専門は労使関係論、女性労働論。日本女子大学大学院人間生活学研究科博士課程単位取得退学、博士(学術)。山形大学人文学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス労使関係学部客員研究員、日本女子大学家政学部准教授などを経て、2018年から現職。著書に『雇用か賃金か 日本の選択』(筑摩選書)、『物流危機は終わらない―暮らしを支える労働のゆくえ』(岩波新書)、『グローバル化のなかの労使関係―自動車産業の国際的再編への戦略』(ミネルヴァ書房)など。
人口が減少し、郵便のニーズが減っているにもかかわらず、郵便局数が減っていないことを指摘する記事です。ただ、郵便局を減らすのではなく、むしろその機能を強化していく道もあるかもしれません。 人口が減少している地域では、社会のインフラ機能を誰が
トラック輸送における「帰り荷」問題は、長年の課題です。その解消を目指したマッチングサービスの提供は、IT技術の発達とともに、急速に進展してきました。マッチング機能を高め、共同輸配送を進め、「帰り荷」を確保できるようにすることは極めて重要だと
労働時間の長さと女性比率の低さに相関があることが示されています。 ただ、どちらが原因でどちらが結果なのかは、はっきりしません。長時間労働が求められる職種だから女性比率が低い、と思われるかもしれませんが、女性比率が低い職種だから、長時間労働
日本は、賃金や管理職昇進の男女格差がとくに大きい国です。ここで指摘される通り、その理由には、日本型雇用があると言われてきました。 だからこそ、ジョブ型へ移行しなければならないとの意見もよく聞きます。しかし、ジョブ型になれば、自動的に男女格
鉄道も、バスも、タクシーも、人手不足が深刻です。ワンマン化の次は、自動運転を推進して、無人化になるのかもしれません。今も、自動運転の列車は走行していますし、ワンマン化の推進の背景にも自動運転技術の普及があります。コスト削減、人手不足対応とし
下請法の改正が、価格転嫁を促すことに一定の効果を発揮すると期待しています。 ただ、そもそも中小企業は、なぜ買いたたかれるのでしょうか。買いたたきが起こる主たる原因は、業界による違いもあるかもしれませんが、過当競争にあると私は考えています。
労働者の利益と消費者の利益を両立させることは、なかなか難しいな、と感じさせる記事です。 働く人の労働条件も、サービス利用者の利便性も、一緒に向上させることができれば、それが望ましいことは言うまでもありません。新技術でそれが実現できればいい
価格転嫁を進めるためには、下請構造の是正が必要だと思います。とくに4次や5次といった多重下請けは、価格転嫁以外の問題も、多く指摘されています。契約の書面化が遅れていたり、発注者と受注者との間で業務内容に齟齬が生じがちになります。 途中の2
少子化により18歳人口が減少していくなか、大学が学生を確保していくことは、今後より難しくなっていくと予想されています。 他方で、現在、政府はリスキリングを掲げ、例えばDXを推進させるようなIT人材の育成を呼びかけています。こうした人材育成
女性が役員になり意思決定に参画することが大きな意味をもつことが分かる記事です。 従来、多くの企業が、ほぼ男性のみで意思決定を行ってきました。経営計画、事業方針、人事制度などを男性のみで決定する構造は、女性にとって不利な雇用慣行が見過ごされ
フリーランス新法ができました。発注事業者側に周知し、意識変革を促すことが重要であることは言うまでもありませんが、この記事にある通り、個人で仕事をしている方々は、どうしても立場が弱く、著作権をはじめ様々な契約において不利な立場に陥りやすい状況
今、このコメントを読んでいる方は、残業帰りでしょうか?そうでないとしても、これまで残業をしたことがある人は少なくないでしょう。 では、労働法上、残業はどういう手続きで認められるのか、知っていますか? 日本の法律では、会社は、原則として、1
政府は、日本経済が賃上げや国内投資に牽引されながら成長していく、というシナリオを示してほしいと思います。 ここ数年の春闘でベースアップが進んだことを背景に、現在の賃金上昇は、所定内給与で上昇しています。実質賃金は、まだ安定的にプラスになっ
DXへの期待は、多くの職場で聞かれます。 ただ、DXを推進するには、そもそも情報がデータ化されている必要があります。物流の現場で言えば、荷物情報がデータ化されている現場は、それほど多くない印象です。 例えば、10トンのトラックに荷物を積
最低賃金は、多くの国で政争の具となってきました。 例えば、韓国では、2017年の大統領選挙で、文在寅氏が2020年までに最低賃金を1万ウォンに引き上げることを公約に掲げて当選しました。結果的に、その公約は実現しませんでしたが、大統領就任か
連合が掲げる「5%以上」という水準を低すぎると指摘する声があります。ただ、連合はナショナルセンターとして、すべての労組が足並みをそろえられる水準に目標を設定する必要があります。 春闘とは、労組と労組が幅広く手を取り合い、賃上げの波を作って
物流倉庫では、かなり前からロボットの導入が進められてきました。アマゾンのみならず、先進国の巨大な物流倉庫で、ロボットの活用は当たり前になりつつあります。 しかし日本では、物流倉庫でのロボット導入が遅れていると指摘されてきました。その理由の
勤務間インターバル制度は、EU指令では原則11時間となっています。連続した11時間の休息時間と聞くと、十分に長いように感じるかもしれません。 しかし、例えば夜11時まで残業して、次の日の朝10時に出社するイメージです。23時に会社を出れば
「静かな退職」は、新しい現象ではないと思います。「必要最低限の業務しかこなさない」「仕事とプライベートの境界をしっかり分ける」などの就労意識を抱く労働者は昔から存在していました。しかもその数は、決して少なくなかったと思います。 例えば、今
小泉進次郎氏が掲げる「解雇規制の見直し」の中身がよく分かりません。 通常、大企業が、余剰人員に対処する際、整理解雇を行う前に希望退職者を募集します。これは、小泉氏が見直すといっている「解雇回避努力」の一つです。そして希望退職者には、多く