつけるものなのだと思う。11年の作家生活の中で一作一作新境地を切り開いた夏目の畏友こそが正岡であった。
また、夫人の入水を、よくあること、と揺るがない女中とくにも驚く一方、最後に抱き留めたのは夏目だった。そして入水せざるを得ない感受性を持った夫人が、夏目を教師から作家へと後押ししていく。
伊集院さんが正岡子規を描いた「ノボさん」という作品もあるので読んでみようと思う。伊予の松山を訪れてもみたいし、蕪村も読んでみたい。
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登場人物が、生き生きと描かれ人間模様がとても面白かった。夏目漱石と正岡子規が親友であったこと、高浜虚子、河東碧梧桐、森鴎外、寺田寅彦など、著名な人物との関わりなど、知らないこと多くびっくりだった。
夏目の兄の言葉が心に響いた。
「一冊の本を読むことは、舟で海に漕ぎ出すようなもの 一頁一頁をめくるのは舟の櫓を漕ぐようなもので、疲れたり、行き先が見えなくなる時もあるが、やがて今まで見たことのないような素晴らしい眺めが、世界があらわれる」
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夏目金之助と正岡子規の出逢いとその後の関係は、我々が思いもつかないような、深く鋭い関係であった。作者の伊集院さんの話づくりは素晴らしい。読みやすい、素敵な、作品です。
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昨年亡くなられた伊集院静さんの作品。「大人の流儀」シリーズなど、彼のエッセイは多く読んだが、小説は久しぶり(名作「乳房」以来か?)。
夏目漱石の生涯を描いた作品。近代日本を代表する大秀才であることは言うまでもないが、本作で描かれる漱石は、人間に対して優しく、人生に対して真摯である。親友、正岡子規との友情を中心に描かれた青年時代に多くの紙幅が割かれている。漱石の人生において、子規との日々が精神的にも、仕事の面でも、ものすごく大切なものだったのだなと。「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「草枕」などの大名作が執筆された背景を読むと、あらためて読み返したくなる。
人間、漱石に出会える素晴らしい作品です。
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夏目漱石の生涯。断片的に知っていたことが繋がる。恵まれない幼少期。一高、大学での友人との交流。
なかでも、正岡子規との出会いは奇跡のよう。
鏡子とのやりとりも微笑ましい。
それにしても、漱石が執筆し出すのは、相当遅かったのだなあ。