「ウクライナに鳴り響く空襲警報のサイレンは、あのピカドンの恐怖そのもの」。9日、長崎市の平和祈念式典で被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げた宮田隆さん(82)=長崎県雲仙市=は、ロシアの侵攻を受けるウクライナとあの日の長崎を重ねて訴えた。
当時5歳だった宮田さんは、爆心地の南東約2・4キロの長崎市立山の自宅でビー玉で遊んでいた時に被爆した。爆風で玄関口まで飛ばされ、気がついた時は、自分を抱く母の胸の鼓動が聞こえた。
夜、爆心地方面から山を越えて逃れてきた看護師は焼けただれ、左目が飛び出し、髪が逆立っていた。「水をください」。母が水を飲ませようとしたらパタッと倒れて絶命した。爆心地に救援に向かった父は黒焦げになった叔父と叔母を見つけ、5年後に白血病で亡くなった。
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