NHK 100分 de 名著 みんなのレビュー
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ロジェ・カイヨワ『戦争論』 内なる禍々しきもの
2019/08/31 13:38
定期的な再放送をすべき番組です
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投稿者:本村房 - この投稿者のレビュー一覧を見る
100分de名著は毎週見ておりますが、久々にテキストまで買ってじっくり番組を見ました。人間の欲望として戦争が避けられないならば、教育によって戦争を回避する努力を続けることが大事ならば、毎年8月に再放送するべき内容であると思いました。
NHK 100分 de 名著 マルクス・アウレリウス『自省録』2019年4月
2019/08/26 17:31
人の苦しみに東西関係なし
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投稿者:pochi - この投稿者のレビュー一覧を見る
アウレリウスは上に立つ者として決してカッコウつけているだけじゃない、
人間くさい悩みを持ちながらも哲学を自分の血として、自らを奮い立たせ、支える
武器とした。
ときどき、東洋の宗教者とカブルよね、と勉強不足の身ですが、感じた次第です。
わかりやすく説明されており、悩みぬいた末の人から受ける爽快さと相まって、
こちらまで少しだけクリアな気分をいただきました。
NHK 100分 de 名著 小松左京スペシャル2019年7月
2019/07/31 22:40
番組がもっと楽しめます
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投稿者:pira-chan - この投稿者のレビュー一覧を見る
4回の放送もすべて興味深く視聴しましたが、この本を一緒に読んでから録画を見直すと、さらによく番組の内容が理解できました。
オルテガ『大衆の反逆』 多数という「驕り」
2019/04/24 21:56
アーレント「全体主義の起源」と併せて
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投稿者:十楽水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アーレントと同じく「大衆」が登場し、批判的に分析します。リベラルが嘲笑されがちな今の日本にあって、多数決によっても覆せない価値を説くことは、我々が大衆だからこそ大切なことです。「敵とともに生きる」「反対者とともに統治する」「生きている死者の存在」「人は後ろ向きに未来に入っていく」「永遠の微調整」…覚えておきたい多くのキーワードに出合えました。
この民主主義と立憲主義の間の緊張関係、日本の場合「統治行為論」で民主主義を優先したという解説に納得。相反する両者の関係性があまり語られていない気がするのは、対立を根源まで掘り下げずにいたせいかもと推測しました。
急進主義的な変革と対峙したオルテガはもしかしたら孤独だったのでは、と思いました。自分と異なる価値観を持つ他者を排除せず、対話し共存する生き方を実践するのは大変かもしれませんが、この本を読むとリベラルの重要性がすとんと胸に落ちました。
西郷隆盛『南洲翁遺訓』 正義は時代を超える
2019/03/17 18:00
諸本を読む必要あり。
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本シリーズは字が大きいので、大変読みやすく、また丁寧な解説で理解しやすいのが特徴です。スピノザに続いて購入しました。
西郷隆盛は一体どんな人物だったのか?諸説あるので、もっと色々な本を読む必要があります。武闘派なのか謀略家なのか、それとも穏健な賢者なのか…。遺訓は本人が記述した書物ではないので何とも言えませんが、少なくともこの遺訓のメッセージは心に響きます。
ハンナ・アーレント『全体主義の起原』 不安が求める強い「しるべ」
2017/11/14 13:14
ただのテキストではなかった
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投稿者:じょんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハンナ・アーレントの言う「考えることで、人間は強くなる」の意味が、時代背景と共に解説されており、非常に読みやすかった。
また、個人的には、この低価格でこの内容を読める点が素晴らしいと感じた。
やはり、ハンナの本当の意図は、原文を読まなければ全ては解らないだろう(例え、日本語訳の「全体主義の起源」を読んでも、原文を読まなければ、ハンナの本当に伝えたいことは全ては解らないだろう)が、興味を持つきっかけの1冊として、読んでよかった本であった。
トルストイ『戦争と平和』 人はいかに生きるべきか
2016/06/05 20:59
「戦争と平和」の俯瞰図
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投稿者:徹徹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「戦争と平和」は大作です。読み始めから大人数が登場するので、人間関係の把握が難しい。この本はそんな大作の予備知識として、人間関係と大まかな話の展開を示してくれるのがいいと思います。もちろん、予備知識なしで挑むのがベストですが。
般若心経 「見えない力」を味方にする
2015/08/28 11:39
自分の解する般若心経の奥義に最も近い講釈
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投稿者:T.H. - この投稿者のレビュー一覧を見る
般若心経を諳んじようとしてせっせと読んでいたことがあったが、単に読むのよりはその奥義を解しつつの方が良いのはもちろんだ。この本に示された講釈は、自分のこうではないか?と想像する奥義に何となく近くて、親しみが持てる。
洪自誠『菜根譚』 逆境こそ、自分を鍛える時だ!
2015/03/18 08:40
すっと心に入ってくる
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投稿者:ポンポン - この投稿者のレビュー一覧を見る
明快簡潔で味わい深い。非常に不思議な感覚の本と著者は書いておられます。
まさしくその通り、シンプルで読みやすいのにとても奥深い内容です。
言葉によって精神的な救いを施す。金品はいつか尽きてしまうけれど、すぐれた言葉は永遠に残る。
この本を何度も何度も読み返して、精神的な力を付けていきたいと思いました。
NHK 100分 de 名著 トルストイ『戦争と平和』 2013年6月
2013/06/24 14:59
戦争と平和
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投稿者:桃太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本来の人間の良き性を見た!
新約聖書福音書 言葉の奥にあるコトバ
2024/09/04 18:03
聖書が親しみやすくなりました
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投稿者:シュウハオ - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビ番組とテキストを合わせてみることで、堅い、難しいというイメージがあった聖書が親しみやすくなりました。有名なエピソードは何を伝えようとしていたのかを丁寧に解き明かしてくれています。番組とテキストで内容が異なる部分があるので両方見る方がより理解しやすいです。
トーマス・マン『魔の山』 世界文学の「最高峰」に挑む
2024/06/11 23:51
『魔の山』登攀のための得難い一冊
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を読んで、ひとつの読み方としての同書の深い含意を、その執筆経緯や変遷(例えば56~57頁を参照)と併せて、実によく理解できました。間違いなく良書かと。(それにしても、50~51頁に引用されている生命の定義は、福岡ハカセのいう「動的平衡」そのものではないか。)
「この療養所は、表向きは豪奢な空間でありながら、そこに病と死が蔓延する「魔の山」です。十九世紀末から第一次世界大戦前のヨーロッパ社会の行き詰まりを表しています。」(23頁)
「ハンス・カストルプがドイツを代表することが、その名前に表れています。」(55頁)
「ヨーアヒムの死は、生への奉仕を実践しなかった主人公の身代わりと読めるでしょう。」(89頁。だからこそ、カストルプはヨーアヒムの心霊像を見て、「すまない」(新潮文庫版の下巻715頁)と詫び、覚醒して下山し、戦地へと赴いたのであろう。)
「主人公は愛国心にかられて「魔の山」を下りたのではなく、かつてのツァラトゥストラやイエス・キリストのように、「愛と未来の新しい言葉」を求め始めて「魔の山」を下りたのです。」(98頁。そして、この点は69頁や80頁の引用部分と呼応しているということであろう。)
本書のみを読んでも『魔の山』の理解はできそうですが、評者としては一度呻吟しながらも同書を読み終えていたので、その経験の分、本書の内容も心に沁みるものがあり、大変腑に落ちました。ありがたやありがたや。
フロイト『夢判断』 自分とは何者なのか
2024/04/23 02:08
すべて理解できたわけではないが、取り組み甲斐のあった内容でした
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
大平健編訳の『新編 夢判断』を並行して読みつつ、本書で勉強させてもらいました。昨日の番組最終回の時点では第5章の途中でしたが、実によい知的鍛錬となりました。大変よいテキストと番組をありがとうございました。
「授乳の経験を通して、子どもの身体には、単に「空腹が満たされる」という満足を超えた「唇や口腔の快楽」が派生し、その結果として口唇領域の性愛化が生じます。端的に言えば、唇が性感帯になるということです。この性愛化は、口元の表情や声の抑揚、さらには咳払いに至るまで、おおよそ口唇領域が行う人間的表現-感情表現やコミュニケーション-を可能にしていきます。何かをおいしいと思って食べることや、その食感を楽しむようになることも、口唇領域の性愛化の効果と言ってよいでしょう。」(69頁)
「自我が成長していけば、快の再現を至上命題とする一次過程は、社会生活によって課せられる諸制約にぶつかり、禁止されたり、自ずから断念されたりします。そのときに一次過程を停止させる働きをするのが、願望=「快の再現の追求」を無意識へと追いやる抑圧なのです。」(91頁)
「「夢」から出発して、自分の願望に辿り着く方法を教えるのが、フロイトの『夢判断』なのです。」(109頁)
さてさて、原テキストに引き続き取り組んで、ぜひ読了せねば!
ハイデガー『存在と時間』 二十世紀最大の哲学書
2024/04/13 12:36
ハイデガー入門
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投稿者:あんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハイデガーの略歴からはじまり、『存在と時間』に出てくる概念を具体例を交えながらやさしく解説してくれている。
forユース 言葉は背中を押してくれる
2024/03/29 01:18
第4回(文月悠光さん担当)は、評者的にはけっこう神回でした。
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
評者のイチ推しは、レビュータイトルの通り。同郷の文月悠光さん(本買ってますよ!)をゲスト・スピーカーとして、石垣りんの作品が心に染み入るとともに、「詩を書く」ことの意味ないし効用について、なるほどと感じ入りました。(番組も繰り返し視聴しました。)今後は、茨木のり子さんも取り上げてほしいなと。