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フィギュアスケートを楽しむ「Fun!フィギュア」。銀盤で輝きを放つスケーターが描く魅力あふれる世界を伝えます

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羽生結弦さんが3161日前に語っていた「原点」

新プログラム「いつか終わる夢」を演技する羽生結弦さん=フラット八戸で2022年12月5日、貝塚太一撮影
新プログラム「いつか終わる夢」を演技する羽生結弦さん=フラット八戸で2022年12月5日、貝塚太一撮影

 2014年ソチ冬季オリンピックで、羽生結弦さん(27)がフィギュアスケート日本男子初の金メダルを射止めて8年。7月にプロ転向し、5日に青森県八戸市のフラット八戸で単独アイスショー「プロローグ」の千秋楽を迎えた。ソチ五輪でフィギュア担当だった記者(私)が当時の取材メモを読み返すと、競技者時代にプロローグの「原点」があった。

「僕は幸いにも、なくしたものはありません」

 5日の演目は、SEIMEI▽CHANGE▽Otonal(オトナル)▽シング・シング・シング▽悲愴(ひそう)▽ロミオ+ジュリエット▽いつか終わる夢▽春よ、来い▽パリの散歩道▽ロシアより愛を込めて――の10曲だった。

 ソチ五輪を担当したこともあって、12年世界選手権(フランス・ニース)で銅メダルを手にしたフリーのロミオ+ジュリエットと、ソチ五輪で金メダルに輝いたショートプログラム(SP)のパリの散歩道は感慨深かった。

 ロミオ+ジュリエットでは、雄たけびを上げるような表情で踏むステップを再び見て胸が熱くなった。当時は体力不足で失敗することも少なくなかった最後の3回転サルコウが無事に決まると、あれから10年もたつのになぜだかホッとした。もう審判員はいない。それでもパリの散歩道は、世界歴代最高得点を更新するような錯覚を覚えた。

 そんな中でも最も鮮烈な印象を残したのは中盤の演出だった。…

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