ドライブインまほろば
著者 著者:遠田潤子
山深い秘境を走る旧道沿いにぽつんと佇む「ドライブインまほろば」。店主の比奈子が一人で切り盛りする寂れた食堂に、突然男の子が幼い妹を連れて現われた。憂と名乗る少年は「夏休みが終わるまでここに置いてください」と必死に懇願する。困惑する比奈子だが、事故で亡くした愛娘の記憶が甦り、逡巡しながらも二人を受け入れてしまう。その夜更け、比奈子は月明かりの下で激しく震え嗚咽する憂に気付いた。憂は、義父を殺し逃げてきたことを告白し――。「生きる意味」を問い、過酷な人生に光を灯す感動長編。
ドライブインまほろば
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ドライブインまほろば
2023/03/24 12:49
ドライブインまほろば
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
遠田作品は、どうしてこんなに切ないんだろう。皆、哀しみを背負って、過去から逃れられず、苦しんでいる。
小学生の憂が、「生まれてこなければ良かった」と言う。生きる意味がわからないから、とりあえず「目標」を作って、その為に生きる、と言う。そんな想いをさせるなんて、辛くて、哀しくて、たまらなくなった。
皆傷付きながら、それに向かい合う勇気を持って終わる。そのラストに、救われた。
ドライブインまほろば
2022/05/11 17:23
図書館で借り、即、購入。
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投稿者:ゆうあ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小6の男の子が義理の父親を殺して、妹を連れてきた場所は思いある土地。知り合った主人公は、実の母親を許せない気持ちの中、小さなドライブインを経営。幼い兄妹がどうしても気になり、衣食住共にするなかでお互いの傷に気付き、寄り添いあうようになっていく。男の子を追いかけてくる男。
それぞれの痛み、喪失、理由。やるせなくて辛くて悲しい。
誰もが大切な人がいる。大切に思えない人も。
血縁ありなし関係なく、命と向き合い、一緒に生きて欲しい、そう思えた本でした。
ラストが良かったです。
ドライブインまほろば
2022/03/08 21:26
様々な親と子
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
様々な親がいて、様々な子供がいて、親と子供の様々な関係が生まれる。そんな組み合わせの幾組かが、物語で描かれる。過酷な生き方を余儀なくされる人、生きる価値がないとあきらめる人が、立ち寄る場所が、ドライブインまほろばなのだと思う。人は救われることはある、しかしそれ以上に、生きようと前を向き、歩みを進める必要はある、その人には。