前作と違って話が繋がっていて楽しい
2024/09/25 02:49
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
海神の抜け殻から生まれ、領主が海神の娘と呼ばれる特別な娘を娶る島々で、隣り合うがゆえに戦をくり返す二つの島で起こる悲喜交々を描いた短編連作集。
前巻は同一世界観の独立した短編集だったが、今回はそれぞれが絡み合った連作形式だったので複数の視点が見られて面白かった。
戦を好む領主だとか、難癖ふっかけて戦に持ち込む手際だとかも悪辣だと思うが、善悪とは別の次元で生きて人間を弄ぶ海神が一番悪辣なんだよねぇ。
その人外ぶりが良いのだが。
海神の娘達の話もいいんだけど、海神と霊子の話もっと読みたいなぁ。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今度は、2つの島での物語です。海神の続き、というか、別人が主人公にはなりますが。そこで、海神の娘である累が男の子を生みます。その子は、「敵国・沙文の次の領主となる」との予言があり、ここでも一つ何か起こる予感…
あまり幸せな海神の娘がいない…
2024/06/16 06:59
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
海神の娘として嫁いだ先の領主が戦争で死んだり、婢であったという過去を嫌われて領主に大事にされなかったり、善良だけど凡庸な領主と一緒に民の争いに心を苦しめたり、あんまり海神の娘は幸せじゃないなぁという短編集でした。このシリーズはどこを目指しているんだろう?と思いながら読みました。とはいえ、続きがあれば気になるので、次巻が出たらまた買うと思います。
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『後宮の烏』と同じ世界線の別大陸の物語。 続編を待っていました。 争いの絶えない隣国、沙文と沙来を舞台に、そこで生きる領主や海神の娘の生き様が描かれる。若由と英の夫婦の話はもちろん最後を締めくくる素敵な物語だが、この夫婦に連なる両国の脈々と続いていた歴史と人の営みを思うと、その壮大さに心打たれる。理不尽な出来事を経験してもなお、人は前に進む。まさに強く儚い者たちの物語だった。
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買ってからずっと積んでたけど、やっと読めた。
1巻はあまり話同士の絡みがなかったけど、こちらは連作ものだった。
沙文と沙来の長年の確執と再興の物語。
しかし、海神・海若は一体何がしたかったのか。
あと、霊子の正体も気になる。
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今回は二つの島の物語。
一つは海神の戯れに滅ぼされ、もう一つの島は領主の一族が全滅。
そして、戦の絶えなかった島の人々が共に暮らすことに(~_~;)
そこへ嫁に送り込まれのも、領主として敵地で育てられるのも悲劇かと。
神は理不尽というのを見事に描かれているのは、凄いとは思うんですが、このシリーズ、不穏すぎる。
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今回は婢の娘・嬰が海神の娘に選ばれた。仕えていた家のお嬢様が目にかけてくれたのが裏目に出て、何で純粋で傲慢なのかと思っていましたが、海神の娘に選ばれた事によって立場が逆転。それでも、心は高貴なままのお嬢様に囚われていた嬰が哀れでした。
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己れの宿命か天命か。
決して綺麗事ではない。
生きていかねばならぬ世界での
幸せの在り方を問う物語ではないだろうか。
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シリーズ2作目。
明るい話ではない。辛さ苦しみ恨み怒りを扱いつつも一筋の光が訪れて救われる。人間は群れたり寄り添いつつも、一人である。特に立場が上であれば孤独だし孤高でなければならない場合が多い。海神は気まぐれで厳しく、でも娘を遣わす。
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今回は沙文と沙来の短編ですが全て話が繋がっていてどんどん引き込まれました。
海神に振り回される登場人物たちの苦悩や葛藤がドラマチックで生き生きとしていてとても胸が熱くなりました。
領主の居ない沙来がどうなるか気になるし、海神と霊子の過去も早く読みたい…!
続編希望!
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前作は、様々な国の様々な海神の娘たちの軌跡の物語だったけど、今作は、争う隣り合った二つの国を舞台に、海神の娘を含む人々の物語だった。海神も、前作では娘たちのその後を見守っているように思えたけど、今作では日本の昔の神々のように人知を超えたところで自分の思いだけで動き、それが人々のくらしや命を左右してしまう。そんな神と人の間に霊子様がいる感じ。
自分の肉親を殺した国の人と共存していけるのか。傷の深さ、恨みの深さから来る思いには、同じ国の人たちで濃淡があり、決して一枚岩ではなく、同じ国の中にも立場の違いや対立もある。それでも、そういう巡り合わせであったにしても、ともに生きる道をさぐろうとする人たちの思いに心打たれます。
地球上で、根深い対立からの戦火が絶えない今、読むからでしょうか。対岸の火事としている身であっても、勇ましい主戦論を聞くと、憎しみは新たな憎しみを呼ぶだけ、と叫びたくなる時があります。
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争い続けた沙来と沙文の2国は、神の怒りに触れ恐ろしい雷による神罰受けた過去がある。その後、両国間の婚姻を重ね平和を目指してきたが、お互いの不満が燻り再び戦が起こりそうになる。真面目な若い領主・由(ゆう)とその妻で海神の娘・英(えい)は懸命に民をなだめようとするが…。時に絶望しながらも最善を尽くそうとする姿が眩しく輝いて、幸福を祈らずにはいられない。
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海神の娘が領主の嫁となる世界。
神の采配と人々のあがき。
みんな一人一人、自分にしか乗り越えられない試練を抱えて生きている。
なのに、血脈の縛りにも抗えない。
生きるということの尊さ。
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「渦殃一曲」
滅びゆく笛の音は。
こうなると分かっていたからこそ聴こえたのか、それとも吹いてしまったから戦を産んだのか分からないな。
「黄金のうたかた」
親切心が仇になり。
思いやりの心を持って行ったことだったとしても、立場を理解出来ていないままするには幼過ぎたのだろう。
「海堂の花の下」
第一印象になった。
知られてはいけない事実ではあるが、有名になるのは簡単だろうから顔がバレていれば隠れきれないだろう。
「鈍色に輝く」
逃げ出した先には。
直接関係のない人であったとしても、相手が敵国の人間だというだけで追い返したりするのはやりすぎだろ。
「柳緑花紅」
民の暴走を止める。
力不足なのは確かではあるが、皆の意見を聞いて説き伏せる時間などないのだから仕方ないことでもあるな。