“東大卒の予想家”が「東京大賞典」を徹底解説。フォーエバーヤングに次ぐ「激推し穴馬」とは
ドウデュースの出走取消で一転、混戦ムードとなった先週末の有馬記念。終わってみれば5番人気レガレイラと10番人気シャフリヤールがワンツーを決め、馬連と三連複の配当はともに2万円を超える高配当となった。
その有馬記念を逃げて3着に粘り込んだダノンデサイルを本命に指名したのは新鋭予想家の鈴木ユウヤ氏だ。東京大学在学中に東大ホースメンクラブで予想の腕を磨いた鈴木氏は、本命馬に対して「向正面追い風と他馬のプレッシャーもあり、ペースアップが早すぎた」とのジャッジ。それでも3着に残したのは実力の証しだろう。
有馬記念は不発に終わったが、鈴木氏のJRA・G1における今年の回収率は引き続き135%と高水準を誇っている。年末企画の第2弾として、29日(日)に大井競馬場で開催される東京大賞典の見解を同氏に聞いた。
(取材・構成=中川大河、取材日=12月25日)
——有馬記念は3歳牝馬のレガレイラと6歳のシャフリヤールがハナ差の大接戦。レガレイラは穴候補の1頭として名前を挙げてはいましたが……。
鈴木:レガレイラの戸崎圭太騎手、シャフリヤールのC.デムーロ騎手ともにナイス騎乗でした。当日の馬場が外有利になった点も大きかったですね。
——シャフリヤールは内枠なら怖い1頭だと思っていましたが、16番枠を引いた時点で評価を下げてしまいました……。それにしてもレガレイラがあの位置で競馬をするとは。
鈴木:想定外でしたね。ただダノンデサイルも3着で格好を付けましたし、今年の3歳世代のレベルがそれなりに高いことを証明したと思います。
——そして今週末は土曜日にホープフルSも行われますが、見解を伺いたいのは日曜日の東京大賞典です。このレースにも強い3歳馬が出てきますね。
鈴木:はい、フォーエバーヤングはダート路線で世界でも5本の指に入る逸材だと思っています。今春のケンタッキーダービーは陣営が回避を考えるほど状態が良くなったようですが、僅差の3着に好走しました。前走のブリーダーズCはやや離されましたが、それでも3着を確保。国内ではもちろんまだ負けていませんし、古馬が相手でも勝利には最も近い存在といえます。
——不安要素はほぼないと。
鈴木:海外遠征の疲れが若干気になりますが、春も海外を転戦して結果を出しています。ほぼ死角はないのでは。
——ちなみに今年はJRA勢7頭に対して地方勢は3頭のみの出走となりました。
鈴木:レースが行われる大井競馬場は中央と比べても遜色ない大箱で、紛れがほぼなく実力が反映されやすいコース。東京大賞典の傾向を見ても、勝負になる馬は上位人気数頭に限られています。今年の地方馬もほぼノーチャンスでしょう。
——JRA勢による実質“7頭立て”とみて良さそうですね。フォーエバーヤングに対抗するのはこのレース3連覇を目指すウシュバテソーロでしょうか。
鈴木:7歳の今年は4戦未勝利ですが、レベルの高かったサウジC、ドバイWCを含め2着が3回あります。多少の衰えはあっても、まだまだ国内ではトップ格です。
——ただ前走のブリーダーズCクラシックは10着に大敗しました。
鈴木:前走は小回りのデルマー競馬場が合いませんでした。ペースも速すぎて、道中で脚が溜まらない流れになってしまいました。参考外といってもいいでしょう。川田将雅騎手から菅原明良騎手への手替わりを不安視する向きもありますが、菅原明騎手は差し追い込み馬に乗せたら一流です。ウシュバテソーロとも手が合うと思いますよ。そういう意味で展開が向けばやはり怖い1頭ですね。
——昨年の2着が同じオーナーのウィルソンテソーロでした。この馬もなかなか勝ち切れないイメージがあります。
鈴木:個人的にはウシュバテソーロの方が能力はまだ上という見解です。ただウィルソンテソーロは距離も場所も不問で、自在性も兼備した馬。立ち回り次第で先着があっても驚けません。
——そうなるとフォーエバーヤング、ウシュバテソーロ、ウィルソンテソーロという序列ですね。
鈴木:いえ、実はフォーエバーヤングに次ぐ2番手に推したい馬が他にいます。
有馬記念「◎」のダノンデサイルは惜しくも3着
今年も実質“7頭立て”!?
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競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。
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