ポー短編集
著者 エドガー・アラン・ポー , 巽孝之/訳
詩人であり、批評家であり、推理小説の祖であり、SF、ホラー、ゴシック等々と広いジャンルに不滅の作品の数々を残したポー。だがその人生といえば、愛妻を病で失い、酒と麻薬に浸り、文学的評価も受けられず、極貧のまま、40歳で路上で生を終えた――。孤高の作家の昏い魂を写したかのようなゴシック色の強い作品を中心に、代表作中の代表作6編を新訳で収録。生誕200年記念。
大渦巻への落下・灯台―ポー短編集III SF&ファンタジー編―(新潮文庫)
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黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―(新潮文庫)
2020/05/09 13:57
ポー短編集 ゴシック編
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
エドガー・アラン・ポーの短編の中でも、「黒猫」や「ライジーア」「アッシャー家の崩壊」などを収録。中でも「赤い死の仮面」が面白かった。
黒猫・アッシャー家の崩壊
2022/04/04 17:57
作品の配列(順番)がなかなか見事
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
先月の「100分de名著」聴講予習のため一読したもの。『黒猫』なんて大昔に読んだ記憶がありましたが、すべてすっかり忘れていて唖然。以下、各篇ごとのコメントということで。
『黒猫』: 改めて読むと陳腐な作品。猫が入っているのに気づかないなんて、あり得ない。
『赤き死の仮面』『ライジーア』: 途中までの盛り上げ方(描写)は確かに筆力を感じたが、結末が「なんじゃこりゃ」という感じ。
『落とし穴と振り子』: 通俗的には、本書の中で一番面白かった。映画的というか、1842年初出として、その頃としてはかなりぶっ飛んだセンスだったのではなかろうか。(評者だったら、最後のあがきで「木のベッド」(105頁)をかすがいにして壁の接近をブロックしようとしただろうなと想像した。)
『ウィリアム・ウィルソン』: 悪くない。だが、個人的には、映画『世にも怪奇な物語』でルイ・マルの手になる「影を殺した男」の方が怖く、かつインパクトもあった。
『アッシャ家の崩壊』: こちらも非常に映像的というか、オリジナリティに満ちた恐怖譚。その後における文芸・映像作品の「原型」を創造したとも云えようか。最後の崩壊シーンなどは、安っぽい映像よりもずっとイメージが喚起される。
本書の作品収録順は初出年に従っていない。私見では、『黒猫』でまずは読者を引き込み、『赤き死の仮面』で「なんじゃこれ」と思わせ、その後は次第にボルテージを上げていくという構成が妙。感激度と翻訳の読みやすさ(語と語の関係性など、ところどころ日本語がおかしくないか・・・)の点では星4がせいぜいなのだが、じわじわくる後味の重厚さに加え、ここはやはりEAPに敬意を表して星5とする。
黒猫・アッシャー家の崩壊
2021/07/29 13:09
新訳、助かります
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:midnight-sun - この投稿者のレビュー一覧を見る
自身が中高生の頃に読んだときは新潮文庫の(今となっては)旧版の佐々木直次郎訳のものであった。現在は巽孝之訳に変わり、ゴシック編として1冊に集められている。ゴシックというキーワードは私のこどもたちにとっても興味をひくものであり、そこからポーの世界に接近してきます。共通の話題として盛り上がるにも、読みやすい新訳は大歓迎です。