先日,ネット検索していたときに,総務省のアマチュアバンドプランの表を見つけました。
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それをみると,呼出周波数は書かれているのに,JARLのバンドプランには書かれているデジタル呼出周波数は書かれていません。
例えば,430MHz帯でいえば,呼出周波数とは,433.000MHzのこと,デジタル呼出周波数とは,433.300MHzのことを言います。

これってどうしてだろうかと思い調べてみました。
すると,呼出周波数には,法令上の根拠がありました。
「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区分」という総務省告示です。
この告示の備考8に次の規定があります。
「この表の規定にかかわらず,次に掲げる周波数は,F2A電波又はF3E電波により連絡設定を行う場合に限り使用することができる。
51MHz,145MHz,433MHz,1,295MHz,2,427MHz,5,760MHz,10.24GHz」

この規定により,430MHz帯でいえば,433.00MHzは,連絡設定のを行う場合に限り使用が認められるわけで,これを呼出周波数と通称していることになります。

これに対し,デジタル呼出周波数は,上記総務省告示には根拠が見つけられませんでした。
更に検索してみると,JARLが出している「令和5年9月25日告示施行に伴う「JARLアマチュアバンドプラン」改正の概要について」という文書があり,これに次のように書かれていました。
「50MHz帯,144MHz帯,430MHz帯の各周波数の図に併記している,「デジタル音声呼出周波数・非常通信周波数」は,この周波数の使用を推奨しているもので,使用区別に規定された区分ではありません。」

ということで,デジタル呼出周波数は,法令上の根拠はなく,JARLが推奨しているものに過ぎないということです。
そのため,総務省のアマチュアバンドプランには書かれていないのでしょう。

ところで・・・
上記総務省告示の備考8によると,呼出周波数の使用は,「F2A電波又はF3E電波により」という限定がかかっています。
そうなると,F2A電波,つまり,FMモードに,低周波トーンで,トン・ツーのモールスを送受信する電波での連絡設定をすることは法令上問題ないことになります。
要は,トン・ツーでも,FM電波に乗っているのだからということでしょうか。
ただ,私は呼出周波数でF2A電波を聞いたことはありませんが。

他方,D-STARの電波型式は,F7Wなので,F7Wによる連絡設定に呼出周波数を使ってはならないということになります。
この点については,CQ出版社の「D-STAR通信がすぐにわかる本」の22ページの図1-11「D-STARが運用できる各バンドの周波数区分」中に「注意!下記の周波数(呼出周波数)は使用できない」旨明記されています。

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