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「生きているうちに花園で…」 泣き虫先生の願い 高校ラグビー

花園出場を決め、試合後に感極まりながら喜び合う京都工学院の大島淳史監督(左)と恩師の山口良治さん=たけびしスタジアム京都で2024年11月10日、長宗拓弥撮影
花園出場を決め、試合後に感極まりながら喜び合う京都工学院の大島淳史監督(左)と恩師の山口良治さん=たけびしスタジアム京都で2024年11月10日、長宗拓弥撮影

 伝統の赤と黒のジャージーが再び花園の地で暴れる日を誰よりも待ち望んできた人がいる。27日に開幕する第104回全国高校ラグビー大会で、今大会最長ブランクとなる9大会ぶりに出場する京都工学院。旧校名の伏見工は優勝4回を誇り、ドラマ「スクール・ウォーズ」のモデルとなった学校だ。荒れた生徒をラグビーを通じて更生させながら名門校へと育上げた「泣き虫先生」こと元監督の山口良治さん(81)は、新校名で初めて花園に挑むチームに何を思い、願うのか。

「長かったねぇ」

 冬らしい寒さになってきた12月。大会まで1カ月を切り、山口さんは時折感極まるような喜びに満ちていた。

 「9年ぶりですよ。長かったねぇ。もう、私が生きているうちに、花園でチームの姿は見られないかもわからんと思っていましたからね」

 山口さんは今も京都工学院の総監督としてチームに籍があるが、指導の第一線からは距離を置いている。過去に脳梗塞(こうそく)を患った影響でつえが手放せない。「病気をしてね、息を吸うのもつらい時があったからね」。近年は体調が許す限り、教え子が率いるチームの試合観戦を楽しみに過ごしてきた。

 11月10日の京都府予選決勝。京都工学院は一進一退の攻防の末に10―8でライバルの京都成章を破り、9大会ぶり21回目の花園切符をつかんだ。当然、山口さんもスタンドから見守った。

 「うれしかったね。接戦は覚悟してましたが、本当に最後まで心配で……」。涙を流して喜んだ一方、相手チームのある選手が気ががりだったという。

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