haname 今回は長い舌ペロペロと人を舐める、妖怪舐め女ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

と、言っても、この妖怪詳細も実はよく分からなかったりします。


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狂歌百鬼夜興
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舐め女02舐め女01
『狂歌百鬼夜興《きょうかひゃっきやきょう》』[天保元(1830)年刊、菊廻屋真恵美《きくのやまえみ》編、青洋《せいよう》画、虎岳《こがく》画]
大阪公立大学中百舌鳥図書館所蔵(CC BY)国書データベース
※カラーの画像は、こちらでご覧になれます。国書データベース
※以下、赤字の書入れは筆者。


【原文】

舐《な》め女

 化かしたる 客を送りて 後ろから 長き舌出す 舐め女かな  墨縄《すみなわ》


【現代語訳】

舐《な》め女

 騙して良い気にさせたが帰る後ろ姿を見送りながら、舐め女は「アッカンベー」と長い舌を出すのです。 by 墨縄《すみなわ》


haname【解説】

 舐め女を、騙しメロメロにする遊女に例えた狂歌です。
舐め」には、物理的に舐める行為ではなく、「舐め腐る[バカにする]「骨の髄まで舐め尽くす[金を搾り取る]意味が込められていると思われます。

 このページの挿絵は、謡曲『葵の上』を踏まえていると思われます。
『葵の上』一節に、
「不思議やな、誰とも見えぬ上臈《じやうらふ》[六条御息所]の、破《や》れ車に召されたるに、青女房[官女]と思しき人牛もなき車轅《ながえ》に取りつき、さめざめと泣き給ふ痛はしさよ」
 とあるので、ここでは舐め女官女姿で描かれ、破れ車を引いています。


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狂歌百鬼夜狂
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『狂歌百鬼夜狂《きょうかひゃっきやきょう》』[天明五(1785)年刊、平秩東作《へづつとうさく》編]狂歌百鬼夜狂 / へつゝ東作 [編]


【原文】

   舐《な》め女  真顔《まかほ》

 大方の 恐ろしなどハ 甘口に 消え返らする 舐め女かな


【現代語訳】

   舐《な》め女  by 鹿津部真顔《しかつべのまがお》

 大抵の恐ろしいことは、舐め女舐められた時恐ろしさに比べたら、どうってことないよ!


haname【解説】

『狂歌百鬼夜興』同様に、色仕掛け言葉巧み男性翻弄《ほんろう》する女性恐ろしさを例えた狂歌だと思われます。

 どちらの狂歌舐め女例えているので、舐め女どんな妖怪なのかはよく分かりません


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狂歌百物語
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舌長娘
『狂歌百物語《きょうかひゃくものがたり》』[嘉永六(1853)年刊、天明老人尽語楼《てんめいろうじんじんごろう》編、竜斎正澄《りゅうさいまさずみ》画]
※富山大学附属図書館ヘルン文庫所蔵 富山大学学術情報リポジトリ


haname 【解説】

『狂歌百物語』舐め女登場しませんが、類似妖怪「舌長娘」が描かれています。

 ベロン長い舌油を舐めるのでしょうか。


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絵本小夜時雨
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Shungyosai Name-onna.jpg
※Wikipediaより
『絵本小夜時雨』[享和元(1801)年刊、速水春暁斎作]



【原文】

   阿州《あしう》の奇女

 阿波《あは》の国に然《さ》る豪家《がうか》の娘《むすめ》、器量《きりやう》諸人《しよにん》に勝《すぐ》れしが、如何成《いかな》る因果《いんぐわ》にや、唯《たゞ》、男《おとこ》を舐《ねぶ》るの癖《くせ》有《あ》りと、言ゝ囃《はや》しけるが、或《あ》る若者《わかもの》、彼《かれ》が容色《ようしよく》ニ愛でゝ媒人《なかだち》を頼ミ、彼《か》の家《いへ》に入家《にうか》し、既《すで》に閨房《ねや》に入りけるが、娘《むすめ》は軈《やが》て聟《むこ》を捕《と》らへ、面《おも》てより足先《あしさき》まで悉《こと/゛\》く舐《ねぶ》りけるに、その舌《した》ざら/゛\と猫《ねこ》の舌《した》の如《ごと》くにして、堪《こら》へ難《がた》く、早《はや》/゛\逃《に》げ帰《かへ》りぬ。

 夫《そ》れより此《こ》の女《おんな》を猫娘《ねこむすめ》と異名《いみゃう》せしとなり。



【現代語訳】

   阿波国《あわのくに》[徳島県]のヘンな女性

 阿波国ある金持ちの家の娘は、顔立ちよりも良かったのですが、どういう前世の報《むく》いがあったのか、「ひたすら男を舐める癖がある」と、しきりにされていました。

 しかし、ある若者が、この娘美貌にイチコロになり、仲人を頼んで、この婿入りしました。

 早速、寝室に入ったのですが、はすぐに婿を捕まえて、から足先まで残らず舐め尽くしたのでした。

 そのザラザラ猫の舌のようで、婿耐えることができず、すぐに逃げ帰ったのでした。

 それから、この女性は、猫娘呼ばれるようになったということです。



haname【解説】


 おまけで『絵本小夜時雨』収録のお話を。
 舐め女を調べていると、必ずこの話が出てきます。
 確かに人を舐める女性ですが、「舐め女」と言う名称は使われおらず、「猫娘」と呼ばれています、ゲゲゲのゲ。(昔、「なめ猫」って流行りましたよね)
 というか、妖怪ではなく、単なる特殊性癖の持ち主ですね。
 いや、この時代の妖怪の定義は、今よりもずっと広範囲だったのかもしれません。


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三つ目アイコン 舐め男だよ三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"


haname 知ってる、知ってる、風呂の垢《あか》とかを舐める妖怪だよね北見
ヾ(๑╹◡╹)ノ"


妖怪画本・狂歌百物語
京極 夏彦
国書刊行会
2008-08-01









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