レイローズさんのレビュー一覧
投稿者:レイローズ
不埒なマリアージュ 略奪の王子と祝福の姫君
2014/05/20 04:01
全体はコメディ調、でも決める所では決めます。
10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
作者さんにしては王道系ですが、やはりヒーローの王子様は、美形・有能・剣の腕も立つ・ちょっと(かなり?)変わっているけど優しいetcなのですが、ものすごーく残念な王子様なのです。
大部分がコメディでシリアス部分も軽快なテンポはすらすらと読むことが出来ました。さすがは多作の人気作家さんですね。
美しく何事にも優れたその名が外国にも届いている異母姉姫。それに自分は何をやってもダメ、と思い込んでいるヒロイン。その上初恋の王子が姉と婚約したことで落ち込んだヒロインは一人湖で歌の練習をしていた。
その時突然現れたのが件のヒーロー・王子様。出会いから頓珍漢な上奴隷契約に間違えそうな、とんでもないプロポーズを受けて生国を後にすることとなった。最後に生国への想いを込めた「歌」を披露して。聞き苦しく拙いと、他人には決して聞かせないように姉がさんざん忠告してくれた「歌」を---。
不器用を通り越してしまい変になった、他人に解り難い優しさ・真面目さなどを持ったヒーローを段々と理解していくうちに自然とヒーローに魅かれていくヒロインの心情が自然に描かれていると思います。
この手のレーベルの話の筋書きや落ちは、最初からほとんど解ってるようなものですが、予想通りの結末にやはりスッとしますね。
2014/04/11 02:42
双子王子に甘く激しく愛されて
10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
双子王子の兄・皇太子と婚約中のヒロイン。婚約者は節度を保ったスキンシップしかしてこない。そのことにヒロインは安堵と少しの不満を感じていた。何故なら婚約者には別の女性との恋の噂が流れていたからだった。
弟王子が留学先から帰国したことで、仲の良かった三人の関係が変化することとなる。弟王子はヒロインが兄王子の婚約者であることを知りながら、双子ゆえ兄と瓜二つな姿を使ってヒロインを騙してみだらな行為を仕掛け、二人はとうとう一線を越えてしまうのだった――婚約者同士ではないと二人とも分かっていながら。
二人の秘密の関係を何故か婚約者が知っており、いきなり激しく求められてしまうこととなる。ヒロインは、まるで弟王子に抱かれている時の様に感じてしまい激しく動揺してしまう。
ヒロインが愛しているのははたして兄王子?弟王子?
そして、双子王子の思惑とは?
エロ描写が比較的綺麗で読みやすかったです。ストーリーとエロの配分もちょうど良いと思いました。
他作品にはストーリーに関係ないエロシーンが多々見受けられるのですが、この作品ではきちんと話に絡んでいてとても良いと思いました。
ボールルームへようこそ 1 (講談社コミックス)
2014/05/14 02:52
ダンスホールのことをボールルームと言います
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
少年漫画によくあるストーリーです。
これと言ったモノが何も無い、どちらかと言えばいじめられっ子の平凡な少年が、あるスポーツに出会いその秘めた才能を開花させていく----。
で、この作品の面白い所は、主人公が出会ったスポーツが競技ダンスだったという所なのです。
「競技ダンス」を知らない人は、『女の子と手をつないで身体を密着させる、ちょっといやらしくてチャラチャラしたモノ』と思うかもしれませんが、それは大変な思い違いです!百聞は一見に如かず。主人公の血のにじむ様な努力をする姿は読者の心まで熱くします。そして、その努力が報われるて結果が出た時の爽快感で、グイグイと読者を物語の中に引っ張り込みます。
主人公のこれからの成長が楽しみです!!
なお、競技ダンスを知らなくても十分楽しめますが、知識がある方がより楽しめます。(どのスポーツ漫画にでも言えることですね)
2014/04/18 01:08
お約束の大団円は良いモノです^^
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
王と親が内々に決めた婚約者(王子)に一方的に婚約破棄され理不尽な立場・状況に追い込まれたヒロインは、誹謗中傷から逃れるため、一時王都を離れ叔母の元に身を寄せることとなる。その土地では運命の出会いが待っていた。
ヒロインの悲哀・悲嘆に素直に共感できます。
そんな状況でも真っ直ぐに顔を上げ、虚勢ではあるけど毅然とした態度を崩さないヒロインが、健気で一緒に泣きたくなったり、頑張ってと励ましたくなったりーーー。
ヒロインの強さ優しさ賢さそして素直さ、彼女を構成する要素の全てが彼女の努力の上にあるからこそヒロインは人として魅力的であり、そしてこちらも人として魅力的な男性に出会い、愛されることができたのでしょう。
王都に帰ったヒロインに王家主催のパーティーの招待が。王に婚約解消の理由を説明いただければ全ての名誉を回復することが!
でもヒロインには名誉の回復より気にかかることがあった。彼の地で巡り合い将来を誓った彼からの連絡来ない事だった。
彼はいったい今何処にーーー。
償いの調べ
2014/05/23 08:04
お話の「造作」が上手い、と
9人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ヒロインが喪服のまま担ぎ込まれたのは修道院だった。彼女は両親と姉、家族全ての葬儀の場から逃げ出してきたのだった。
彼女が逃げ出して来たのは悲しみからだけではない。愛する人がフィアンセにと望んだ姉が死んだことを喜ぶ醜い心から逃げ出したつもりでいた。
修道女になって一生祈りを捧げて生きるつもりでいたヒロインを俗世へと引きずり戻したのは、姉の婚約者そして自分の初恋で今なお愛しいヒーローその人だった。
彼は、彼女に「君は私に償わなければならない。・・・嫌とは言わせない。私は君のせいで婚約者を失ったのだから。」そう言って、強引に身体を繋げたのだった---。
ヒロインが初めに見ていたストーリーと、しだいに明らかになっていく真実との違い。ネタバレになるので書きませんが、そこがとても面白いです。
Hシーンもお話にきちんと絡んでいて無駄なエロが無いと思いました。また、礼拝堂という神聖な場所で無理矢理なのに身体は喜んでしまうといシーンは印象的で象徴的な場面でした。
ヒーローの腹黒粘着もヒロインへの愛ゆえなのです。
2014/06/12 16:23
三巻で物語が急加速、って感じ
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
第3巻の事件は外交の絡んだちょっと派手目なお話です。
読み出したらノンストップの面白さ。読み終わった時にはおぉと感嘆の言葉しかありませんでした。
レティツィアの従姉姫が近隣国の第三王子に嫁ぐため結婚式外交へ出発します。が、そこには父王と確執のある国境将軍の異名を持つ騎士クレイグが、父王からの歩み寄りの結果レティツィア姫が女王に相応しいか内緒の試験管役として同行することになります。このクレイグはレティの次の十二人の円卓の騎士候補でもあり、レティにとっては願っても無いチャンスでした。
外交と言っても結婚式でニコニコしているだけなんて言っていたのに、ことはすんなり運びません。花嫁が結婚相手じゃない恋人と駆け落ちしてしまったからです。
外交問題を抱えているノーザルツ公の不審な態度と行動から彼が事件の黒幕と思われたが----。
未来の女王としてヒロイン・レティシアがどうこの問題を解決するのか。3巻を読んでドキドキハラハラして下さい。
2014/05/20 05:02
真実さえ「歪む」愛
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「監禁」が先で姉視点、「虜囚」が後で弟視点です。
それぞれ単独でも楽しめますが、両方順番に読んだ方がより楽しめると思います。
双子の姉弟の、ドロドロの恋愛物語です。
読み手を選ぶ作品だと思います。
「監禁」の裏事情とも言うべき、弟が主人公です。
(男性が主人公って珍しいですよね?ソーニャ文庫さんやるねっ!と、勝手に期待していたんですがその後他のレーベルと大差無い作品ばかりですけどね)
弟バージョンを読むと姉バージョンでの真実が二転三転!
ますますハッピーエンドかバッドエンドかは、読んだ人しだいで変わります。
貴方が読んだストーリーは、・・・さあどちらでしょう?
2014/04/18 04:27
そのヒロイン、肉食系?w
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「いきなりラプンツエル」が姉サイドのお話で、そちらの方が先に刊行されているので、順番としては「いきなり~」から読んだ方が良いのかと思います。(私は「さらわれ~」から読んでしっまたのですが、その方が話の流れがよく分かって良かったと思いました。)
また、2冊とも読まなくてもメインストーリーに支障はないようにできています、のでどちらか1冊だけでも十分楽しめますが、2冊とも読んだ方がより一層楽しめます。
こんなヒロインは乙女系レーベルでただ一人!
ヒロインは片想いしているヒーロー様への愛が暴走し、とうとう彼を押し倒し、両手を拘束したうえことに及んでしまう!!処女なのにw気が弱くておとなしいお嬢さんなのにw愛の力恐るべしww
新☆再生縁 1 明王朝宮廷物語 (PRINCESS COMICS)
2014/03/19 15:17
こういうのを待っていた
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
中国の古い物語が原作ですが、原作を知らない方がより楽しく読めます(多分w)。
宮城のどこかに捕らわれている医師の父を助け出すため、男装をして科挙に1位で合格し宮城に入り込むことに成功したヒロインだが権謀術数渦巻く宮廷で苦労を強いられることとなる。
そんな中で一条の光明は、男装をする前図らずも不思議な出会いをした皇太子が人柄の優れた人物だったことだった。
宮中の権力争いに否応なしに巻き込まれていき、父を無事助け出すことが出来るのか?不正を働き政を私物化している権力者達を排除して、後ろ盾のない皇太子を帝にすることが出来るのか?そして仄かに胸中に育つ皇太子への想いはどうなるのか?
男装してても宮中では貞操の危機がいっぱい!一生懸命頑張るヒロインはきっととっても応援したくなるでしょう。
2014/06/13 18:10
元呪いの黒い手は愛玩動物に
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ヒロイン・レティーシアが迎えたのは、東大陸の大国からやって来た皇女シェラン。目的は押しかけ王妃、そして姿を消した黒龍を探し出すこと。でもシェラン姫の正体は実は----。
黒龍探しをレティとレオンの姉弟も協力するが、シェランの従者に裏切られ誘拐事件が起こってしまう。
誘拐未遂の王女レティは厳重な警護で身動きが取れず、本当に誘拐されてしまったレオンはそのことを秘密裏に奪還しなければならない。
未来の女王レティーツィアは無事弟を取り返せるのか?黒龍の行方は?そして垣間見えるレティの過去とは----。
この5巻で、読者のなんとなく、レティーツィア本人も王になるのが当たり前だと思っていた、という勘違いが訂正されることとなります。 だたの「王女」でしかなかった彼女が、悲しみと恐れの中「王」となる決意を持つ姿は胸を打つものが有ります。
そして最後まで読んで、レティのナイトオブラウンドの4人目の騎士にそう来たか、と驚かされること間違いありません。
87 CLOCKERS 1 (YOUNG JUMP COMICS X)
2014/06/10 23:19
マシンスペックの重要性
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
前作の「のだめカンタービレ」から更にオタクよりにシフトしています。そこが面白い所なのですが、PC系オタクでない一般の読者が何処までついていけるかが味噌だと思います。
音大生の奏君は世界一速い人MIKEとそのアシスタントで美人のハナと知り合い、そのPC性能の速さを競う競技(?)に、ハナさん目当てにのめり込んでいくこととなる。
一巻は素人だった奏君が説明を受け色々部品をそろえOC(オーバークロック)を始めると言う所なので、「OC?なにそれ??」な人は、奏君と一緒にOCを始めれば臨場感たっぷりにこの作品も楽しめる事間違いなしです。
精霊王の契約者 ~騎士と乙女の恋愛狂想曲~(イラスト簡略版)
2014/05/27 05:53
金の亡者だけど清らかです
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
音楽で精霊と契約し加護を得ることが出来る世界。
ヒロイン・カルラは両親の事も覚えていないほど幼い頃捨てられ、人買いに見世物小屋に売り飛ばされ、その見世物小屋で芸(バイオリン演奏)で生きてきた。
一人で強がって生きて来たカルラの前に精霊王が現れ勝手に契約を結んでしまう。
ただ、彼女の演奏に足りない「愛」を探すのが急務ではあったのだが---。
どんなに貧しくても、清く・正しく・たくましく、生きて来た主人公カルラに共感と共に尊敬の念すら感じました。
そして、自分に足りない「愛」を探す真摯な気持ちには脱帽です。
何を勘違いしているのか他の候補者だった者達が、カルラに様々な嫌がらせをしてきます。この、嫌がらせする気持ちの方が良く理解出来ちゃうところは、読んでる自分は聖人君子でも何でも無いんだなぁとがっかりします。ですが、聖人君子じゃないからこそ金の亡者だけど清らかな主人公を素直に応援出来るのだと思います。
2014/05/27 04:20
誰かが誰かに恋してル
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
作者葵木あんねさんの作品は、どれも面白く素敵な素晴らしい作品ばかりで「ハズレ」が無いと思います。
この作品も、可笑しい所・悲しい所・面白い所・そしてじんと感動してしまう所、盛りだくさんです。
そんな素敵な数々のシーンを読み漏らすなどもったいないことをしないように、じっくり読書を楽しんで下さい。
三人の幼馴染は仲良く育った。
マーツェル王グィードのひとり娘、ヒロイン・ロザレーナは見た目はウサギ!小柄で可愛らしい。しかし気性は気が強く自由気まま。でも、恋をしちゃう乙女な所はちゃんとある。ハインツへの想いは一方的なモノだけど・・・。気性が荒い雪獅子ユファエンも乗りこなし、大の男でも苦労する斧槍(ハルバード)を軽々と扱うバカ力の持ち主。
幼馴染の一人ラディガーは、ロフィベルデ大公国の公子で優秀な軍人で弓の名手。ロザレーナとは出会いから最悪でいつも意地悪な口をきいているけど、実はロザレーナの事を心底愛している。しかし、ロザレーナの為に色んな事を一人で抱え込んでいるためロザレーナには嫌われている。
もう一人の幼馴染従弟の優しいハインツ。王族という立場上ロザレーナとの婚約を一度は受け入れるが、ロザレーナの未亡人の叔母への愛を捨てられず、愛する人と添い遂げる事の出来る方法を模索し命を落とす。
ラディガーは、直系の男子がいない祖父・皇帝アルフォンス五世に後継者として指名され、シュザリア帝国皇太子となった。
そしてまだハインツの死に、ロザレーナが泣き暮らしていたところに、ラディガーとの結婚話が持ち上がる。
ロザレーナはハインツの死に疑惑を持ったままラディガーの婚約者となることが決定する。
二人は帝国皇太子の座を争っていた?だからラディガーはハインツを見殺しにした?ハインツは無茶をした?無茶をしたのは何故?
皆、唯愛故----。
2014/05/20 04:49
かなりの「歪み」です
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「監禁」が先で姉視点、「虜囚」が後で弟視点です。
それぞれ単独でも楽しめますが、両方順番に読んだ方がより楽しめると思います。
双子の姉弟の、ドロドロの恋愛物語です。
読み手を選ぶ作品だと思います。
ハッピーエンドか、バッドエンドかは読んだ人しだいで変わります。
貴方が読んだストーリーは、・・・さあどちらでしょう?
超人ロック刻の子供達 1 (MFコミックス)
2014/05/10 03:08
ご長寿作品、安定した実力
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
随分昔に絶滅してしまった「パンダ」の類似品をめぐる、ちょっとコミカルなお話です。
重い話(ロックが消滅させられそうになったり、ロックの愛する人が拷問されたり、等々)も良いのですが、こういうゆるいお話も、ロックの魅力だと思います。
作中でロックが、パンダの漢字表記の間違いを訂正するシーンに、ロックの生きて来た年月(超人ロックという作品が描かれ続けてきた年月)をふと感じ、地球が舞台だった頃の作品も含めて全巻読み返したくなりました。