東京大学をはじめ、財政難を理由に「もう限界」とばかりに学費値上げに言及する国立大学が相次いでいます。東大教授で教育社会学者の本田由紀さんは「何の解決にもならない」と指摘します。話を聞きました。

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家計も「もう限界」

 「大学のお金が足りなければ、学費に転嫁すればいい」。非常に浅はかな発想です。日本はむしろ、大学の高すぎる学費を是正しなければなりません。

 高等教育への公的な支出が少なく、私費負担に依存してきたのが日本の特徴です。日本よりも学費が高い米国は、その分学生への経済的支援が充実していますし、欧州では国立大が無償の国も珍しくありません。ところが日本は、学費は高く、経済的支援を受けられるのはごく一部に限られ、奨学金は「貸与型」という名の借金が一般的です。その上、私立大に合わせる形で、国公立の授業料は上がり続けてきました。

 先日、国立大学協会が財政状況…

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