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死体は語る みんなのレビュー

  • 上野正彦
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みんなのレビュー8件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (5件)
  • 星 4 (1件)
  • 星 3 (2件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
9 件中 1 件~ 9 件を表示
死体は語る 1

死体は語る 1

2009/02/08 18:48

死者への尊敬と愛情

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Y_Akio - この投稿者のレビュー一覧を見る

不自然死の死体を検案,行政解剖することを職務とする監察医の著書である。
一見病死や事故死に見えても,死体をよく調べてその声に耳を傾ければ,死体は色々なことを専門家の観察者に語ってくれる。「私は事故で死んだのではありません。青酸カリで殺されたんです。」といった具合に。
大変面白い。やはり「事実は小説より奇なり」だ。推理小説のファンにとっても面白いだろうし,また刑事訴訟,民事訴訟に関心のある人にとっても面白い。
1989年の著作であるので,内容が古くなっている点があるのはしかたがない。たとえば,父子関係の確定に,今は血液型鑑定でなくDNA鑑定が使われている。また,過労などが原因となって脳出血や心筋梗塞などで急病死したような場合,従来,労働基準監督署は,業務内容と発症の因果関係が不明確との理由で労働災害の認定をしなかった。しかし,監察医らのアピールの積み重ねや裁判所の判決の積み重ねにより,行政もついに労災の認定基準を緩和したのであった。
本書に一貫して流れているのは,著者の死者に対する尊敬と愛情の念である。死因を明らかにすることによって,死者の人権を守っているのである。
それにしても,このように重要な役割を果たしている監察医の制度が,財政の関係で,東京,横浜,名古屋,大阪,神戸の5大都市にしかないというのには,あきれ果てる。

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死体は語る 1

死体は語る 1

2017/01/09 09:53

監察医の視点

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kaya - この投稿者のレビュー一覧を見る

テレビで上野先生を知り、興味深いと思い購入した本です。
内容が内容だけにグロテスクな描写もあるのではと思いましたが、人間味あふれる温かな視点で書かれておりとても読みやすかったです。
(ひとえに上野先生のお人柄かしらと思いますが)
一人の人が亡くなるということ、故人の背景にある人生や思い……故人の声無き声を明らかにしてくれる上野先生の熱い思い。
胸を打たれて何度も泣きました。
知らない世界を知れる、貴重な本でした。

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死体は語る 1

死体は語る 1

2016/07/03 16:08

死体とは何か

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:卯月 - この投稿者のレビュー一覧を見る

初出はもう20年近く前のものなので、現在とは異なる点もあるが、とても興味深い内容。
物言わぬ死体が、どうして死に至ったかを 鋭い視線と暖かい眼差しで診察している。
死体を題材にした内容であるにもかかわらず、人間味溢れる著者の人柄が表れた文章で とても好感が持てた。

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死体は語る 2 上野博士の法医学ノート

死体は語る 2 上野博士の法医学ノート

2020/03/31 14:46

小説とノンフィクション

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:uruuduki - この投稿者のレビュー一覧を見る

ノンフィクションでも、おそらく一線を画す法医学の関連図書が、文庫本になるのかと驚いたものだ。それが、2巻目とは、それだけ一般書に近いということだろうか。
 初めて、上野先生の本に出合った時から思ったのは、死に際し人間に対して真摯だとということだ。その先生の人柄が文章に反映されているからだろうと考えながら、上野先生の本を、気が付けば何冊も読んでいた。
 もとはと言えば、推理小説やサスペンス小説の延長として、トリックを解くのに役立つのではといった考えから読み始めたのだから、ミイラ取りがミイラになった口だ。
 だが、冷静でありながら、温かみを感じさせる文章は、何冊読んでも野次馬根性で読むものではないなと考えさせられた。それとともに、死者の権利として、不審な亡くなり方をした人をもっとしっかり調べられる制度が、日本にも欲しいと考える機会をいただいた。

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死体は語る 2 上野博士の法医学ノート

死体は語る 2 上野博士の法医学ノート

2020/03/11 07:17

死体専属医師

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:JUN - この投稿者のレビュー一覧を見る

前作を読んで久しくなるが、
やはり上野先生のような人に
死後も診てもらいたい。
その一言に尽きる。

自分がどんな形で死ぬか分からないが
きちんとした法医学の人が見れば
結果など一目瞭然とのこと。
事実が闇に葬られずにいたいものだ

前作よりも
挿し絵や写真が多かったように思う。
より分かりやすくなったこの本を読んで
未来の法医学生が増えたらいいなと思う

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死体は語る 1

死体は語る 1

2021/05/09 23:46

まさに事実は小説より奇なり

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ばぁ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ベストセラーになったことがうなずける。
面白い・・。
犯罪心理学などに興味ある方なら惹かれる作品では。
知らなかった監察医のお仕事。
遺体からのメッセージを読み取る専門家の着眼点が目からウロコで面白い。
夏樹静子さんの解説で、ミステリー小説の源流ともなっていることも知る。

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死体は語る 1

死体は語る 1

2018/05/19 12:26

死人に口あり

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る

法医学の専門家である上野先生のこれまで担当した検体の経験を述べた書籍である。「死人に口なし」ということわざがあるが、本書を読めば、死体から得られる情報は意外にも多くあることがわかる。その情報は些細な異変や報告書との小さな食い違い程度であるが、その小さな情報が「殺人」か「事故」かを決める大きな判決へとつながる。法医学に興味のない方でも、本書から学べることは多いと思われる。

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死体は語る 1

死体は語る 1

2016/07/28 20:18

興味深い本

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る

真実は小説よりも奇なりいう言葉がありますが、作家の創作である作品でも大なり小なり現実の出来事にインスパイアされているだろうなと思わせる本でした。

私たちが生きている間にお世話になる医者(臨床医)が命を守ってくださるように、監察医は死者の生前の人権を擁護しているのだという著者の主張は、スーッとのみ込めるものものでした。

単行本として世に出てから30年近く増刷され続けているだけの理由が分かる、興味深い本でした。

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死体は語る 2 上野博士の法医学ノート

死体は語る 2 上野博士の法医学ノート

2021/07/28 19:31

死体は語る1よりも更に情報量多し

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ばぁ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「死体は語る1」が面白かったので本作を購入。
前作と一部内容が重複する部分があるものの、本作の方がより専門知識多めである。
正直内容の面白さでは前作の方が飛び抜けており、法医学について更に専門的に知りたい方に本作は有益であるように思う。

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