学者二人の対談風
2016/03/12 19:00
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投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の二人とも真面目で一所懸命なのだが、
本書は誰に向けて書かれたものなのか、よく分からなかった。
学者二人が、言いたいことを互いに言い合っているという感じ。
内容はそれなりに充実していると思われるし、特に著者の独りよがりの内容というわけでもないと思うが、
今の自分には刺さらなかった。
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<購入>
最近、「教室を出た後、学習者同士で会話に花咲く授業」を目指したいなあと思っていたが、どうしてそのような授業を目指したいと感じたのかを、この本を読んで改めて思い返すことができた。
「越境すること」は、アンラーニング(学びほぐし=持論を繰り返しつくり上げ、壊してはまたつくるための内省)をもたらすという指摘が印象的。
確かに、最近越境することで自分の中で学びほぐしが起きていることを実感。
---------- 印象的な部分 抜粋 ---------------
・持論は環境変化に応じて、繰り返しつくり上げられ、また壊される必要がある。
・新人との出会いは学習のチャンスである
・子どもの背が毎年伸びるのとは違って、大人がフルタイムで働くようになってからの成長は、本人の目には見えにくい。フィードバックを求めるか、今が節目だと思ったときにしっかり内省して経験の意味を探らないと、なかなか成長に気づけない。
・マインドセットを自ら変えたいと願う人が、変わるきっかけをつかむための「場」や「他者との関係」をつくることはできるだろう。
・彼ら彼女ら(新人)に必要なのは・・・ラーニングフル・ワーク(学びのきっかけに満ちた仕事)なのだ。
・「越境すること」はアンラーニング(学びほぐし)をもたら す。「自分の日常」とは「他人の驚き」であり、「他人の日常」は「自分 の驚き」である。・・・越境によるイノベーションの可能性が開けるのだ。
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企業における人材の成長、人材育成についての本。
連続的に変化していくべき環境下で、あらゆるマネージャー、マネージャー候補者が読むべき本だと思う。
「できあがっちゃった」ような人がマネージャーやってたら、その先がない。
仕事は常に振り返り(内省=リフレクション)、次の自分を更新し続けること!
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■概要
社内で対話(ダイアローグ)し、社外へ「越境」して成長する。
従来の人材育成を超えるアプローチ。
「マネジャーは大変だ」「マネジャーになんかなりたくない」そんな「上司拒否。」とでも呼ぶべき気分が、若手の間で広がっている。
たしかに、マネジャーは組織の中であらゆる難題を一身に背負わさられており、疲弊気味だ。
しかし、実はそんなマネジャーとその予備軍にこそ、「学び」と「成長」のチャンスが秘められている。
本書は、世代(50代、30代)と専門(経営学、教育学)の異なる気鋭の研究者の共同作業によって、あなたの仕事を「学びのきっかけに満ちた仕事」にするためのヒントを提供する。
経験をくぐり、対話をおこない、仕事を振り返るという内省(リフレクティブ)行為 によって、大人も成長し続けるのだ。
■仕事に活かせる点
営業していて、また、担当者と話しをしていて思うのは、人事、人材育成について、また、経営学についての理論や知識が必要だということです。特に詳しいお客様ならなおのこと。
こういった知識は意識的に勉強しなければ身につきませんが、このような本を読むと自分がいかにモノを知らないか痛感しますね。
もっと専門的な領域、理論的な領域を勉強しなければと感じます。
金井先生の本は、この本に限らず、理論が分かりやすく紹介されていたり、学術的な裏づけに基づくものが多いので、とても勉強になりますね。
この本の面白い所は、中原先生が教育学の観点から、また、一方の金井先生が経営学の観点から、互いに補完しあっているところで、本にもありましたが、実は、社会人の教育というテーマは、学問的には空白の領域で、教育学でも、経営学でもこれまであまり研究されてきていなかった、というのは興味深い点です。
そこを、二人の専門化が対話を通じて議論を深めている所に知的なスリルを感じました。
内省、対話、共感というのはこれからのキーワードになると思います。是非一読を。
(はっせー)
読み途中ですが乗っかってレビューを。
■仕事に活かせる点
お二人がおっしゃることはいちいちごもっとも。
その中で印象的だったことは・・・
・経験からの持論と理論を突き合わせる
若いうちは自分に当てはまる理論(セルフセオリー)が必要
(どんな有名な理論でも、自分にあてはまらなければ実践の役に立たない)
⇒リーダー、マネージャーになったら自分に当てはまる理論だけに寄りかかっていてはいけない
(部下に動いてもらうために、様々な理論に感受性を高める必要がある)
経験から作り出した持論を、抽象度の高い理論とうまく突き合わせ、自分なりの裏づけを取ることの重要さ
・「社会人」は英語に訳しにくい
⇒スタンス形成だの、マインドだの、
「社会人」になることにたいする日本的な意識を考えるヒントになるのでは?
(さわ)
--------------
■感想
私も読みました。
☆教育学者のパウロ・フレイレ
「���ぶとは取り戻すこと、再創造すること、書き直すこと」(305頁)
内省して自分を振り返りながら、この本を読んでみました。
漠然としていますが、日々の仕事に忙殺される中で、自分を取り戻せた気がします。
読んでいて思ったことは以下の通りです。
学校のように明確な時間割りもなく、自分で区切らない限り仕事はとめどなく流れてしまいます。
どんなスパンでも良いので、仕事を区切り、1つ1つの仕事で学んだこと、得たもの、発見した自分の強みなどを振り返り、それを積み重ねることが大事だと痛感しました。
今後も中原先生の本を猛烈に読み進めていこうと思います。
(のぐ)
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内省支援、業務支援、精神的支援。
持論と棄論。
人間(上司)の学習には他者とのかかわり合いが必要である。
問題には個人の力で乗り越えられるものと、そうでないものがある。往々にして、組織は「組織が組織として取り組まねばならない課題」を「個人が乗り越えなければならない課題」にすりかえがちである。組織で対処しなければならない問題は、組織が痛みをともなってでも変わることで乗り越えるべき課題であって、アポリアの解決を場当たり的に個人に求められても困る。78
成人の能力開発の七〇%は現場での経験による。20%が本や勉強、10%が研修
現場の経験」をしっかりとリフレクションする機会をもつこと、内省によって経験を知恵に結実させることだ
這い回る経験主義」
「持論は棄論でなくてはならない」
果たして人は修羅場だけからしか学べないのだろ
六〇〇〇メートルを超える山で気温マイナス二〇度の所を登っているときよりも、はるかに楽です」
人間を弱者と強者、成功者と失敗者とには分けない。学ぼうとする人としない人とに分ける」
CEOの仕事の八~九割は、人に関する問題
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【感想】
人材育成に関わるものとして、自分自身と行動を内省する為に参考になる内容だった。年に1回読み返し大本。
レバレッジメモ
* 大人になってフルタイムで仕事の世界に入ってからの成長、発達には、仕事の世界での経験のリフレクション、ダイアローグ、アクションにつながる持論の獲得(と言う意味での学習)が、鍵を握る
* 節目のリフレクションとは、来し方(これまでのアクションの足跡)を意味づけながら、これからの行き先、そしてそこへの自分らしい歩み方を構想するための内省だ。ここでいうリフレクションは、過去を意味づけ、将来を構想する、その中で、過去には通用したけれどもう成り立たない考え方ややり方は棄て、新たなやり方を考え抜くことでもある
* フィリップ・ジャクソン「教える側が、自分が教えたいと思う内容とは別に、無意識勝つ暗黙の内に学習者に伝達してしまう価値観、行動様式、知識などのことをヒドゥン・カリキュラムと言う。」
* ジョン・P・コッター「忙しいから大きな絵が描けないのではなく、絵が描けていないからひたすら振り回されて忙しく感じる。優れたGMほどアクションを通じてのアジェンダ構築が上手く、頭の中が整理されていて、より遠くを見ている。だからひとつひとつの指示や決定に迷いや誤りがなく、それらはちゃんとアジェンダによって決められている。」
* 好きでソロでやってきた人が、自分は誰かに育ててもらった、だからうまくやれるようになった、今度はそれを誰かに伝えたいと思い始めたら、その人は「人を育てること」に入門している
* 職場には「業務支援」「内省支援」「精神的支援」が存在する
* 「業務支援」業務に必要な知識やスキルを提供してもらったり、業務をスムーズに進められるよう取りはからってもらうこと
* 「内省支援」自分自身を振り返るきっかけを与えてもらうこと
* 「精神的支援」息抜きや心の安らぎを与えてもらうこと
* 経験の少ない人が仕事をうまくこなせない様子を見て、「ああ、自分も以前はこうだったな」と思い出したり、部下や後輩に仕事を教えながら、自分でもいつもは気づいていない仕事のプロセスを意識化する
* 「上手は下手の手本、下手は上手の手本なり」世阿弥「風姿花伝」
* 人々が持つ成長感には「業務能力の向上」「他部門理解の促進」「部門間調整力の向上」「視野の拡大」「自己理解の促進」「タフネスの向上」がある
* 成長感には「内省支援」が大きな影響を与えている
* アルバート・パンデューラ「自分は直接経験をしなくても、他人の行動や振る舞いを間接的に見ることで成立する学習を「観察学習」。それに伴って行動変容が起こることを」モデリング」と呼ぶ」
* 上司が部下に自分の経験を語る際には四つの点に留意すべきである
1. タイミングを考えること
2. 成功体験だけでなく、失敗体験も語ること、失敗体験の語りは業務能力向上に非常に重要である
3. プロセス(出来事の連鎖)をつまびらかにすること。5W1Hを明らかにして、その経験から自分が��を感じ、何を思ったのか、そこから導き出される教訓は何なのかを話すのが良い
4. 吟味や反論の可能性を認めること。そのエピソードが今に通じるものなのか、教訓に妥当性があるのかを、きちんと部下と話し合えることが重要
* 未熟な人から「なぜ、そういうやり方をするのですか?」と聞かれたとき、「とにかく俺にするとおりにやれ」と言って模倣を強要するベテランは単一ループ学習を押しつけている。二重ループ学習の大切さが分かっているベテランは、模倣を強いるのではなく、自分がやっている仕事の真の意味や、特定のやり方をしている理由を、自らも内省しながら教える。その過程において、今までのやり方で本当に正しいのかという深いレベルでの学習が生まれる
* 内省生じやすいとき
o 「語るべき他者」や「応答してくれる他者」がいるとき。自己のあり方や行動について「誰か」に説明しなければならないとき、人は、日常的には無意識かつ暗黙の内に行っている事柄をメタな視点で眺めることになる
o 内省が外化によって他者と共有されるとき。外化とは、自分が考えていることや感じていることを、何らかのものとしてアウトプットすること
* 人が変化するように迫られた時に感じる心理的な安心感を「心理的安全」という概念で表現する。企業が社員に経験を通じて変わってほしい、成長してほしいと望むのであれば、社員一人ひとりが高い心理的安全を感じながら「主観」を語れる場所が確保されていなくてはならない。研修を実施する意義は、そういう場所を確保することになるのかも知れない
* 企業人に「主観的」に語ってもらうために、経験は持論の宝庫であること、だからこそ、経験の言語化が乏しくてはいけない、ということを濃厚な前書きとして語り、受講者それぞれの「一皮むけた経験」からグループ討議での対話を経て持論作りを進めていく。ファシリテーターは受講者の持論を先人の持論と照らし合わせつつ、過度の一般化が進まないように話し合いをサポートする
* 育成実績のある人ほど「育てた」という言葉を使いたがらない。「自分が右腕を育てた」のではなく「自分の下ですばらしい若手が(どちらかというと勝手に)育った」と認識している
* 新人がプロダクトや工程の全体像を見渡せる仕事に最初に従事させ、なおかつ、新人がエラーしても、全体の活動をブレークダウンしてしまわないように仕事の配列をデザインする(リベリアの仕立屋)
* 「教育者」としてのマネージャーの役割は、自分ひとりで部下達に手取り足取り教え込もうとすることではなく、部下達の学びの順序を最適化し、メンバーが相互に先生役になれるような職場を作り、職場そのものを学習の場にすること(COP)
* バンデューラの「代理学習」には「要約ラベル」が付いていると学習が促進される。ただ「背中を見て盗め」というのではなく、盗むヒントを、言葉として言い放つ。その言葉こそが師、教える側の持論に他ならない
* マネージャは(コーチングによって)部下が育つ人間関係を職場にセッティングし、ナビゲートする役割が重要
* 経営理念は「成員統合機能」と「社会的適応機能」を果たす
* 「成員統合機能」
1. 組織の人々が行動するときの指針や、緊急時の問題解決の拠り所になる
2. 組織内の人々に一体感を醸成する
3. 組織的コミットメントを引き出す
* 「社会的適応機能」
1. 変化の時代にあって、企業自体が変革を進めていくときの拠り所
2. 急激な変化の中にあっても、組織のレゾンデートルを維持する機能
* 経営理念を浸透させるには、自分の仕事と会社の理念の関係を「自分で発見」しなければならない
1. あえて曖昧でどうとでも解釈可能な理念を従業員に提示する
2. その理念を解釈する機会を職場で持つ
3. 従業員同士が、自分自身の仕事の中に理念に関連する出来事があったかどうかについて対話する
o 三井物産では、トップが各職場を回って「よい仕事」という企業理念に関する関心を喚起し、さらに「よい仕事」に関するワークショップを職場で数限りなく開いた
* ID(インストラクション・デザイン)のプロセス ADDIE
o
+ A(Analysisi)
+ D(Design)
+ D(Development)
+ I(Implementation)
+ E(Evaluation)
o 効果的な人材施策を構築する上で一番重要なのは分析。学習者がどのような状態にあり、問題を解決するためには、どんな力を身につければいいのかと言った研修のニーズを明らかにし、ゴールを設定する。研修の善し悪しは8割方分析で決まる
* 社会人のキャリア構築には「ゆるいコミュニティ」のほうが効果的である。出入りも活動内容も自由なコミュニティでは、参加者は何故ここにいるのか、何を目指してここに来ているのかを考えなくてはならないから。何をしても良いコミュニティだからこそ、何をしたいのか、本当にそれをしたいのかが参加者自身に突きつけられる。そうした自問自答が内省を呼び起こし、その人が自分のキャリア、あるいは生きていく方向性を見定める機会となる
* 「真の対話」とは「違いを覆い隠すこと」ではなく「違いを楽しむこと」である
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読みにくい本でした。
というか、正直最後のほうは流し気味で読んでました。
多分、この本はもう少し社会にでて長い人が読んだほうが良いと思いますよ。私には、イマイチイメージができない内容ばかりでた。
ただ、内省する ことの重要性は理解しました。これは、今読みかけの「7つの習慣」にも似たようなことが書いてあります。私なりの解釈をすると、「ときどき立ち止まろうよ」ってことなきがするんですよね。研修で、レゴブロックを使って何かを表現したり、外で体を動かしたりするとか書いてありましたが、それって忘れてしまったことを思い出すためにやってると思うんですよ。つまり私が言いたいのは、「知ってるけど、分かってないことを無くす」ってことが大切だと思うんですよね。そのために、内省があるわけです。だって、知ってるんだから自分の心の中を覗いてみれば正解はあるんですよ。
この本は大切にしておいて、必ず読み返したいと思います。
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個人的には、この本は人事担当・企業内教育担当の必読の書である、というくらいの内容でした。お薦めです。中原淳と金井壽宏・・・年代も違えば、今は専門も違っている、そんな違いを活かしつつ、なかなか良いコラボレーション。まさにこういう違いを認め合った中での「協働」的なつながりの重要性が書かれている本だと思う。答えや正解はない(かも知れない)多くの企業内の問題を考える上で、正解を押し付ける(こういうところが物足りないと思う人も多いかもしれないが)ところがない内容は良かった。
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ちょうど32歳(あれ?もう32歳??)になる前後、読んでた本。
30歳を過ぎたあたりから、自分の生き方ってどうなのか気になりだした。
そんなときに、この本に出会ったわけ。
そう、内省。
行動、行動、考えるより行動といった考えに、
自分はどうにも適合できない。
行動も大事、考えることも大事。どっちが先という議論もあるし、
行動しながら考える、考えるために行動する、いろいろある。
本書のように、真正面から企業で働く人間にとっての考えることを取り上げて、わたしと同じ年代に共通する悩みを著者(これも同年代)が取り上げてくれていたり。
キャリア上の悩みに応えてくれただけでなく、内部監査上も人材育成面の監査視点や部下の育成のヒント満載で、非常に有益。
試験がひと段落したらもう一度読み返してみると、自分の成長が確かめられるかもしれない。
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教育学の中原さん、経営学の金井さんの共著。今の私の興味がすべて凝縮されていた。働く人が学び続けるために何が必要か、そう問う前に私自身が学び続けたいか、成長し続けたいか、そうリフレクトさせてくれた本だった。
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業務能力の向上、他部門理解の促進、部門間調整力の向上、死やの拡大、自己理解の促進、タフネスの向上
社会人は日本語にあって、英語にはない概念。
いくつになってもチャレンジできる。いくつになっても遅くない。
能率よく仕事を片付けるには、原則を覚えるのが手っ取り早い。しかし、より長期的な創造的適応力を維持するためには、原則を生成したり、改変したり、もしくは原則の範囲内でも即興的に考えることが必要となる。そのためには原則が拠って立つ意味をよく理解する必要がある。意味を探究して原則を自ら生み出すのがリフレクティブ。プラクショナーの真骨頂。
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マネジャーという仕事について理解が深まります。
と同時に、マネジャーとは何をする人なのかという問いに答えづらくなりました。
「仕事を通して学ぶ」ことの大切さを教えてくれる本です。
三宅
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マネージャーこそ学びと成長のチャンスがある、と説く共著の二人。
変化のスピードが増している現代においては、一昔前の「先輩が後輩に『俺のやり方を盗め』」という育成手法は通用せず、教える側・教えられる側が共に学ぶことが大切だと言っている。
著者の一人、中原淳氏は東大にて「社会人の学び」について研究している先生。自ら実践している人で、ユニークな視点を持っている。
金井先生も「キャリアデザイン」についての著書を多数持つ教授。
教育学と経営学という違う学問を研究している研究者がそれぞれの視点で「育成」について往復書簡のような形式で語っているのが面白い。
人材育成に携わっている人間としては気付きを得られる1冊。
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経営学と教育学の出会いともいえる本書は、ありそうでなかった類の本ではないか。
企業内人材育成、成人教育、生涯学習、研修といった周辺の活動を「働く大人の学び」と、すっとまとめきってしまったところに感動した。
(余談だがなんで教育学では学び、気づき、育み、といった訓読み単語のキーワードが多いのかなぁ)
人生の正午直前の今は何をすべきかが、ここのところの私のテーマだが、本書はその現況に非常に助けとなる表現が多かった。
紹介されているラーニングバー(pp.286)付近の校舎で毎週授業を受けている。
そこは普通の教室なのでBGMはないが、学生は大人ばかりなので、各人のリフレクティブ(内省・省察)のパワーがしっかり備わっている。
文字通り「日常の修羅場を抜け出し、成長する可能性を、越境することによる学習(pp.282)」という表現がぴったりだ。
授業内で課題の中間発表会があったが、発表者のプレゼンを聞いて、自らの報告内容を改善したり、煮詰まったレポートを再度推敲するきっかけを与えてくれる。まさに内省の機会だ。
大学はある意味で「言い訳プレイス」になる。同感だ。学びのサードプレイスをエンジョイしている。加えて、ごくたまには家族で大学に出かけ、博物館や施設を見学したり学内を散策したりしている。私だけでなく家族にとっても普段と少し違う場になるところがいい。
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・人は人との関わりによって学ぶ。
・社外や他部署との関わりが多くの学びをもたらす。
・教えられるのを待つのでなく、周りを注意して観察してみよ。
・つっこみを入れてくれる人に感謝せよ。そして自分がつっこみを入れる時は言い方に気をつけろ。
・教えるのでなく、教え教えられやすい場づくりに注力せよ。
・人と人との繋がりが強い企業は何かを変える際、根回し等が多く必要になりやすい。
・教育についてもっと学べば何か面白いものが見えてくるかもしれない。