1967年、大阪市生まれ。91年、「神戸新聞」の記者となり、阪神・淡路大震災、神戸連続児童殺傷事件などを取材。 98年、「噂の眞相」編集部に移籍。その後「週刊文春」「週刊現代」の記者を経て、現在はフリーランス。『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』(講談社)で2008年、第30回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書に『襲撃 中田カウスの1000日戦争』(朝日新聞出版、09年)、『ふたつの震災 [1・17]の神戸から[3・11]の東北へ』(松本創との共著、講談社、12年)、『トラジャ JR「革マル」30年の呪縛、労組の終焉』(東洋経済新報社、19年)など。神戸市在住。
「今の状況は、SNSだけが原因ではない。感情や情動に左右される『ファスト政治』が加速し、政治家も有権者も忍耐を失ってきた。即断即決を避け、答えの出ないあいまいさに耐える力が求められている」 佐藤卓己・上智大教授(メディア史)のこの言葉が、
「『疑わしい』とされる状況証拠が明らかになる中、今回の判決に納得がいかない人もいるかもしれません。しかし長期間勾留された受刑者が再審無罪になった例があるように、教訓が貫かれなければ、多くの不幸を生むことも考えなければいけません」 今回の
この記事の舞台「JR新長田駅南地区」の復興再開発事業は、阪神・淡路大震災の発災から僅か2カ月後に開かれた神戸市の都市計画審議会で決定された。 被災地の再開発事業は、同地区をはじめ、神戸、西宮、宝塚市内の6地区で施行され、このうち5地区は、
「30年限界説」。災害の記憶は、発生から30年が経過すると継承が難しくなる——災害に取り組む専門家の間で時に語られる説です。が、だからこそ(私も含め)「伝えること」を生業にしている者たちが、伝え続けていかなければならないと思います。しかも、
「わかりやすい『黒幕』を名指しして、これが原因だと単純化するのは、明快な『ストーリー』を求めている点で『県議会やマスコミが斎藤氏を陥れた』とする言説と変わりません」 松本氏の言う通り。付け加えるならば、情報の発信者も受信者も、今、眼前で展
コロナ禍に、「断らない病院」として地域医療を支えたことで知られる「水野クリニック」(大阪府河内長野市)。同院の水野宅郎院長が、荒れた少年時代を送っていたことは、過去のこの記事を読んで知った。 少年院で取り戻した医師の夢 「断らない」コロナ
「SNSvs既存メディア」 という安直な二項対立論に陥らない、谷原先生の精緻で冷静な分析。ただし〈接するメディアの違いによる「分断」は、先の兵庫県知事選挙で、深刻なものであることが可視化され〉たという指摘はまったくもって同感。
〈反発の対象は既成政党だけではない。既成メディアへの不信もまた加速している。兵庫県知事選で再選の原動力になったのはSNSや動画サイトであった。この場合、人々はSNSを信じたというよりも、SNSをきっかけに、既成メディアの報道を信じない意志を
〈立花氏は奥谷氏の自宅前での行為を自身のユーチューブで「選挙演説をしただけ。……と主張している〉 私が以前、今回の兵庫県知事選を「史上稀に見る醜悪な選挙戦」と評したのは、これら立花氏の言動によるところが大きい。 だが、百条委員会の委員長
言ういうことを聞かない子どもに苛立ち、体罰に及ぶ——この記事に出てくる検事の言動から連想したのが、自分の教育スキルの未熟さを棚に上げ、子どもに暴力を振るう教師の姿だ。 こんな不当、不適切な取り調べが行われる背景にはもちろん、検察庁の組織的
今回、多くの人たちが、斉藤氏を支持し、一票を投じた背景に、既存政党やマスコミなど「既得権益」に対する選挙民の潜在的な不信や不満、批判があり、朝日新聞をはじめとするメディアがそれらをどう受け止め、応じていくかを、早急に考えなければならないこと
結果からして、様々な、重い課題が、残った選挙だった。再選された斉藤氏がどれほど、「オール兵庫、ワンチームでやっていく」、「丁寧にコミュニケーションを図りながら、一緒に仕事を進めていく」などと言っても、だ。全会一致で不信任決議を可決した兵庫県
皆様ご承知の通り、今回の兵庫県知事選挙はネット上でも、リアルでも、「混乱」や「過熱」などというレベルではない、実際に逮捕者まで出す「異常」なものとなっている。 その原因が一部候補、及びその「陣営」が、街頭演説や街宣でガナリ立て、SNSにタ
なぜ、斎藤元彦・前知事は、知事と同様に県民の代表である県議会から、しかも自民党から共産党まで全会一致で、不信任決議を突きつけられたのか。 なぜ、その前知事の任期途中での「出直し選挙」に、20億円超もの県民の税金が費やされることになったのか
県知事選の最中に、県内29市のうち7割以上の首長が、特定の候補者支持を明らかにするなどという状況はもはや、「異例」などというレベルではなく、「非常事態」といっていい。 それほど、今回の兵庫県知事選挙は「異常」なまでの混乱ぶりで、一部の候補
「人間は群れると危うい、集団はすべからく解散すべし」。故・若松孝二監督の〝遺訓〟を読んで、逆に、だが、「伝説のルポライター」竹中労の、この言葉を思い出した。 「人は、無力だから群れるのではない。あべこべに、群れるから無力なのだ」(『ルポライ
今では鯨飲馬食の57歳だが、小学生の時は牛乳が飲めなかった。時代は、「完食指導」全盛期。場所は、六甲山牧場を抱く神戸市灘区の小学校。給食に牛乳が出てこない日は無かった。 ご多聞にもれず「居残り給食」。掃除の時間になってもひとり、席に残され
逮捕段階では容疑を否認していた元大阪地検トップはなぜ、認める方針に転じたのか……。検察取材に強い朝日新聞には是非とも、この背景も含め、今回の性暴力事件について、事件の経緯や、組織の問題等、深掘りした記事を書いて欲しい。 もちろん、被害者に
「私はこれまで、多くの国内外の博覧会に関わってきましたが、成功に必要なのは開催の『大義』を明確にすることです」。 「万博のプロ」といわれ、今回の「大阪・関西万博」でも、「テーマ事業ディレクター」を務められている澤田裕二さんの仰ることはもっと
こういう地方(石破氏の地元)の現場ルポから、彼が抱えている様々なジレンマが視えてくる。