アメリカの義務教育のしくみ 〜日本との違いから注意点まで解説!〜

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駐在員や留学など、アメリカの現地校に子どもを通わせる機会がある方もいるでしょう。アメリカの義務教育について以下のような疑問がある方もいるかもしれません。

「アメリカの義務教育は何歳までなの?」

「アメリカの学校に子どもを通わせる際の注意点は何だろう?」

「アメリカの子どもたちはどのような教育を受けて育つのだろう?」

今回は、アメリカの義務教育の仕組みや日本との教育制度の違いについて徹底解説します。アメリカの義務教育の対象年齢やアメリカの学校の種類、日本との違いや注意点も合わせて紹介します。

アメリカの現地校に子どもを通わせる機会がある方はぜひ、参考にしてみてください。

アメリカの義務教育はいつまで?

アメリカの義務教育は一般的に6歳から18歳までの期間です。日本での義務教育とは、初等教育・中等教育・高等教育のことを指します。

アメリカの義務教育の期間は州によって異なり、就学開始年齢が6歳の州もあれば、7歳とする州もあります。

アメリカの多くの州では、小学校5年間・中学校3年間・高校4年間のことが多いです。州によって年齢が異なりますが、日本とアメリカの学年は以下のような違いがあります。

日本

年齢

アメリカ

幼稚園・保育園(年少)

~4才

Pre-School

年中

5才

Kindergarten

年長

6才

1st grade

小学1年生

7才

2nd grade

2年生

8才

3rd grade

3年生

9才

4th grade

4年生

10才

5th grade

5年生

11才

6th grade (中学1年生)

6年生

12才

7th grade(2年生)

中学1年生

13才

8th grade(3年生)

中学2年生

14才

9th grade(高校1年生)

Freshman

中学3年生

15才

10th grade(2年生)

Sophomore

高校1年生

16才

11th grade(3年生)

Junior

2年生

17才

12th grade(4年生)

Senior

3年生

18才

-

アメリカと日本の義務教育の通い始めの年齢や学年に違いがあります。留学などで子どもがアメリカの学校に通う際には学年と子どもの年齢に注意が必要です。

アメリカの学校の種類

アメリカの学校の種類について解説します。

Pre-School プリスクール

プリスクールは義務教育前の子どもが通う保育施設のことです。

2歳~5歳の子どもが通うことが一般的で、キンダーガーテンの前に通うことが多いです。

義務教育ではなく、民間の団体により運営されており、無料で運営していることもあれば有料のこともあります。

プリスクールの入園はオムツが取れていることが条件とされていることも多いので注意が必要です。

Kindergarten キンダーガーテン

キンダーガーテンは日本では「幼稚園」と訳されることが多いです。対象となる年齢は、その年の9月2日〜12月2日の間に満5歳になっている子どもです。

子どもたちは運動・音楽・工作・計算・本読みなどのカリキュラムを先生と一緒に行います。小学校の入学準備のため、学習の基礎や集団生活に慣れたり、友だちを作る練習をします。

平日の午前中だけ(半日)通うことが多いですが、全日を選ぶこともできるのは日本の幼稚園との違いでしょう。小学校に併設されていることが多く、勉強をするためではなく、小学校に通う練習としての意味を持ちます。

Elementary School エレメンタリースクール

アメリカのエレメンタリースクールは、日本でいう小学校を指します。日本の小学校は1~6年のことが多いですが、アメリカは5年間のことが多いです。

授業内容は日本と同様に、算数・理科・英語・体育・音楽・ダンス・図工・外国語などの科目を学習します。

アメリカでは、日本のようにすべての児童が学校に通うのではなく、ホームスクールをする家庭もあります。

成績優秀な子どもへの飛び級制度ギフテッド教育なども小学校のうちから行われるのも特徴の一つです。

Middle School ミドルスクール

ミドルスクールは日本の中学校を指し、10才〜13才の子どもが通います。中学校の時間割は、日本の大学のように各自が時間割を持っています。自分の授業スケジュールに合わせて生徒が教室を移動するスタイルです。

必須科目の英語・数学・理科・歴史・体育の他に、音楽・美術・家庭科など生徒が選択できる科目もあります。中学校に通う期間も州によって異なり、2年間・3年間・4年間の場合があります。

High School ハイスクール

ハイスクールは日本の高校を指します。だいたいの学生は自分の住む地域の学区内にある学校に通います。

良い大学に進学することを目的として私立高校に通う学生もいますが、学費が一年で約25,000~50,000ドルと高額です。

高校は必須科目と選択科目で卒業に必要な単位数を満たす必要があり、日本の大学とほぼ同じシステムです。

高校の授業ではさまざまな科目が選べ、演劇・ヨガ・環境学・コンピューター・メディア学などがあります。

学生が多い学校ではランチ時間が分かれていることがあり、各自が決められた時間にカフェテリアなどで食事をします。

高校までの通学路はスクールバスや親に送り迎えしてもらうことが多いです。

アメリカでは基本的に16歳から免許を取れるので、一部の生徒は高校に車で通うこともあります。

日本との大きな違い

アメリカと日本の学校制度や学校生活の大きな違いは以下の通りです。

日本

義務教育の違い

アメリカ

・生徒が先生の授業内容をノートにまとめることが多い

授業方法

・グループワークやプレゼンテーションなど自分の意見を発表することが多い

・学年ごとにホームルームがあり、生徒はホームルームで授業を受け、給食を食べる


・担任の先生が生徒をまとめる


・授業ごとに先生が教室を回る

教室

・生徒が授業ごとに先生のいる教室に向かう


・担任の先生やホームルームはないことが多い

・授業内容を理解できているか確認する内容


・長期休暇にはたくさんの宿題がある

宿題

・日常的な宿題が多く、プロジェクト作成や引用文献の提出をするものもある


・長期休暇は宿題がない

・幼稚園、私立の小・中・高校は受験がある


・公立高校でも入学試験がある

入学試験

・公立の小・中・高校では入学試験はない

・その日の献立によって異なる給食が提供される


・給食費を支払う


・高校生は学食やお弁当を食べる

給食

・日によって変わるがピザ・ハンバーガーが基本


・小学生の頃から学食かお弁当を選べる


・学食を食べるときだけお金を払う

・児童手当などはあるが、授業料や教科書代にお金がかかる

学費

・高校生まで学費は無料


・教科書は学校からの貸出で無料

・遠足・運動会・発表会・修学旅行など行事がたくさんある


・基本的には全員参加

行事

・運動会などの各クラス対抗行事はない


・参加したい人だけが参加する

・中・高校では、一人一つの部活に所属し、3年間続ける

部活動

・季節ごとに異なる部活動に参加できる

日本では教育上のカリキュラムに沿って必須科目が決められており、担当教員がクラスを取りまとめることが多いです。

一方で、アメリカでは参加型の授業内容が多く、必須科目に加えて自分の興味・能力に合わせて選択できる科目が多いです。

また、担当教員やホームルームがないのも日本との大きな違いです。日本とアメリカの義務教育にはさまざまな違いがあるので、現地校に通う機会のある方は参考にしてみてください。

アメリカの義務教育期間に子どもを通わせる際の注意点

アメリカの小・中・高校に子どもが通う機会があるという方は以下のことに注意しましょう。

不登校は法律上、禁止されている

アメリカでは、不登校に対する対応が厳しく、義務教育期間中に学校に通わないことは違法です。

不登校児への対応として日本では教師や親が子どもに学校に行くよう説得することが基本でしょう。

アメリカでは、心理カウンセラーが介入し、親や不登校児とカウンセリングを行う対策が取られます。

不登校で学校に通わないのは親のネグレクトと判断されることもあります。子どもの意志であっても、長期化すると警察や司法が介入することもあるので注意しましょう。

学校や地域によってカリキュラムが異なる

アメリカでは、州によって義務教育のカリキュラムや教科書の選定が異なります。州政府が中心になって教科書を選ぶ州もあれば、学校関係者にすべて任せている州もあります。

日本のように全国的に共通のカリキュラムで教育する体制ではなく、州ごとに異なる体制を取っていることが多いです。

州ごとに学習カリキュラムが異なるので、子どもを通わせる際には州ごとのカリキュラム内容を確認するようにしましょう。

義務教育でも留年がある

アメリカの義務教育では、勉強が苦手・同じ学年の勉強についていけない生徒には補修授業や留年制度が設けられています。

勉強ができる生徒に対する飛び級制度がある一方で、勉強が苦手な生徒にはその子に合ったレベルの授業が受けられるよう配慮されます。

留年の理由のほとんどは親の希望によるものです。

留年する生徒は全体の約1%ですが、それぞれの学力に応じた授業が受けられるようサポートがあります。

アメリカの学校に子どもを通わせる際には、子どもの学力や理解度に合った授業内容やサポートが受けられることを知っておくと安心です。

まとめ

アメリカと日本の義務教育には、対象となる年齢・学年に違いがありました。

また、学園祭や体育祭などの行事は少なく、部活動は季節ごとに好きなものを選択できるなど学校生活にも違いがありました。

アメリカでは日本よりも参加型の授業内容が多く、学生が自由に選択できる科目が多いことも特徴です。

アメリカの義務教育では、日本にはない飛び級制度や不登校に対する厳しい法律があるので子どもが通う際には注意が必要です。

アメリカ留学など現地校に子どもを通わせる機会がある方は、今回解説した内容をぜひ、参考にしてみてください。

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