大学授業料高いか安いか 無償が主流の欧州、戦争の歴史への反省も

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聞き手・星井麻紀
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 日本の大学は高いのか、安いのか。大学授業料をめぐって議論が起きています。国立大学の標準額の授業料はいま年間約54万円。東京大学が約2割の値上げを検討中で、慶応義塾の伊藤公平塾長が「150万円に引き上げるべきだ」と案を示して注目されました。世界の学費事情に詳しい大阪大学の園山大祐教授(比較教育社会学)に聞きました。

 ――日本の大学の学費は、先進諸国の現状から考えてどう位置づけられますか。

 米国や英国の高い授業料がよく知られているせいか、日本の国公立大学は「安い」と捉えられがちです。確かにそういう側面もありますが、国立大学が多い欧州各国を見ると、授業料を取るのはむしろ例外で、ほぼ無料に近い国が大半です。

日本の私費負担率、OECD平均を大きく上回る

 経済協力開発機構(OECD…

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この記事を書いた人
星井麻紀
前橋総局
専門・関心分野
ロシア、平和、自然保護、まちづくり