豊かな将来性と独特なキャラクターに大物感が漂う。24日のプロ野球ドラフト会議で、高校生で上位候補として注目を集めるのが報徳学園(兵庫)の最速151キロ右腕・今朝丸(けさまる)裕喜投手(3年)だ。角度のある力強い直球が最大の魅力だが、常に自然体を貫ける「ハート」に迫った。
器用さ兼ね備えた本格派
188センチの長身で左足を高く上げ、マウンド上で「ピン」と真っすぐに立つ投球フォームは美しい。本人のイメージはこうだ。
「一本足で立ち、横に長く体重移動する」。ボールに力が伝わった常時145キロ前後の直球は数字以上にキレがあり、制球もいい。落差のあるフォークを中心とした変化球も多彩で、器用さを兼ね備えた本格派右腕だ。
春のセンバツ大会は、2、3年生の時に2年連続で準優勝に貢献するなど大舞台を経験し、高校日本代表ではエース格を担った。実力、実績共に「世代ナンバーワン投手」との呼び声も高い。一方で、体重は80キロとまだまだ線は細く、伸びしろを感じさせる。本人も「プロに入って1年目はしっかり体作りをして、2、3年目に1軍で投げられる選手になりたい」と、冷静にプロ入り後のビジョンを描く。
自他共に認める「天然キャラ」でもある。「いつも、ふわふわしている」というのは高校の仲間の評。大角健二監督は「不思議ちゃん」と表現する。本人は「何も考えていないタイプ」と自己分析し、「あまり考えずに投げた方が良い球がいくんです」と笑い飛ばす。マウンド上では表情を変えずに淡々と投げ続ける姿が印象的だった。
ただ、このマイペースな性格が良くも悪くも投球に影響を与えてきた。…
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