グラフィックデザイナーが語る宗教とデザイン
2024/02/29 15:29
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、本のデザインもたくさん手がけているグラフィックデザイナーの松田行正さん。
デザインの視点を駆使して「宗教」の世界を探究した一冊だ。
宗教の表現には、人間の想像力と言った良い面と、戦争などにつながる悪さの両面があるそうだ。図版がたくさん紹介されているので、見ているだけでも楽しめる。
宗教のデザインを読み解く手掛かりを得ることができる。
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結構話が細かかった。
私にはウケた。流石に最後の方の漢字の成り立ちのあたりで飽きてきて流し読みした。
日本の宗教観ってやっぱり独特なんだなー、というのが一番面白かった。
島国で野山があり、点景が生まれた。それは中心がない、というか、そこかしこに中心があり、八百万の神につながった。そして、自然と海に目が行き、周りをみまわす。すると中国という大国があり、自身が周縁に位置し、中心ではなく周縁が大事という意識になる。
だからこそ、漢字という中国の文化から女官がつくったひらがなにも注目できて、日本の独自の文化とできた。
だから、日本は横、水平の形が多い。お箸の置き方、床の間の畳の配置などなど。
これがヨーロッパは縦。神は上にいるという思想。
ある程度、世界史の流れを知っていないと読むのが難しいかもしれない。
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「戦争とデザイン」の著者の新しい本は「宗教とデザイン」。ページを開いて最初の最初に『本書は、宗教における表現とはなにか、をテーマとしている。それは、「過剰な忖度(推理)・過度な解釈」によって生まれた「誤解する美学」といえるのではないだろうか、これを順を追って述べていきたい』と宣言しています。それをキリスト教の「普遍性」、イスラム教の「絶対性」、仏教の「安定性」という三大宗教の切り口で、膨大な知識と豊富な図版で論考を積み上げていきます。それぞれの信仰がビジュアルをどう用いたか?によってそれぞれが世界宗教になりえたのか?という沿革でもあります。心の問題がロジックの問題ではなくエモーションの問題だとしたら、そこには言葉<ビジュアルであったろうし、ノンバーバルな宗教体験を感じさせる事が国境を越える秘訣だったのかもしれません。前著に続いて、著者の提示する様々なネタを拾っていく内に、広大な森に入ってしまったような読書でした。
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図画や彫像に限らず、宗教に関するデザイン全般について網羅的に書いた本。宗教の側のデザインのみならず、宗教が世界や社会をどのようにデザインしたか、しようと試みたかについても挙げられている。読んでいて楽しい本ではあるが、全体として体系的に書かれているわけではないので、心して取りかからないと読み終わった時に何も心に残らないということになりがち(私もそうだった(苦笑))。多少独断的とも思える箇所もあるが、それは著者のデザインの内、ということだろう。
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三代宗教のキャッチフレーズを
キリスト教 普遍性(キリスト教で埋め尽くしたい)
イスラム教 絶対性(神は絶対)
仏教 安定性(心の安寧、自由)と捉え、
宗教にまつわるデザインの歴史を紹介している。
分厚い本だが、思ったより、すらすら読めた。
説明した事象について図や写真があるので、わかりやすく、
学生時代の社会科の図録のようなイメージの本。
「殺すことで神に奉仕する。異教徒の命を奪うことは殺人ではなく懲悪である。」神を言い訳に戦争、殺人を正当化しているように思うが、現代においても一神教、キリスト教のこの思考がある限り、戦争は無くならないように思えてしまう。
歴史上の有名人について、属している宗教宗派、社会的背景まで考えると、もっと理解が深まるのだなと感じた。
色やデザイン面で、その宗教の世界では当たり前の表現について学ことができた。
印象に残ったのは以下の部分。
樹木パターンが人の血脈に似ている。
人の脳は、原則的に二つの意識を持っていて脳梁でつなぐという二つで一つの意識。
宗教改革
ビジュアル化→カトリック
文字派→プロテスタント
差別に使われた色
黄色 裏切り者ユダが着ていた色→ユダヤ人を貶めるために使われるようになった
赤色 赤毛(差別対象)、いい赤と魔女の赤がある
プロテスタント 白黒
レンブラント プロテスタント(白黒基調)
ニュートン プロテスタント
ヘンリーフォード プロテスタント
カラヴァッジョ カトリック
コーヒー
イスラムではアルコール代用品
キリスト教 悪魔の飲み物
(たかだかコーヒーに大袈裟だな・・)
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宗教と芸術、ならよかったかも。デザインと題されているが、そういういみでは期待外れだったかな……。いやまぁデザインっちゃデザインだなという例もあるのだが、近代以降のデザインとは異なる気がした。この流れであればモンドリアンと神智学の話なども入れて欲しかった。