広島と長崎で二重被爆した山口彊(つとむ)さん(2010年に93歳で死去)のひ孫で長崎南山高2年の原田晋之介さん(17)=長崎市=が、被爆4世の「語り部」として小中学校で山口さんの体験を語っている。山口さんは原田さんが3歳の時に亡くなったため、山口さんについての記憶はほとんどない。それでも人類が決して忘れてはならない曽祖父の体験をたどり、「残酷な事実から目を背けず、人類が犯した戦争という過ちを学んでほしい」と呼び掛ける。
「これが曽祖父の被爆者健康手帳です」。7月3日、長崎市立深堀中の平和学習の講師に招かれた原田さんは、曽祖父の山口さんの被爆者手帳の写真を示した。そこには被爆した場所として「長崎市水の浦町」に加え、「広島市江波町」の計2カ所が記され、全校生徒約90人が食い入るように見つめた。その後、原田さんは山口さんの被爆体験を描いた紙芝居を演じた。
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