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ヤクルト、10球団目のスクール 「できた!」がつなぐ野球の未来

練習で跳び上がって喜ぶ「スワローズアカデミー」1、2年生コースの子どもたち=東京都渋谷区で2022年8月24日午後4時14分、中村有花撮影
練習で跳び上がって喜ぶ「スワローズアカデミー」1、2年生コースの子どもたち=東京都渋谷区で2022年8月24日午後4時14分、中村有花撮影

 プロ野球・ヤクルトが今年、幼児や小学生を対象とした野球スクール「スワローズアカデミー」を設立した。2006年に発足した巨人の「ジャイアンツアカデミー」を皮切りに、プロ野球10球団目の試みだ。それぞれの地域にも少年野球チームなどがある中で、プロ球団が通年制のスクールを展開する理由を考えた。

 8月下旬、ヤクルトの渋谷スクールでは雨上がりの午後3時すぎから1、2年生コースを実施した。「こんにちは」と元気にあいさつをしながら子どもたちがグラウンドに入ってきた。

 アカデミーでは「チーム」として試合で「勝負」をするのではなく、「野球の楽しさ」を知ってもらうことが目的だ。野球経験は問わない。普段は地域のチームでプレーする選手もいれば、ここだけで練習する子どももいる。年齢に合わせた四つのコースで開校時は抽選となり、現在もほぼ満員状態だ。

 1時間で「投げる」「打つ」「守る」を段階的に取り組む。1、2年生コースが目指すのは「簡単なルールや基本技術の習得」。走者を置いた守備の練習では、コーチから「フライが上がったらどうするの?」と走者への問いかけがあったり、ゴロをうまく取って一塁へ投げた選手には「セカンド、さすが!」と声がかかったりする。コーチがトスしたボールを打つゲーム形式の練習では、「ホームラン! やった」と両手を上げてはしゃぐ子、ヤクルトの村上宗隆選手(22)がホームランを打ったあとに味方を指さすポーズをまねする子と、笑顔が絶えない。

 ヘッドコーチを務めるのは、ヤクルトの外野手として15年間プレーした度会博文さん(50)。社会人野球で活躍する2人の息子の父親で「このぐらいからやっていたら、うまくなるなあ」などと息子が小さかった頃を思い出しながら指導に当たることもあるという。

 ENEOSに所属する次男の隆輝さん(19)は7月の都市対抗野球大会で9年ぶりの優勝に貢献し、橋戸賞(最優秀選手賞)を受賞。はつらつとしたプレーと笑顔でチームを盛り上げた。「スクールの子どもたちにも、そうやって楽しく野球をやってもらいたい」と度会さんは言う。

 アカデミーは今年4月、東京都港区、渋谷区、中央区を拠点にスタートした。野球の競技人口が減少する中、…

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