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考えさせられます
2005/10/10 14:34
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:未来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を初めて読んだのは高校生の時でした。図書室で見つけて読んでみました。ハードカバーの方を読んだので、すごく厚くて期限までの読めるのか心配だったのを覚えています。しかし、そんな心配は無用で一気に読みきりました。そして、最近文庫版を見つけ買ってしまいました。
この本は、色々な事を考えさせられます。虐待・人種差別・偏見。現代の問題に直結しているものだと思います。小さい頃に母親から言われたひどい言葉。それはトラウマとなって心に刻み込まれます。子どもにとって母親の影響は強大です。私はこの本をお母さん方に読んでいただきたいです。そして、考えていただきたいです。そのトラウマを乗り越えるためには人から愛される事の大切さ、無条件に受け入れられる事が重要なのだという事を感じました。私の心に一生残る本との出会いでした。
自分を発見するということ
2004/04/25 15:45
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投稿者:KAZU - この投稿者のレビュー一覧を見る
たったいま、本書を読み終えた。そして、まだ僕のこころは本書の中にある。「読後の余韻の中」にあるというよりは、本書により自分自身が少しだけでも「変わった」と実感できる感触の中にいると言った方が適切な表現かもしれない。本を読むことが素晴らしいことであると実感させてくれた本書。それは、感動を通して読者である自分自身が変わっていくことを実感できるからかもしれない。
本書は、それまでの村山由佳さんの「恋愛小説」の域を随分と広げたテーマであり、トラウマからの脱出、自分自身を見つめなおすこと、また「恋愛」を超えた家族愛や民族、人類愛に通じる、チャレンジングなものである。しかし、村山フリークの僕は、その点には全く驚くことはなかった。村山さんの「恋愛小説」が心に染み入るのは、「恋愛」感情を超越したもっと大きな愛に関する登場人物の心理描写の素晴らしさのためであることを知っているからである。
悲しく、切なく、そして理不尽な物語であるのに、ここまで読後に読者に希望を抱かせる小説に、いままで僕は出会ったことがなかった。ほんとに良い小説だった。
さて、次はこの感動の余韻が少しおさまってから「すべての雲は銀の…」を読むこととしよう。
何度泣かされたことか…
2002/07/17 11:41
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投稿者:藍桐 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品はもうとにかく泣かされました。読み始めて数十ページで既に涙。更に数十ページでまた涙といった感じです。
どこかで誰かがこの著者の物語はいい人ばかりが出ているのが不自然だというようなことをおっしゃっていましたが、私はそうは感じませんでしたし、たとえそうだったとしても「小説」なのだから、別に本当に存在する嫌な人をわざわざ書かんでもいいでしょう。物語に感動したり、ちょっと勇気付けられたり、励まされたり、そういう影響を読者に与えられる「小説」であることの方が私には重要で、この作品はまさにそういった「小説」でした。
幼い頃に心に深い傷をつけられて育った主人公、彼女を助けようと親身になる周囲の人々、そしてめぐり合った虐待の経験を持つ少年。少年と共に何とか立ち尚路頭とする主人公を襲う悲劇。その悲劇を乗り越えたところに最後に見える光明はなんとも言えずすがすがしく、気持ちのいいものでした。
久々に読後、しばらく作品の世界から抜け出せずにボーっとしてしまう「小説」に出会ったような気がしました。
運命とは何だろう?
2002/06/23 19:23
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投稿者:MIYO - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本とは表紙が違います。こっちのほうが大人っぽくてお洒落かな…?
副題の「Cry for the moon」には、「かなわないことを願う」というような意味があります。
主人公は、アメリカ育ちで日本になじめなかった上、精神的に不安定になった母に育てられて、自分の心を他人に開ききれなくなった女性(美人)。 彼女は現在単独でアメリカに渡り何の支障もなく生活を送っていますが、恋人の男性は自分に対して心を開ききってくれない主人公に過去との決着を望みます。
ネイティブ・アメリカンの文化を綿密に取材したんだなあと感じる読み応えのある作品。
村山由佳さんの本の中では一番長いですが、その分重たくて、感動も大きい。