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今回も泣ける幽霊譚
2024/08/30 04:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大奥の亡霊騒ぎに関わる御幽筆として今回里沙が関わることになったのは、大奥で働く女中の中でも最下位の御末で幼馴染の二人。
毎晩うなされ、首に圧迫痕が残っているという不思議な現象を調べながら、同時に誰にも話していないもう一人の亡霊の死因を調査していく。
いつも頼りにしている亡霊の佐乃介に支えられ、亡霊である彼の成仏を願いながらも別れたくないという気持ちも抱いてしまう里沙。
ますます続きが気になる三巻目。
今巻もうるっとしてしまう良い話。
大奥らしい悪意の根も感じられるんだけど、メインに描かれているのが優しさだから、別れという寂しさがあっても救いを感じられるのかもしれない。
本編には関わってこなかった冒頭の話は佐乃介の失われた記憶に関係することなのかな?
佐乃介の記憶は少しずつ不穏さを孕んでいるので、続きが気になりつつ、読むのが怖い、という気持ちにもなる。
この知りたいけど怖い、という気持ちは、きっと里沙が抱く佐乃介に聞きたいけど聞けないに近いものなんだろうな。
主人公に共感しながら読めるのもこの作品が読みやすくて親しみやすい要因の一つだと思う。続きが楽しみ。
第3弾
2024/08/22 09:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大奥の秘密のお役目である「御幽筆」の里沙が、ボディーガードの亡霊・佐之介や親友のお松たちと共に、彷徨える霊の魂と生者の心残りを浄化する時代ファンタジー第3弾。
毎夜魘される女中の調査と、友好的ではあるが何も語ってくれない謎の多い亡霊と、前作からちらつく更に謎の多い黒い影と―――今まで以上に盛りだくさん。
大奥を舞台にした作品では珍しい「友情」がテーマの今作だが、「友情」を悪戯に強調するエピソードがあまりないのが印象的だった。特別な事も当たり前にやってのけてしまう優しい心の持ち主ばかりで、丁寧な日々の積み重ねが信頼と絆を構築していく、静かな強さを感じる描写が深く心に響いた。
「大奥」特有のドロドロした人間関係の駆け引きから、相手を想うあまりの自己犠牲まで、180度異なる感情のぶつかり合いが際立つ作品。
佐之介の記憶の回復と、怪しい影の今後の動きと、佐之介と里沙の関係性と、気になる点がありすぎて続きが待ち切れない。
佐之介とお松の新しい試みがまた見れるのか、凛々しいお松の勇姿にも期待。
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