15~64歳でひきこもり状態にある人は全国で推計146万人――。内閣府が3月末に発表した調査結果をみると、中高年(40~64歳)では女性が半数超を占めた。当事者団体は、これまでひきこもりとみなされていなかった女性たちの存在が可視化されたと指摘。性別を問わず支援する必要性を訴えている。

 4月に内閣府から担当を引き継いだこども家庭庁によると、40~64歳の中高年でひきこもり状態にある人のうち、女性が52・3%で半数を超えた。15~39歳は女性が45・1%だった。

 この結果を受け、ひきこもり経験者で、一般社団法人「ひきこもりUX会議」代表理事の林恭子さんは、「ようやく実態に追いついた数字が出てきた」と語る。

 7年前から、10~60代の幅広い世代の女性のひきこもり当事者が集う「女子会」を全国で計約190回開いてきた。一方、自治体の担当者の中には、ひきこもりは男性が中心というイメージを持つ人もおり、女性を支援することに疑問を示されたこともある。

 当事者の中にはDV(家庭内暴力)や性被害の経験を持つ女性もいる。役所の支援窓口が男性職員だったり当事者の集まりが男性中心だったりすると相談しにくいと言う人も少なくないという。

 「今回の、男女が半々という調査結果が、支援を見直すための材料になればと思います」

 国のひきこもりの統計は当初、「主婦(夫)」や「家事・手伝い」を除外していたが、4年前の前回調査から、直近の半年間に家族以外との会話がほぼなかった場合を含めるようになった。

今回の調査結果では、男女ともに就労を経験したことがある人が多数にのぼりました。記事後半で読み解きます。

 ひきこもり当事者らを支援する…

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