古いビルをリノベーションした感じの秋葉原・十邑会館(2023年8月末撮影)
「世話になったから関係が断てずズルズルと付き合っている……」と話すのは、中国の秘密警察とされる人間から定期的に接触を受ける日本人男性だ。
日本人である彼が、どんな経緯で中国の秘密警察とされる組織と接点を持つようになったのかは、後に紹介する。
明らかになる中国秘密警察の日本拠点
2024年2月21日、警視庁公安部は、中国人の女2人を書類送検した。容疑は、新型コロナウイルス給付金の不正受給だった(参照:
産経新聞)。
しかし、この2人の中国人女性は、東京・秋葉原で活動していたとされる中国の秘密警察の関係者だとみられている。
しかも、うち1人は、自民党参議院議員の「中国人美女秘書」とされた人物であることから、今後、政界へ飛び火する可能性もあるのだ(参照:
デイリー新潮)。
「日本は、スパイ疑惑では容易に逮捕できないので、別件で拘束・取り調べで、『秘密警察』なる組織の実態解明の入口にする狙いがある」と警視庁関係者は明かす。
中国・秘密警察と疑われる日本福州十邑社団連合総会は鎖の先の5階にあったとされる(空室)
そもそも、この中国の秘密警察なる組織は何をしているのか。
2023年5月、警視庁が秋葉原の拠点とされる十邑会館を捜索したことで、中国が世界中に非公式で設置しているとされた闇の組織の存在が浮かび上がってきた。
一般的に、秘密警察とは、その国や地域に長短期滞在する中国人を対象に、反中国共産党・反政府活動などを監視することが主な活動だと考えられる。
他にも日本では、日本在住の中国人向けに運転免許の更新支援などを行っていたと報じられている。
では、この組織が日本在住の中国人だけをターゲットに活動しているかと言えば、そうではない。実は、日本人も接触を受けていることがわかった。それが冒頭に登場した日本人男性だ。
東京生まれ。20代後半に駐在として中国へ。駐在、現地採用、留学生を経てフリーに。2011年編集者、ライターデビュー。現在は、13年ほどの拠点にした中国から日本へ移し活動中。中国を除けば渡タイ回数が一番多い。掲載メディアは『ハーバー・ビジネス・オンライン』、『日刊SPA!』、『グローバルニュースアジア』、『日本と中国』、『週刊SPA!』、『別冊SPA!』、『ニューズウィーク日本語版』、『ローリングストーンジャパン』、『G-Diary』、『俺の旅』など。その他、日中関連の媒体、研究団体機関紙。twitter:@ito_wagatsuma
記事一覧へ