第5回「全部食べる=正義」がつらい子どもたち 給食で自己肯定感がゼロに
「完食指導」を考える 食べられない子どもたち 反響編(上)
給食を残さず食べることを強要する「完食指導」。昨年10月に連載した「『完食指導』を考える 食べられない子どもたち」に対し、たくさんの反響が寄せられました。読者のみなさんの声とともに、識者への取材から考えます。
名古屋市の女性(52)は、小食だった。小学1~2年のころ、給食を食べきれず、休み時間や掃除の時間まで、1人で席に残され、食べ続けさせられた。
献立表を見て、食べられそうにない日は朝から熱が出た。学校は休みがちだった。
心配した母から精神科病院に連れて行かれ、様々な検査を受けたが、病気とは診断されなかった。思い詰めた母に「病気じゃないなら学校に行けるでしょ」「(行けないなら)一緒に死のう」と言われた。
「給食が食べられない人は生きていく資格がないのかと、7、8歳で自己肯定感がゼロになった」と、女性は振り返る。
3年になって担任が代わり、給食があまり食べられないことを相談した。「無理しなくていいよ。はじめから少なく盛ってもらおうよ」と言ってくれた。救われた気分になり、不思議と食欲が湧いた。次第に、給食を減らすことも残すこともなくなっていった。
ただ、完食指導の影響なのか…